会議の効率化は、「なんのための会議」かを仕分けすることから
会議の効率化は、「なんのための会議」かを仕分けすることから
会議の効率化は、「なんのための会議」かを仕分けすることから
大きな組織や会社では、やたらと会議が多いものです。コロナ禍の影響で、リモート会議も増えて、回数も時間も幾分かましになってきましたが、生産性からみると課題だらけです。何とか効率化できないかと思います。
会議の効率は、アウトプットを会議の工数(出席者数×会議時間)で割ったものです。アウトプットを報告や決定事項の数でみるか、質でみるか定義しにくいですが、工数は容易に把握できます。ある若手社員が、出席者推定時給に会議時間をかけて、会議コストを作成し、私に持ってきたことがありました。
「この会議、毎回18万円かかっています。それで、ほとんどの人は議題に無関心で発言もありません。こんな効率の悪い会議をやめてくれませんか」
毎朝やっていた20分ほどの会議に文句を言ってきました。
「皆を集めて毎朝会議をするのは、コストに見合う大事なことがあるからだ」
と反論したのですが、その「大事なこと」を示すことが出来なければ、若手の言うとおりムダ時間です。
これが、きっかけで会議に関して意見を聞きました。
- 会議時間が守られない、長い。
- 会議資料作りが大変。
- 会議の参加者が多く議論できない。特定の人だけが、発言している。議題に関係の無い人が参加させられている。
- なんの為の会議が分からない。結局、上司へ報告しているだけで、他の人は発言しない。
- 会議の結論が出ない。いくら上司に説明しても、明確な指示がなく「次回までの検討」となる。
- 各部署から会議に参加しているが、その部署の利害から出た発言だけ。
- 会議が終わって、参加者が各部署に報告しない。
いろいろ不満が出てきました。会議の回数に対する不満より、会議の効率化に関する不満が多くでました。時間が長い、参加する必要のない人が呼ばれる、結論が曖昧といった内容です。会議の問題は、その企業や組織の慣習、上司の個性など個々の環境により異なります。会議を効率化するには、一概に「こうすれば良い」とは言えませんが、以下に会議を主催するリーダーに向けた会議の種類別の会議効率化手順を記します。下に、フロー図も付けましたので、参考にして下さい。
会議を効率化するには、アウトプット(目的)を明確にすること
会議の効率化で最も重要なことは、アウトプットつまり「何のための会議か」を明確にすることです。会議の目的は、以下の4つに整理できます。
- 審議・承認を得るための会議
- 報告会、情報交換会
- アイデア抽出会議、原案作成会議
- 会うことが目的の会議(挨拶、接待、懇親会)
会議を効率化する、3つの目的別手順
1.「審議・承認を得るための会議」効率的手順
上司へ報告し指示を仰ぐのは、この種の会議のミニ版とみてください。
現状把握 現状を延々と述べて、何が問題かわからないケースがある。
- 問題点の抽出
- 「何が問題なのか」、「何は問題としないか」を明確にする。大きな問題は、細分化して扱える大きさにする。
- 対策案を示す
- 対策に必要な、人・費用・時間を示す
- 対策の審議・承認
準備が十分なら3分で結論がだせるはずです
2.「報告会・情報交換会」効率的手順
- 何を目的とした発表か明確にする。〇〇報告会、△△報告会と会の名前を明確にする。
- スケジュール管理をしっかり。時間が長くなり易いので、司会者による明確な時間管理が必要
- 発表内容、時間によっては、司会者が発表の中止を求める。
3.「アイデア抽出会議、原案作成会議」効率的手順
- この種の会議は、議論することが目的の会議。課題があって、「とりあえず集まれ」は、この種の会議。
- 参加者の人数を制限する。理想は、5~6人。それ以上では、報告会になり易い。
- 時間制限を付ける
- 積極的にホワイトボード等を活用し、案の整理・記録をする
会議を締めくくる、「3つの結論」で実行も効率化
会議の結論を必ず出すこと。「次回持越し」も1つの結論です。ただし、「次回持越し」でも、次回までのアクションを決めること。結論とは、以下の3つです。
「誰が」、「何を」、「いつまでにするか」
ただし、「いつまでに」残業無しの条件を入れるべきでしょう。(労働生産性の観点から!)
最後に、元トリンプ社長の吉越 浩一郎氏の著書「新装版『残業ゼロ』の仕事力」(日本能率協会)から紹介します。
吉越氏が社長時代、毎朝会議をしていました。
①完璧なたたき台
②問題点が適切に細分化されている
③明確なデットラインが示されいる
この条件がそろえば、どんな案件でも2分で結論を出し、指示ができたそうです。見本になる会議の効率化です。「本当に2分で結論を出しているか」、雑誌の記者が実際に行って見て確認し、事実だったとのことです。