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「ルーズな人」は、出世しない?「ルーズな人」との付き合い方

 
時間にルーズな人を待つイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「ルーズな人」は、出世しない?「ルーズな人」との付き合い方

 

「ルーズな人」は、出世しない?

「いつも遅刻してきて、平気な顔をしている」
「人のものを勝手に使う」
「借りた物を返さない」
周りにそんな「ルーズな人」がいて、不愉快な思いをしていませんか。本人は、そのことを気にしている様子もなく、周囲は更にイライラがつのります。

時間や金銭などに「ルーズな人」が、企業内で出世することは、まずありません。私が昇格に関する会議で、時間や金銭にルーズな人を課長や部長に推薦したことはありません。そんな人を昇格させることには、企業にとって大きなリスクを伴うからです。その人に能力があっても、その力を発揮する前に、社内外の人とのトラブル、金銭トラブルを起こされることが怖いからです。
ネット記事の中に、元銀座ホステスで人生相談などをされている藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)さんの話を見つけました。(「時間にルーズな人ほど…元銀座ホステスが教える「金持ちになる人」の特徴 #204」)この記事の一部を要約します。
「お客様で、稼いでいる方ほど、到着時間が早い! お客様と待ち合わせしたとき、その方よりも早く到着していたいと20分前に来ても、稼ぐ方ほどそれより早くいらしていました。そこで学んだのは、『稼ぎたかったら遅刻は厳禁!』。ここだけの話、大企業のトップの方だけでなく、後に詐欺で捕まるような人でも大きく稼いでいる人は、到着時間がめちゃくちゃ早かったです!」
要するに、「時間にルーズな人は稼げない」ということです。藤島さんは、多くの出世した人とそうでない人とを見てきた経験で話をされていますが、自分の経験と合わせ大いに賛同するところです。
もしあなたの彼氏や彼女がそんな「ルーズな人」であるなら、人間的にかわいいかもしれませんが、稼ぎは期待しない方がいいかも知れません。
この記事では、「ルーズな人」が生まれる原因と「付き合い方」をご紹介します。

「ルーズな人」が生まれる原因

いつも遅刻するような「ルーズな人」は、
「それが許される」
と思っているところに原因があります。遅刻しそうでも、連絡しない。遅刻しても、理由にならない理由を言う。これらは、根底に「このくらいの遅刻は、許される」と思っていることがあります。
なぜこう思うかの理由は、根深い問題があり、前述の深田氏によれば、
「子供の頃から『許され続けている』という人が、近年増えているという時代背景がある」
と述べています。確かに家庭や学校、会社においても、厳しく叱ることが少なくなっています。少々ルールや世間の常識から外れても、「許される」ことが続けば、自分勝手な「マイルール」が、形成されます。
「ルーズな人」について、精神科医の片田珠美氏は、
「自分と他人との境界線が曖昧」
という特徴があると著書「上手に『自分を守る』技術」(三笠書房)で述べています。
「他人と自分の境界線」「プライベートとパブリックの境界線」が曖昧な人が、「ルーズな人」になってしまうということです。
他人と自分の境界線が曖昧なマイルールを持ってしまうと、他人の文具や傘を勝手に使います。プライベートとパブリックの境界線が曖昧なら、会議に遅刻する、会議中の私語も平気です。


上手に「自分を守る」技術―――迷惑・自己中心・鈍感な人から (三笠書房 電子書籍)

「ルーズな人」との付き合い方

「ルーズな人」には、その人の勝手な「マイルール」があります。そんな人と付き合うには、相手の「マイルール」の根本にある「この位なら許される」という気持ちを崩す必要があります。それには、2つの方法があります。
1)「許されない理由」を伝える
2)自分の「不快な気持ち」を伝える

相手に「許されない理由」を伝える

相手が、いつも約束の時間に遅れてくることを見越して、早めの時間を約束する方法があります。何回かはうまくいっても、そのうちに相手は
「どうせ本当の時間は、もう少し後」
と気づきます。挙句の果てに
「いつもあの人は、早めの時間をいう人。少々遅れても大丈夫」
と認識されかねません。
むしろ、「時間に遅れることが、絶対に許されない理由」を伝えておく方が有効です。相手に逃げ道を作らせない、つまり「遅れてもいい」という気持ちを与えないことです。
各種手続きやクーポン券に期限があるのは、世の中の「ルーズな人」対策です。期限が過ぎると権利がなくなる、ポイントが失効するとなると「ルーズな人」も動かざるを得ません。これらは、「ルーズな人」が多いとの前提で作られた仕組みです。

自分の不快な気持ちを伝える

世間では、「ルーズな人」から「不快な思い」をさせられても、波風が立つのが嫌で、それを伝えたり注意したりすることが少ないものです。しかし、相手の成長や今後の付き合いを思えば、不快な気持ちを伝えることが必要です。不快な気持ちを伝えることで、一度は気まずい雰囲気が生まれますが、その後相手の態度が変わることが期待できます。
例えば、相手が遅れてきたら「自分が不快に思っている」ということをキッパリ言うことです。相手は、待たされた人が、「その位は、気にしない」と思っています。少々きつくても
「自分が軽んじられていることが不快である」
と伝えることです。
約束の時間に遅れた旦那や彼に
「私のことをどうでもいいと思っているの?」
と詰め寄るシーンが映画やドラマによくあります。このパターンです。少々気まずい雰囲気になりますが、それを恐れずキッパリ言えば、相手は
「怒らせたらマズい」
とビビります。妙に「気遣い」をして、何も言わなければ、相手に「この位なら許される」という気持ちが定着します。
相手からなめられた態度や不当な扱いを受けたら、一度気まずい雰囲気を作ってでもビビらせることです。

中国人や韓国人を相手に仕事をしていると、「時間にルーズ」「決めごとにルーズ」ということで、不快な気持ちにさせられることがよくあります。彼らは、意地悪をしている気はないのでしょう。彼らのマイルールに従っているだけです。
ある時、韓国の巨大企業S電子との会議がソウル近郊で予定されていました。会議の当日、関空の出国ゲートを通過してから
「今日の会議は、重役に呼ばれたのでキャンセルしたい」
との連絡が入ったことがあります。同行者は、既に飛行機に搭乗しています。さすがに、相手が大手のお客様でも我慢できません。普段、波風を立てたくないので、相手の我がままを許していたのが悪かったようです。結局、会議は翌日となり、その冒頭、取引停止を覚悟で、
「これは、従順な日本人であっても許せない...」
と怒りました。あまりの勢いに、普段高慢なS電子社員もビビり、その後の態度が一変するとともに取引も継続しています。

 

もしも自分が「ルーズ」と思っていたら

もし、自分自身が「ルーズな人間」と思っていたら、即刻改めることです。本当に「ルーズな人」なら、自分のことと「ルーズ」とは思うことはありません。だから、自分を「ルーズ」と思っていたら変われます。変わらないのは、「変わらなくても許される」と心の片隅でそう思っているからです。周囲の人が、不愉快な思いをしていても、波風を立てるのが嫌で、注意されることは稀です。それに甘えて、「ルーズな人間」のままでいることは、人生というスパンで考えると大きな損失です。
「ルーズな人」は、出世することはありません。大きく金を稼ぐことは、まずできません。人間として信頼を得ることがありません。そのリスクを考えると、どう行動を変えていくべきか、分かると思います。

まとめ

「ルーズな人」が生まれる原因は、「それが許される」と思っているところにあります。
そんな人と付き合うには、相手の「この位なら許される」という気持ちを崩すことが必要です。それには、2つの方法があります。
1)「許されない理由」を伝える
2)自分の「不快な気持ち」を伝える
「不快な気持ち」を伝えるのは、気まずい雰囲気を作ることになりますが、相手が「許されない」ことを気づくのに有効です。

参考記事:説得力のある人が持っているアリストテレスの「説得の3原則」

部下に「優しく」しているつもりが、「甘やかして」いませんか?

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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