就活の自己分析、自分の「強み」と「弱み」の根源にある3つのスキル
就活の自己分析、自分の「強み」と「弱み」の根源にある3つのスキル
「強み」と「弱み」の根源にある3つのスキル
「あなたの『強み』を話してください」
就活の面接でよくある質問です。エントリーシート(ES)にも、同様な質問があります。運動部で実績がある人、なにかで表彰されたといった経験を持つ人ならば、容易に「強み」を答えられますが、多くの人はどう答えたらいいかと迷うものです。
就活本などにあるマニュアルに従って自己分析をやっても、自分の「強み」に確信が持てません。マニュアルによっては、「自信を持って『強み』を話すことが大切」と指導していて、「強み」そのものの分析から逃げている例もあります。
新卒の就活や転職者との採用面接で気付くのは、「強み」そのものを正しく理解していない人が多いことです。人の「強み」の根源には、3つのスキルがあります。
1)ヒューマンスキル
2)テクニカルスキル
3)ポータブルスキル
これらのスキルに優れていることが、自分の「強み」の根源になります。ただし、スキルには賞味期限が付いていることがあります。例えば、最新の科学技術を有することはテクニカルスキルとしての「強み」です。しかし、何もしなければ、その技術は陳腐化します。ところが、同じテクニカルスキルでも、各種の資格は「強み」として維持されます。
また、「強み」は相対的なものです。陸上競技の男子選手として、100mを10秒台で走れても、全国では平凡な選手です。しかし、サッカーや野球選手であれば、とんでもない俊足として「強み」になります。
「強み」の根源には3つのスキルがあること。「強み」には、賞味期限があること。「強み」は相対的であると理解することが大切です。これらを理解して、自分の「強み」を見つけアピールすることが、就活では有利に働くことが期待できます。
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ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、周知と良好な関係を築き、維持するために必要な能力と技術のことです。性格とか人間性に関するものが主になります。
積極性、協調性、柔軟性、向上性などが、代表的なものでしょうか。これらヒューマンスキルには、賞味期限がありません。学生時代、積極的だった人は、社会人になっても積極的に仕事をすることを期待できます。有力な「強み」となります。
注意すべきは、ヒューマンスキルには、各特性が「強み」にも「弱み」にもなりうるということです。例えば、「消極的」と言えば「弱み」になりますが、「慎重」と言えば「強み」になります。「協調性」と「優柔不断」は、紙一重です。
ヒューマンスキルに基づく「強み」は、各自の特性を「強み」としての活かし方を知っているかどうかによります。
テクニカルスキル
テクニカルスキルというのは、仕事を遂行するために必要な専門知識や技術のことです。知識、資格、経験を指しています。例えば、TOEIC○○点、プログラミング技術、運動部経験などです。高学歴も一種のテクニカルスキルです。
テクニカルスキルには、賞味期限があるものがほとんどです。英語の力もその後のフォローが無ければ、落ちていきます。高学歴もその後勉強を怠れば、知識が陳腐化し覚えていたことも忘れていきます。ただし、学歴という「肩書」は残りますが。
テクニカルスキルは、中途採用など即戦力を求める場合は重要です。しかし、新卒者に対しては、入社後に習得すべきテクニカルスキルの土台となる力があるかどうかが問われます。また、新卒者に期待する「強み」は、そのテクニカルスキルを習得した背景としての「強み」です。TOEICの高得点は、その英語力だけでなく、TOEICで高得点を得るための努力する力を示していると受けとめます。
テクニカルスキルに基づく「強み」は、相対的です。機械系のメーカーや研究所において、微分積分など数学ができることはさほどの「強み」とは言えません。出来て当然でしょう。ところが、金融系の会社では「強み」になり得ます。
テクニカルスキルでは、複数のことができることが「強み」になります。例えば、プロ野球で、打率2割6分の選手は沢山います。ホームラン10本も驚くほどではありません。そこに、守備で年間エラーが5つ以下。盗塁が10個となると大谷翔平とは言いませんが一流選手です。50%の人が出来ることでも、それが5つできれば、0.5x0.5x05x0.5x0.5=0.03125つまり3%の人しかできません。自分では、平凡と思っていることでも複数なことが出来れば、「強み」になります。できること、してきたことを集めてみたら思わぬ「強み」となっているかも知れません。
ポータブルスキル
ポータブルスキルというのは、転職しても「持ち歩けるスキル」というところからできた言葉です。「コンセプチュアルスキル」と言われる物事を理論的・創造的に考え、その本質を見極める力で個人や組織の可能性を最大限まで高める能力です。典型的なものとして、リーダーシップ、問題解決力、マネージメント力、企画力などがあります。企業が学生を採用する際、最も期待するスキルに基づく「強み」です。
ポータブルスキルは、採用されるまでに身に着けるものであると同時に、入社後も高めていくべき力です。会社のポジションが上がるに従い、仕事の中でポータブルスキルの必要性が増していきます。
採用する側からみると、採用時のポータブルスキルは重要ですが、入社後にポータブルスキルをどれだけ向上させる可能性がある人物かも大切です。特に幹部候補として採用するには、このスキルとその伸び代は絶対条件です。
ポータブルスキルを「強み」にできれば、就活を有利に進められます。学生がアピールするポータブルスキルに基づく「強み」が、学生同士の相対的なもので、社会経験豊かな人からみると、それほどの「強み」とは感じないこともあります。就活生がポータブルスキルを「強み」とPRする時、その「強み」が入社後も伸び代のあることを感じさせることがコツです。
「自分は、○○活動を通して発揮したリーダーシップが『強み』だと思います。ただし、活動した仲間は、同世代であり同レベルの知識を持った者たちでした。社会人では、世代を超え様々な人を動かすリーダーシップが求められると思いますが、自分の率先実行スタイルのリーダーシップは、『強み』として生きると思います」
こんな趣旨のことを言った就活生がいました。かなり自信家には感じましたが、面接官たちが総じて好印象を持った例です。
まとめ
人の「強み」の根源には、3つのスキルがあります。
1)ヒューマンスキル
2)テクニカルスキル
3)ポータブルスキル
また、「強み」には、賞味期限があること。「強み」は相対的であることを理解することが大切です。これらを理解して、自分の「強み」を見つけアピールすることが、就活では有利に働くことが期待できます。
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