会社を辞める新卒者のホンネの悩み対策と失敗しない採用対策
会社を辞める新卒者のホンネの悩み対策と失敗しない採用対策
会社を辞める新卒者のホンネの悩み対策
新卒で入社した大卒大学院卒の32%は、3年以内に離職するとの統計が、厚生労働省より出ています。(新規学卒者の離職状況 平成29年)同じ資料によれば、これは企業規模に関わらず同じような数字です。また、新卒退職者の退職理由について、記事を拾ってみますと人事のミカタHP記事に「転職理由(退職理由)のホンネとタテマエ」等があります。この記事には、退職理由のタテマエとして
1位 仕事のスキルを広げたい
2位 専門スキルや知識を発揮したい
ホンネでは、
1位 報酬が少ない
2位 人間関係が悪い
3位 会社の将来に不安を感じる
と報告されています。実際に退職希望者や退職者と面談した経験では、ホンネとして「報酬」よりも、「人間関係」に上位であるようです。上司への不満、同僚との関係でストレスを感じて辞めたくなるのが、ホンネです。同様な話は、小池修氏の著書『日本一社員が辞めない会社』(ぱる出版)にも出ています。その本では、普段の上司(社長)との会話の重要性が紹介されています。
上司は、退職希望者を説得できない
社員が、上司に退職希望を申し出るときには、相当覚悟が決まっています。上司に退職を止められるのは、本人が会社を誤解していて、これが解けた時位です。退職希望者に対して、上司が説得しても無駄です。
「ここで我慢すれば、将来なんとかなる」
「どこに行っても、処遇に差がない」
などと上司が説得すればするほど、本人は「この会社は、だからダメなんだ」との思いを強くします。タテマエの退職理由を真に受けて、対応しようものなら、バカにされ退職を決定づけるようなものです。新卒の退職希望者は、意外なくらい会社のことを知りません。
「会社の方針として、2,3年は、現場で仕事をしてから、君の希望した部署に配属予定である」
「未発表の新規事業計画がある。制度改革を予定している」
「君をいじめるAさんは、期末に異動予定である」
等の説明で、会社への誤解が解ければ、退職を思い留まることがあるかも知れません。これも、普段から上司が新卒者と会話をしておけば、そもそも退職希望を申しでることは少ないと思います。
なぜ退職を思い留まるか
なぜ退職を思いとどまるかについては、統計が取りにくく、本人達との面談で得た情報にて書きます。
1)転職先が見つからない
景気や転職市場の動向を見ていると明らかです。転職市場が良くなると、退職者が増えます。あくまでも退職者のタテマエは、「自分を活かしたい」ですが、ホンネは、「自分を評価してくれる転職先の会社を見つけた」からです。
2)同期の友人に相談して、思い留まった
会社では、入社年によって新卒の退職者の多い期と少ない期があります。ある種の連鎖反応のように感じます。ところが、詳しく調べてみると退職者の多い期が、同期で頻繁にコミュニケーションを取っているわけではなく、むしろ逆でした。コミュニケーションの多い期で退職者が少なく、励まし合っている実態までありました。
3)家族に相談して、思い留まった
独身者は、親。家庭持ちは、パートナーの意向が、退職を思い留まらせます。逆に他社から人材を引き抜きたいときは、家族を説得すると成功の確率が上がります。
同期入社者間のコミュニケーションが、新卒退職者を防ぐ
職場の人間関係や会社への不満・不安を相談する同期入社ネットワークを育成することが、上司との会話と同等に重要です。この為の会社ができる3つの方法を記します。
1.同じ事業所や同じ部署に複数人を配属する
2.毎年の採用をやめ、数年ごとに複数人を採用する
3.同期入社のコミュニケーションを積極的に支援する
同じ職場に新卒者が複数人を配属することが、会社の規模や採用状況から難しい場合、数年ごとに複数人を採用する手があります。また、同期入社のコミュニケーションを積極的に支援する意味で、入社前後から同期イベントを行うのも手です。
まとめ:同期コミュニケーションを育てよう
せっかく入社したのに、3年以内で辞めてしまう人が1/3います。会社を辞めようとした時、会社の事情を知り、自分の気持ちが理解できる同期入社に話すことは、重要です。たとえ解決策が無くても、話すだけで冷静な判断ができます。同期入社のコミュニケーションを育てることを普段からしておくことです。
参考記事:職場のリーダーが、今時の新人・若 手社員を動かす方法