「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

仕事での「話がうまい人」とは、言葉で「相手を行動させる人」のこと

 
うまく話す人のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事での「話がうまい人」とは、言葉で「相手を行動させる人」のこと

 

仕事での「話がうまい人」とは、言葉で「相手を行動させる人」

「パワーポイントを使い、『立て板に水』のごとく話す有名講師」
「客を笑いの渦に引き込みながら話す芸人」
うらやましくなるほど「話がうまい」人達がいます。そんな人になりたいと思っても、なかなかなれるものではありません。彼ら(彼女ら)は、話すことが職業のプロです。同じように話が出来なくて当たり前です。
しかし、商談をする、上司に提案する、部下に指示するなど仕事の目的を達成するためには、「話がうまく」なくてはなりません。仕事において「うまく話す」とは、相手に流暢に説明することでも、楽しませることでもありません。それは、
「相手に行動してもらうこと」
です。お客様に買ってもらう、上司を説得し決裁をもらう、部下や同僚を納得させ動いてもらうことができるかどうかです。
仕事において「話がうまい人」とは、
1)相手に行動してもらえる話ができる
2)相手が聞きたくなる
3)自分のイメージを相手の脳に映し出す
ことが出来る人だと思います。話し方については、多くの指導書やネット記事が溢れていて、様々なテクニックが紹介されています。これらのテクニックは、それぞれ有効でしょうが、よりうまく話すには、この3つのポイントを理解しておくことが大切であることを紹介します。
なお、この記事は、桐生稔著「説明の一流、二流、三流」(明日香出版)を参考にしています。


説明の一流、二流、三流 (ASUKA BUSINESS)
 

「話がうまい」とは、相手に行動してもらえる話し方ができる

「話がうまい」とは、相手の受取り方次第です。相手が行動を起こすかどうかが重要であり、「話がうまい」「話しが下手」は、相手が決めることです。
もしあなたが、
「自分は話が下手」「人前で話すのは苦手」
などと考えているとすれば、それは話し方のテクニックにばかりに気持ちが向いている証拠です。流暢に話すよりも、
「どう話したら相手が行動を起こしてくれるか」
と考えることです。逆に言えば、相手に「何をして欲しいか」が明確でない話し方は、仕事において、話をうまくできる訳がありません。
「今日は、決裁を頂きにまいりました」
「今回は、売上減の状況をご理解いただきたく報告に来ました」
こう冒頭で切り出してくる部下がいました。まず、相手に何をして欲しいかを明確に伝えてから話しだすのです。決して流暢に話ができる社員ではなかったのですが、相手に何をして欲しいか明確で、自然に相手はこれを念頭に話を聞こうとします。今も私は、この話し方を利用させてもらっています。

「話がうまい」とは、相手が聞きたくなること

どんなに学術的に価値のある話でも、自分と関係がなければ、人は話を聞こうとしません。話を始めたとき、相手は、
「自分にとって得をする話」
「聞かないと損をする話」
であれば、自然に耳を傾けます。「話がうまい」要素は、相手に損得の情報を与え、聞きたくなるかどうかです。
私は、かつて米国で新工場の従業員に対して技術指導をしたことがあります。とても流暢に英語を話すことなどできません。新規に採用した社員は、全員未経験で、私から機械の原理、操作方法を聞くしかありません。ホワイトボードを前に、図を描き手振りを交えて、名詞と動詞を並べ、流暢とは程遠い関西弁まじりの英語でしたが、相手はそれなりに理解し、機械の操作方法を身に着けてくれました。時には、説明に困るような質問もありましたが、
“Based on my experience”(私の経験に基づくと)
という必殺技が有効でした。相手は、未経験者です。「この人は、自分の知らない世界を経験している」という前提のもと、なんでも吸収しようとする気がありますので、どんなにたどたどしい説明でも相手は納得します。ところが、ある日その地方の議員が見学者に来ました。英語の説明に自信が出てきた頃で、自信たっぷりに工場の説明をしたのですが、さっぱり英語が通じません。見かねた米人スタッフが、代わりに説明をしてくれました。自分の英語が上達し、通じると思っていたのが間違いでした。相手が、自分の話に関心がなければ、話は通じないことを実感しました。

 自分のイメージを相手の脳に映しだす話が出来る

話をして「伝わる」とは、自分のもっているイメージが、相手の脳に再現できることです。例えば、自分の前に像がいたとします。その像を、言葉だけで像をみたことがない人に伝えて、その人に像の絵をかいてもらいます。これが、どれだけ本当の像に近いがどうか。これが、本当の国語力です。見たモノを言葉で表現できる力。聞いた言葉をモノに再現できる力です。多くの言葉を知っている、難解な漢字が読み書きできることは、国語力の一部でしかありません。
「うまく話す」とは、自分のイメージを相手の脳に映し出すことです。相手が理解できない言葉では、イメージできません。図や表を使うことは、直接相手にイメージを伝えられます。相手が見たことがある、経験したことがあることを例にあげれば、相手はイメージし易くなります。伝えたい状況を相手の脳に再現できれば、話し手の目的である「行動してもらう」確率が大いに高まります。

まとめ

仕事において「うまく話す」とは、
「相手に行動してもらうこと」
お客様に買ってもらう、上司を納得させ決裁をもらう、部下や同僚に動いてもらうことができるかどうか。
「話がうまい人」とは、
1)相手に行動してもらえる話ができる
2)相手が聞きたくなる
3)自分のイメージを相手の脳に映し出す
ことができる人です。

参考記事:リーダーの傾聴力とは、部下に「共感」して「気持ち」をスッキリさせる力

面接で「結論から」「具体的に」話すときにハマる「落とし穴」とその回避方法

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2022 All Rights Reserved.