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「仕事が出来る人」の特徴は、すぐ分かる、すぐ決める、すぐ行動する

2023/07/14
 
仕事が出来る人イラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「仕事が出来る人」の特徴は、すぐ分かる、すぐ決める、すぐ行動する


「仕事が出来る人」とは、どんな人か

会社や組織には、いわゆる「仕事が出来る人」がいます。営業成績がいい、新しいアイディアを次々に出す、仕事の能率がいい、上司の信頼が厚い、仕事とプライベートの区別がハッキリしてる等々、いろんな「出来る人」がいます。そんな人になりたい、そんな人と自分はどこが違うのかと思っている人への記事です。

「仕事が出来る人」は、行動が速いという共通点をもっています。反対の「速く動かない」とどうなるかを考えてみてください。
1)速く動かないと、選択肢がどんどん失われます。
2)速く動かなければ、主導権が取れません。
3)速く動いた分だけチャンスが増えます。
仕事のみならず人生において、早く動かないと、大抵不利な状況に追い込まれてしまうものです。就活、商談など、相手があるときを想像すれば、よりはっきり分かるます。
例えば、昼食で何を食べるか、「出来る人」はさっさと決めます。論理ツリーを頭に描いて、値段と栄養とおいしさを検討して決めるなんてしていません。決めるのが遅い人が、なんにするか迷ったあげく、サービスランチにしました。すると店員に
「サービスランチは、先ほど売り切れました」
なんて言われるかも知れません。では、他のものを頼もうと迷っていると、人気メニューは次々に売り切れ、気が付けば選択肢がどんどん減っていきます。「仕事が出来る人」は、まちがいなく決断が速く、行動が速いのです。
これは、私が企業人として教育や会社経営幹部を経験して得たものに、思考法の理論を適用して得た結論です。周囲のいわゆる「できる人」を思い浮かべてください。決断、行動が遅い人などいないのではないでしょうか。
では、なぜ「仕事が出来る人」のように「速い決断」「速く行動」できなかと言うと、思考法が間違っているからです。「仕事が出来る人」は、直観(直感とは異なる)で行動しています。分かったら、決断し、行動しています。裏には、正確性をもとめず、「だいたい正しい」で良しとする思考があります。もし、選択した行動が間違っていれば、「やり直すだけ」との覚悟もあります。

分かったらすぐに行動する。分からなければ、観察し調べる。

これが、仕事が出来る人の基本パターンです。「仕事が出来る人」を目指して、研修や自己研鑽で推奨される仮説思考やロジカルシンキング(=論理思考)を学習しても、役に立ちません。これらの思考法は、学問の世界において、時間をかけて真理を求めようとするときは、有用な思考法です。しかし、日常生活やビジネスの世界では、スピードが遅過ぎます。分かったらすぐに行動する。分からなければ、観察し調べる。このパターンを身に付ければ、行動型の人になれます。「出来る人」になれる(近づく)と信じます。

参考記事:「個人の労働生産性とは?「できる人」とは?」

「仕事が出来る人」の思考法

「仕事出来る人」がやらない思考法

「よく考えてから行動しなさい!
子供の頃、こんなことを親や先生から言われませんでしたか。これは、一種の刷り込みです。「よく考えてから行動することは良いことだ」と刷り込まれます。そして、多くの人が、この刷り込みに支配された思考法をしています。典型的な「仕事が出来ない人」の思考パターンを書いてみます。
① 他人と同調することを重視する。
② 判断、行動を間違うことをきらう。他人の目が気になる。
③ 分析や計画ばかりしたがる。
④ 先走りしたくないけど、遅れたくもない。
⑤ 自分で考えない、指示待ち。
こんな特徴が浮かびます。どうですか、すべて決断や行動を遅らせることばかりと思いませんか。
研修や自己研鑽本で論理思考が、よく取り上げられています。「よく考えてから行動することが良い事だ」との刷り込みがあるので、これで「仕事が出来る人」になれそうな気がします。確かに、論理思考は、混沌とした中で、確実により正しい答えを求めるには、いい方法です。科学の世界では、有効でしょう。しかし、ビジネスの世界では、時間がかかり過ぎます。相手があり、かつビジネス環境はどんどん変化するのです。
シリコンバレーでは、
“Fail fast!” 「早く失敗しておけ!
という格言があるそうです。新しいアイディアを完璧に準備をして市場に出しても、大抵失敗する。どうせ失敗するなら、早くアイディアを市場に出して、失敗し、早く改善した者が勝者になるとの意味がこめられた格言です。「仕事が出来る人」の思考法は、真にこのパターンです。

「仕事が出来る人」は、目的(ビジョン)がしっかりしている

先に上げた「仕事の出来ない人」の思考法を、裏返せば「仕事が出来る人」になります。ただし、「仕事が出来る人」とは、思考法が違うだけではありません。一番重要な点は、素早い行動です。先に上げた仕事の「出来ない人」の例は、低迷している企業の社風と一致していると思いませんか。そんな会社では、直観ともいうべき方法で物事を決めて行動することは、社風に合わないかもしれません。そんな速い行動をする人は、「出る杭」として打たれる可能性もあります。しかし、「仕事の出来る人」は、そんなことを気にしません。仕事や生き方の目的(ビジョン)がしっかりしているからです。その行動を心から会社にとって有用と考えるならば、つまり自分のビジョンに合っていれば、周囲の視線を気にする必要はないと思っているはずです。

出来る人の特徴イラスト

Characteristics of excellent people

どうしたら仕事が「出来る人」になれるのか

仕事が「出来る人」とは、決断、行動、見極めがはやい人であることは、これまで説明した通りです。では、どうしたら仕事が「出来る人」になれるかです。

分かったらすぐ行動する

これが、「仕事の出来る人」の基本です。「分かる」とは、ものごとを見て、それが自分の知っていることと結びつき、納得することです。分かれば、行動できます。
実は、この分かる力は、その人が、それまでの経験や知識から積み上げて作るものです。
「〇〇とは、△△みたいなものだ」
「こういう状況なら、物事はこうなる」
そんな、ふうに自分の中にある法則(世界観)と照らし合わせて、分かるのです。分かることに対して、徹底的に正確さを求めていくと、速さが失われます。正解でなくとも「だいたい合っている」で行動することです。そもそも世界をすべて分かるなど困難です。

予想と異なることが起きたら、次の策を行動する。

環境が予想と異なる、行動した結果が予想と異なる場合、次の策を決め行動することです。環境や行動結果を予想していたということは、無意識に異なるパターンも予想しています。予想が外れてもすぐに次の策が用意されています。重要なのは、早く決めて行動することです。

知らないことに遭遇したら調べ、分かったら決めて行動する

予想さえできないこと、知らない分野に遭遇した時は、観察し調査することです。仕事が出来る人は、そんな状況に遭遇した時、まず状況を観察し、文献やネットで調査します。とにかく、なにが起きているか、分かろうとします。分かったと思ったら、対応を決めて行動します。
今回のコロナ禍は、そんな事態です。当初やとにかくコロナとは、過去どんなことがあったかを調べます。すると、過去の伝染病の流行と同じ部分、異なる部分が分かります。これでコロナとは、「だいたい分かりました」。わかったら、対応策を決めて、すぐに行動することです。
20年1月頃、突然職場に段ボール数箱分の不織布マスクが届きました。上司の指示ではなく、「出来る女子社員」の機転でした。その後、日本中でマスク不足が起きてパニックになって、「アベノマスク」が登場することになりました。

出来る人は、PDCAをどう使っているのか

仕事の改善等の手法としてPDCAサイクルを回すことが推奨されます。これは、ことを進めたり、問題解決したりする上での手法で、実績があるものです。P(Plan)計画をどうたてるかについて、各種分析法が推奨されていますが、いずれも時間のかかることばかりです。例えば、特性要因図をつくり、パレート図にする。原因の仮説をたて、検証するなどして、行動計画が作られます。しかし、「仕事が出来る人」に言わせれば、
「原因は、初めからだいたい分かっていた」
「やってみて手が無くなってから、もう一度分析すればいい」
です。不満は、PとDが遅いことです。「仕事が出来る人」は、「分かったらすぐに行動する」とさんざん書いてきました。それは、PDCAのPとDがすこぶる速いということです。更に、Pつまり分かって計画をたてることが速いのです。これは、生活やビジネスで勝ち抜く思考法の問題です。PDCAは、いいアプリです。しかし、それを動かすOSである思考法が、日常生活やビジネスには、遅すぎて向いていません。「仕事が出来る人」は、アプリであるPDCAを高速思考のOSで使っているのです。
AI(人口知能)の開発において、かつてランダムフォレスト(random forest)と言われる決定木が盛んに使われました。与えられたデータから起こりうることをどんどん出してき、結果を予想していく手法です。(これを図にすると木のようになる)まるで特性要因図を書くかのようです。ところが、いくら計算しても(時間をかけても)予想精度は頭打ちになります。そこで、近年ニューラルネットワーク(neural network)と言われる人間の脳構造を模したアルゴリズムが生れ、今日のAIの隆盛をみています。誤解を承知で簡単に言えば、ニューラルネットワークは、入力(データ)と出力(予想)を直接結び、その関係を活性化関数(考え方)で結んでいます。これを何層にも重ねたもので、構成されています。各段に、速度と精度が上がりました。従来の論理思考や仮説検証が、ランダムフォレストに近いと思えませんか。

 まとめ:「仕事の出来る人」は、分かったらすぐに行動する

「仕事が出来る人」は、何事にも「分かる」「決める」「行動」がはやい人です。「分かったらすぐに行動する。分からなければ、観察し調べる」がパターンとして身についているから、これが出来るのです。速く分かるには、思考法として「直観」が重要です。論理思考は、日常生活やビジネスに使うには、遅過ぎます。直観とは、「〇〇とは、△△みたいなものだ」といったその人の世界観の上になりたちます。しっかりした世界観を持ち、物事を素早く分かる力を付けた人が、「仕事の出来る人」です。

この記事は、以下の本を参考にしています。
入江仁之 著:「すぐ決まる組織」のつくり方――OODAマネジメント
ディープラーニングG検定公式テキスト(日本ディープラーニング協会)


OODA LOOP(ウーダループ)―次世代の最強組織に進化する意思決定スキル

参考記事:「仕事が出来る人」に共通する特徴「行動の速さ」は、仮説思考から生まれる

「今更やめられない」という「サンクコストの呪縛」から逃れる3つのステップ

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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