「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

オンライン採用になって、中小企業が益々苦戦する理由と対策

 
オンライン採用を考える人のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

オンライン採用になって、中小企業が益々苦戦する理由と対策

 

「オンライン採用は、『会社の未来』を通販で売っている」と考えよ!

「求人を出しても応募者が少ない」
「内定を出しても逃げられる」
こんな声が、中小企業の採用担当から聞こえてきます。コロナ禍をきっかけにオンライン採用に移行し、益々中小企業の採用は苦戦を強いられています。
中小企業が採用で苦戦する理由は、大きく3つあります。
1)就活生との接点が少ない
2)会社の特徴が見えない
3)会社の成長性を感じない
従来の採用では、共同の企業説明会のブースの前にいた学生に声をかけたら、その気になって応募・採用になるなど「偶然」がありました。しかし、オンラインが中心となると、そんな偶然がなくなりました。オンライン採用では、就活生に浸透した知名度や安定感において、大手企業が絶対的に有利です。
しかし、中小企業でも会社の魅力を学生に伝え、採用ができている会社があります。そもそも求人数と学生数を比較すればわかるように、すべての学生が大企業から内定をもらうことはできません。中小企業でも、就活生に自分の「企業」を見つけてもらい、その魅力をうまく学生に伝えられれば、勝機があります。
この数年、採用する側の人間として感じたのは、
「オンライン採用とは、『会社の未来』を通販で売っているようなもの」
ということです。こう考えると何をすべきかが明確になります。大企業と同じように活動していては、全国展開している企業や知名度のある商品のある企業が有利です。しかし、オンライン通販だからこそ売れたモノが沢山あるように、中小企業もオンライン採用の時代をうまく利用して、満足できる採用をしたいものです。

 

就活生との接点を増やす

オンライン採用では、学生が企業を検索することから始まります。希望の業種、企業などを探すのですが、「知っていること」が前提です。サイトを検索すれば、各企業の売上、収益などが出ています。また、「働き甲斐のある会社ランク」「年収ランキング」「女性管理職の多いランキング」など様々な情報があります。しかし、それらはほとんど株式上場企業が対象の情報です。非上場の中小企業は、この点では勝ち目がありません。
従来、学生が中小企業を知るきっかけは、
① 大学で求人票を見る
② 大学の先生、先輩から紹介される
③ 口コミで知る
④ 会社説明会で接点を持つ
⑤ 就職斡旋サイトで知る
などでした。ところが、コロナ禍で人との接触する機会が大幅に減少し、①から④がほとんどありません。オンラインでの会社説明会が開かれていますが、学生はピンポイントで狙った企業の説明会しか参加しません。以前のように、学生が合同説明会で説明会場やブースの前をブラブラしていて偶然未知の企業に出会うことはありません。

オンライン採用では、まず「企業名」を知ってもらう必要があります。比較して考えるため、オンライン通販のアマゾンや楽天で売れているモノをイメージしてみます。売れるモノとは、
① ブランドがあり、世間で評価が高い
② モノとして特徴があり、検索サイトで上位にランクされている
③ マスコミやSNSで話題になっている
④ 商品提供者HPに買いたくなるようなコンテンツがある
といったところでしょうか。
中小企業には知名度がありませんので、なにがなんでもネット上で企業名を見つけてもらえないと勝負になりません。求人サイトに登録し、大学の求人票を出しても、それだけでは何の反応も期待できません。
通販業者が、個人に商品の紹介メールを送るように、就活生にアクセスする方法があります。就活生に企業を紹介する方式の求人サイトに登録する方法もあります。ただし、これも求人サイトの担当者と頻繁に連絡を取り、自社の優先順を上げてもらうことが必要なようです。
従来型の延長で、大学の先生やOBからのオンライン紹介を使えれば、強い味方になります。ただし、日ごろから大学などと関係を構築しておく努力が必要ですが。
SNSや口コミサイトで話題をつくることができれば、一気に企業名が知られることになります。これを実現するには、本業に話題性が必要です。



会社の特徴を伝える

企業名を認知した後、どのような経路からの応募者でも、必ず会社のホームページに目を通します。内容が洗練されていない、情報が古いといった理由で応募を見送ることさえあります。常にクオリティと情報の鮮度を保つ努力が必要です。
応募者の少ない中小企業ならば、アクセスしてきたすべての就活生と直接コンタクトをとることが可能です。採用担当が、フォロワーとして就活生に寄り添い本音を引き出す役割を果たすことです。就活生の味方になり話をよく聞くことで疑問点などを解消するとともに、良好な関係性を作り、次の採用段階に進みたいと思わせることを目指します。
また、SNSを活用した情報発信で、企業の魅力を伝えている企業もあります。ホームページだけでは伝えきれない自社の良さが、就活生に親近感を抱かせる効果があります。

 

企業に成長性を感じさせる

採用において、売っているものは「会社の未来」です。大企業は、会社の規模や利益、給与や福利厚生で「現在」に強みがあります。「会社の現在」での勝負になれば、勝ち目はありません。あくまでも売るべきは、「会社の未来」です。
数年前に起業したベンチャー企業の社長が、自社を紹介する動画を公開していました。
「今は零細でも、5年後、10年後を期待してください。こんな未来があります。この会社に来て一緒に頑張ってくれる人を求めています」
こんな内容で、「未来」の姿を訴えていました。最近は、社長自らが語る動画を公開している企業が沢山あります。しかし、その多くは投資家や株主向けのもので、あまり面白いものはないようです。中小企業の社長自らが「未来」を語ると迫力が違います。
中小企業に就職するにあたって、学生には迷いがあります。「もっと安定している会社」「給与や福利厚生がいい会社」がもっとあるのではないかとの気持ちです。その会社で仕事をしたい、この人と仕事をしたいとの動機付けが必要です。
「この会社は、将来発展する」
「この社長となら何かできる」
と「未来」を確信させられかどうかです。
この「未来」を確信させる要素は、その会社の5年後、10年後の経営計画から来ます。「会社の未来」を売るとは、「会社の成長プラン」を信じてもらうことです。学生が、会社の成長性を感じなければ、逃げていきます。


オンライン採用 新時代と自社にフィットした人材の求め方

まとめ

採用活動は、コロナ禍以降オンライン採用に移行しています。
「オンライン採用とは、『会社の未来』を通販で売っているようなもの」
と理解することで、知名度で劣る中小企業が戦うヒントを得られます。
オンライン通販だからこそ売れたモノが沢山あるように、中小企業もオンライン採用の時代をうまく利用すれば、満足できる結果が得られることが期待できる。

参考記事:Twitterを活用した採用のメリットとデメリット。その注意点

採用学生が集まらない会社の募集対策は、自社HPの充実から

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2022 All Rights Reserved.