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「本当に欲しい学生」を採用するために採用担当と面接官がすべき5つの事柄

2021/09/16
 
悪い面接官のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「本当に欲しい学生」を採用するために採用担当と面接官がすべき5つの事柄

 

面接官の印象で会社のイメージが出来上がる現実

「面接官 感じ悪い 辞退」
「面接官 態度悪い」
「採用面接官 クズ」
ネットには、採用面接官に対するこんなキーワードが溢れています。
中途採用を含めた数字ではありますが、『月間人事のミカタ』のデータによれば、面接で「この会社に入社したくない」と思った人の63%が面接官の不快な態度・質問を上げています。逆に「入社したいと思った人」の74%が面接官の人柄・印象が良かったと回答しています。(いずれも複数回答によるアンケート)
採用における面接官が、就活生に与える影響は大きいと言えます。

専門の採用担当者は、採用募集を出し、当初から学生とコンタクトして、応募にこぎつけます。そして、書類選考して面接する段階にきて、各部署の無神経な面接官が、学生に悪い印象を与えて、ぶち壊してしまうケースがあります。

採用面接では、人事など採用担当者に他に、それ以外の人が参加します。この人達は、大抵「優秀」と言われれる社員や会社幹部です。会社によっては、社長自ら面接官を務める会社もあります。

概ね仕事に自信のある人達であり、個性の強い人達です。ついつい「学生を選ぶ」という態度が出てしまいます。「有望な学生に、自社を選んでもらう」ことなど頭にないような振る舞いをしがちです。たとえ応募者が多くても、「本当に欲しい学生」は、そんなに多くはありません。そんな貴重な人材を逃がす羽目になりかねません。

これは、内定辞退を招くだけではありません。たとえ優秀な人材でも、面接官の印象が悪く、入社の意欲をなくすと、その後の質疑応答もチグハグになり、「内定を出さない」という誤った結論を出すことになりかねまません。

「本当に欲しい学生」を採用するために採用担当と面接官がすべき5つの事柄をご紹介します。

1)適切な面接官を人選する
2)面接官に最低限のルールを伝え・守る
3)面接官は、その年の採用方針を共有する
4)面接官に応募学生の基礎データに対するコメントを出す
5)「本当に欲しい人材」に対する面接官の心得

面接官の質を上げると、学生の選抜能力を上げることができます。内定者の辞退を防ぎ、更に入社後のモチベーション維持が期待できます。採用担当の方は、面接前にこの5つの事柄を是非確認してください。「本当に欲しい人材」を採用することができるはずです。

適切な面接官を人選する

「採用面接があるので、各部署から面接官を出してください」

そんな依頼を各部署に出します。各部署では、若手の優秀社員を選んだり、所属長自ら面接官になったりといろいろです。明確にルールを決めている会社もあれば、なんとなく昨年と同じ人ということころもあります。

面接官の人選は、極めて重要です。私の部署に毎年、真面目なのですが大人しい新入社員ばかり入ってくるので不思議に思っていました。そして、大人しい新入社員の採用履歴を調べてみると、皆同じ面接官Aさんが担当していることがわかりました。Aさん自身は、大人しいタイプではないのですが、面接で話がうまくいくのが、大人しいタイプの就活生だったようです。

面接官は、「取りたいタイプの学生」と話がうまく出来る人が選べたら理想です。

面接官に最低限のルールを伝え・守る

人事や専門の採用担当は、日頃から採用の際、質問してはいけないことなどを熟知しています。(必ず熟知すべきです。)問題は、各部署に依頼した面接官です。面接官としての研修やトレーニングを行うことが理想ですが、難しいところです。

面接前に人事や採用担当から、注意点を必ず説明することが必要です。マニュアルがあれば読んでもらいます。各部署から来る面接官は、職位が高い人や優秀な人が多く、採用担当から指導・注意しにくいものですが、実施しなくてはいけません。

各部署から来た面接官に最低限の面接ルールを伝えることです。実際の面接では、専門の採用担当者と各部署からの面接官が同席します。採用担当は、面接の間、基本のルールが守られているか監視役を果たします。

面接官は、その年の採用方針を共有する

各面接官が、異なる方針で面接に臨まれては困ります。

「必要人数を充当することを優先する」
「採用予定数に未達でも、レベルを下げない」
などのその年の採用方針を確認・共有してもらいます。
採用予定数と応募人数の関係で、どこまで絞り込むかの方針を明確にすることです。

面接の評価と、ESや適性検査、グループデスカッション評価との関係が明確にされていない会社も多いようです。それぞれの評価の重みづけを確認すること。また、1次面接、2次面接の複数の面接を行う会社では、それぞれの面接の視点を変えています。1次面接はコミュニケーション能力など人間性、2次面接では専門性といった具合です。問題は、面接官がこれを理解せず、毎回「明るく元気なタイプ」を高評価する人がいることです。

面接官に応募学生の基礎データに対するコメントを出す

通常面接官には、面接前にエントリーシート(ES)や適性検査の結果が渡されます。ところが、目を通していない面接官、目を通しても面接直前といったことが起こります。面接官は、会社で最も忙しい人がなることが多いからです。

採用担当が、事前に読んだESや適性結果について、面接官にコメントをコメントすることが有効です。
「この学生は、自己PRでこんな特徴があります」
「この学生は、適正検査での評価点が高いので確認してください」
こんなコメントを採用担当が面接官に伝えることです。これには2つのメリットがあります。

1)採用担当が、コメントをする必要からESや適性検査をよく読む
2)面接官が面接時にする質問のヒントを得ることができる

面接官への情報提供イラスト

「本当に欲しい人材」に対する面接官の心得

面接官は、面接が進むに従い、
「採用したい学生」
「断りたい学生」
「後で判定したい学生」
頭の中で、こんな仕分けが出来てきます。

「後で判定したい学生」には、後で検討ができるように、より深い質問を続けます。
「採用したい学生」に対しては、
「この仕事をしてみたい」
「やりがいがありそうだ」
「仕事で成長できる」
などと思わせる質疑応答が必要です。内定辞退者が多い企業では、特に重要です。

「当社では、○○の開発をしていますが、○○に興味がありますか」
「当社は、業界初の△△サービスをしています。あなたは、チャレンジすることに対して、前向きな方だと思いますか」
こんな企業の魅力を伝える質問をすることで、内定辞退を防ぐ効果がでます。更に入社後に高いモチベーションを持たせることができます。

まとめ

採用にあたり面接官の役目は重要です。「この会社に入社したくない」と思った人の63%が「面接官の不快な態度・質問」を上げています。面接官には、「内定者を選ぶ」ことだけでなく、「内定辞退を防ぐ」「入社後のモチベーションを上げる」役目があります。面接官の質を上げて「本当に欲しい学生」を採用、入社後の成長に寄与できるようにすることです。

参考記事:採用担当者が悩んだ時の労働生産性を基準にした新卒採用人数の決め方

採用学生が集まらない会社の募集対策は、自社HPの充実から

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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