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「非常事態宣言」の本当の意味。新型コロナの宣言は、「非常事態宣言」になってない!

2021/09/10
 
非常事態宣言を出す人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「非常事態宣言」の本当の意味。新型コロナの宣言は、「非常事態宣言」になってない!

 

「非常事態宣言」の本当の意味とは

「新型コロナ感染防止非常事態宣言」
今世の中では、非常事態宣言で溢れています。企業内においても労災や交通事故が続くと
「災害防止非常事態宣言」
「交通事故防止非常事態宣言」
がでます。収益が悪化すると
「収益改善非常事態宣言」
を出すこともあります。

一方で、これら「非常事態宣言」について、
「単なるスローガン。効果あるの? 意味ない!」
との思いが、従業員に生まれます。ネット上もこの手の投稿が溢れています。コロナに関する非常事態宣言を見ていると、この「意味ない!」との意見がもっともだと思えます。非常事態宣言を「意味ない!」と言わしめる原因は、そもそも「非常事態宣言」が、どんなものか企業内や社会で理解されていないことにあります。

「○○非常事態宣言」の「本当の意味」とは、
「○○をすべてに優先する」
ということです。新型コロナ感染防止非常事態宣言とは、「すべてに新型コロナ感染防止」を優先するということです。この考え方にたてば、「飲食店での酒の提供時間」などは議論の余地がありません。本当の意味の「非常事態宣言」を知り理解することで、宣言の効果が期待できるのではないでしょうか。

この記事では、「非常事態宣言」とは、どんなものか。どうすれば、宣言の効果がでるのか、企業経営の経験から考えてみます。

 

「非常事態宣言」とは何か

そもそも国家レベルの「非常事態」とは、戦争や内乱、災害などで通常の国家運営ができない状態をさします。この非常時事態に対応するのが、国家緊急権制度です。

国家緊急権に基づき発令されるのが、「非常事態宣言」や「戒厳令」です。例えば、「戒厳令」では、戦争や内乱などの非常時に際、全国ないしは一部地域において通常の立法権、行政権、司法権の行使を軍部のゆだねる非常法です。(Wikipediaによる)「戒厳令」の元では、裁判も軍法会議が優先されます。

国際的では国家緊急権が明確にされていますが、日本国憲法には、「国家緊急権」は明示されていません。「戒厳令」も「非常事態」に対応する条項もありません。このことは、長年政府内で問題化されてきましたが、全く議論が進んでいません。( 衆議院憲法調査会「非常事態と憲法」に関する基礎的資料(平成15年2月)) 結局、「新型コロナウィルス感染防止対策緊急事態宣言」は、スローガンでしかありません。

「○○緊急事態宣言」とは、特定の人(機関)に「権限と責任」を委ねることです。コロナの場合であれば、「コロナ対策を政府関係機関に権限と責任を委ね、宣言が出されている間は、これに従う」ということになります。国民の間に、非常事態宣言に対するコンセンサスがなければ、それは「非常事態宣言」とは言い難いようです。


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企業内「非常事態宣言」の効果を出すには

企業内でも「非常事態宣言」が出されます。これも、単なるスローガンになってしまうことが、多いのではと思います。

私は、かつて工場長をしていた200人程の工場で、労働災害が多発し、「労働災害防止非常事態宣言」を出した経験があります。工場長の責任で、「非常事態宣言」を出しました。この時従業員に説明したのは、
「安全をすべてに優先させる」
ということです。
「安全な作業のために納期遅れを出しても、責任は工場長にある」
「安全な作業のために、コストアップになっても仕方ない」
「職場で、走るな。それで、仕事が遅れても構わない」
「安全を優先させる」と言いながら、従業員にはバランス感覚があります。
「本当に納期遅れが出ても大丈夫ですか。工場長、責任取ってくださいよ」
なんて声が上がります。コロナ対策をしながら、経済の心配をしているようなものです。
この工場では、徹底的に安全優先を6か月続けて、宣言解除をしました。

「収益改善非常事態宣言」が全社として出された時は、「短期的なコストカットを優先する」との宣言に置き換え工場で展開しました。将来コストがアップすることが分かっていても、足元のキャシュアウトを減らすことを優先しました。

企業内で「非常事態宣言」を出して効果をあげるには、1) 優先順を明確にすること 2)「権限と責任」を発出者に任せることです。特に、○○を優先することで生まれるデメリットの責任を発出者が取ることが、宣言の効果を出すことにおいて重要です。

 

まとめ

「○○非常事態宣言」の「本当の意味」とは、
「○○をすべてに優先する」
ということです。そして、宣言の発出者に「権限と責任」を発出者に任せるとの組織コンセンサスが必要です。特に、○○を優先することで生まれるデメリットの責任を発出者が取ることが、非常事態宣言の効果を出すことにおいて重要。

参考記事:企業文化がつくられる3つの要素と企業文化を変える方法

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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