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採用内定者が、入社までに勉強しておくべきは、「算数」と「国語」

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

採用内定者が、入社までに勉強しておくべきは、「算数」と「国語」

 

「算数は過去を説明し、国語は未来を語る」

就職戦線が一段落して秋になると採用内定者と面談をする機会を設ける企業が多くあります。そんな場で学生から、
「来年の春までに何を勉強しておけばいいのですか?」
と訊かれることがあります。会社として「何かを勉強しろ」とは言いませんが、私は教訓の意味も込めて、
「国語と算数」
と答えることにしています。そう答えるのは、この2つが知識として・思考の有り方として重要だからです。
会社に入ると新人研修で、業務知識やマナーの教育がされます。しかし、真に重要なのは「考える力」「伝える力」です。これらは単なるスキルではなく、仕事に対する姿勢そのものを形づくる基盤だからです。ここで私の信念を紹介します。
「算数は過去を説明し、国語は未来を語る」
この言葉は、企業活動における本質的な思考のあり方だと考えています。算数(数学)は、過去の事象を数値で捉え、客観的に分析・評価する力を育みます。一方、国語は、未来に向けて自らの考えを構築し、他者に伝え、共感を得る力を養います。企業人として、としてこの両者をどう活かすかが、成長の鍵と考えています。
入社後を考えて、語学を勉強しよう、専門知識をあらかじめ勉強しておこうというのは結構な話ではありますが、それらは後からでも学べます。社会人として実績を上げていくには、過去をどうとらえ、未来をどう設定するかという習慣化した思考です。その基礎となるのが、「算数」「国語」です。
この記事では、「算数」的捉え方で過去を扱い、「国語」的考え方で、未来を描き説明することが、企業人にとって重要な要素であることを考えます。

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「算数」は、過去を読み解く力

企業活動は、常に過去の積み重ねの上に成り立っています。売上、利益、顧客数、稼働率、離職率など、あらゆる指標が過去の行動の結果として現れます。これらのデータを読み解く力は、まさに「算数的思考」です。
新人にとって重要なのは、単に数字を眺めるのではなく、「なぜこの数字になったのか」「どのような要因が影響したのか」を客観的に分析する姿勢です。例えば、ある商品の売上が前年より20%減少していたとします。この事実を「不調」と一言で片付けるのではなく、以下のような視点で掘り下げることが求められます。
1)市場全体の動向はどうだったか
2)競合他社の動きはどうだったか
3)自社のプロモーションや価格設定に問題はなかったか
4)顧客のニーズが変化していないか
このように、データを起点にして過去を冷静に分析する力は、改善策を導くための第一歩です。感情や印象に流されず、事実に基づいて考える姿勢は、信頼されるビジネスパーソンの基礎となります。

「国語」は未来を描く力

一方で、企業は過去にとどまることなく、常に未来に向かって進んでいます。新しい商品を企画する、新しい市場に進出する、新しい働き方を模索するなど、これらはすべて、まだ誰も見たことのない未来を創造する営みです。
ここで求められるのが「国語的思考」です。つまり、自分の考えを言葉にし、他者に伝え、共感を得る力です。未来はデータでは語れません。まだ起きていないことだからです。だからこそ、自分の頭で考え、言葉で描き、他者に理解してもらう必要があります。
重要なのは、「自分の言葉」を持つことです。たとえば、ある業務改善の提案をするとき、ただ「効率化できます」と言うだけでは不十分です。なぜその改善が必要なのか、どのような効果が期待できるのか、どのような手順で実行するのかを、論理的かつ情熱的に語る力が必要です。
また、上司や同僚、顧客とのコミュニケーションにおいても、「伝える力」は不可欠です。メール、報告書、プレゼンテーション、会話——すべてが「国語」の力の発揮の場です。言葉を磨くことは、未来を切り拓く力を磨くことに他なりません。

 

未来は過去の延長ではない

ここで重要なことは、「未来の目標は、過去の延長線上にあるとは限らない」ということです。
過去のデータを分析することは重要ですが、それに囚われすぎると、未来の可能性を狭めてしまいます。たとえば、過去5年間の売上が毎年5%ずつ伸びていたからといって、来年も同じように伸びるとは限りません。むしろ、環境が激変する現代においては、過去の延長ではない「非連続な未来」を描く力が求められます。
このとき必要なのが、「国語としての目標設定」です。つまり、数値ではなく、言葉で未来を描くこと。たとえば、「顧客の生活を根本から変えるようなサービスを提供する」「業界の常識を覆すような新しい価値を創造する」といった、定量化できないビジョンを言葉で語ることが出発点になります。
そして、そのビジョンを実現するために、初めて「算数」が登場します。目標に至るまでの道筋を、数値で設計することです。必要な資源、時間、コスト、リスク——これらを定量的に分析し、実行可能な計画に落とし込む。つまり、
「未来は国語で描き、算数で実現する」
この順序こそが、創造的な仕事の本質です。

 

「算数」と「国語」の融合が仕事の本質過去を分析する

過去を語る「算数」と、未来を語る「国語」。この二つは対立するものではなく、補完し合うものです。たとえば、過去のデータを分析して課題を発見し、その課題を解決するための提案を言葉で伝えることは、「算数」と「国語」の融合です。
この両輪を意識して仕事に取り組むことが重要です。数字に強く、言葉に誠実であること。それが、信頼される社会人です。目標設定においても、「国語で描き、算数で設計する」という順序が大切です。過去の延長ではない未来を描く勇気と、それを実現するための論理的思考を持つ人材こそが、企業の未来を担う存在となります。

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まとめ:自分の言葉で語る勇気を

企業に入りたての人は、どうしても「正解」を求めがちです。上司の言うことに従う、前例に倣う、マニュアル通りに動くなど、それも大切な学びですが、やがて自分自身の考えを持ち、自分の言葉で語ることが求められるようになります。
「算数」で過去を読み解き、「国語」で未来を描く。その繰り返しの中で、自分の軸が育まれていきます。
数字に向き合う冷静さと、言葉に込める情熱を忘れないことが、企業人として成長する鍵となると信じています。

参考記事:人材育成のポイントは、スキル、知識、経験をバランス良く身につけること

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