「諦めない」(あきらめない)とは、達成手段を変えても最終目標を変えず努力すること
「諦めない」(あきらめない)とは、達成手段を変えても最終目標を変えず努力すること
「諦めない」とは、目標達成の可能性がゼロではないときに使う言葉
「成功の秘訣は、諦めないこと」
「まだ、我がチームの誰も優勝を諦めていない!」
しばしば、人を鼓舞する言葉として、「諦めない」(あきらめない)が使われることがあります。困難な状況に陥っても「諦めず」に継続すれば、望みがかなうということです。本当は、「かなうかも知れない」ということですが。
そもそも、「諦める」というのは、「なりたい」、「やりたい」目標に対して、実現不可能と判断して目標を放棄することです。「諦める」理由には、目標が「高過ぎる」場合、あるいは目標が「重要でない」といった場合があります。
例えば、高校の野球選手が、
「プロになるのを諦めた」
という場合、プロ野球選手という目標が「高過ぎる」ので、諦めるということが多いのではないでしょうか。また、
「店が混んでいたので、人気のラーメンを食べるのを諦めた」
といったときは、さほど「重要でない」目標だったということです。
この例のように、目標達成の可能性がゼロではないが著しく困難な場合、目標を放棄することが「諦める」ということです。優勝を目指したリーグ戦で、残り試合全勝しても優勝の可能性が無くなった場合は、つまり「可能性がゼロ」になった時点では、「諦める」とは言いません。
「諦めない」とは、目標達成の可能性がゼロではないときに使う言葉です。
自分自身を含めて目標達成を鼓舞するときに使う
「諦めるな!」
という言葉は、
「可能性が残っている限り望みを捨てるな!」
ということです。
ところで、「諦めない」という言葉を使うとき、目標との関係があります。
1)目標は、「諦めない」けど達成手段を変える
2)途中の目標は「諦めて」変更するが、最終目標は「諦めない」
3)目標を円満に放棄する「諦め」
「諦めない!」
と言うとき、ガッツを示して勇ましく、やる気を呼び戻す言葉になります。しかし、それは目標の実現性を高めることに繋がらなければ、単なる気合を入れる言葉です。(それも大切ではありますが。)「諦めない」という言葉、少しでも目標達成に繋がるようにしたいものです。
目標は、「諦めない」けど達成手段を変える
目標に対して、達成手段を変えず努力を続ける。或いは、長期間「待ち続ける」といったことが「諦めない」ということです。
例えば、運動選手や楽器奏者が行う反復練習は、結果が出るまで、「諦めず」続けることです。また、値下がりした株価の値上がりを待つといったことも「諦めない」ということです。
この手の「諦めない」は、目標に向かって少しずつでも前進していればいいのですが、全く変化の兆候がないのに同じことを「諦めず」に継続している場合もあります。例えば、体重減を目指して毎日ウォーキングを続けても、ダラダラと歩いていては効果があまりありません。歩く速度を上げたり、歩幅を大きくしたりすることが効果的と言われています。
目標に対して、やっていることが有効的でない場合、手段を変えることも大切です。就活の面接で、応募者が、
「私の長所は、粘り強く、決して『諦めない』ことです!」
などと自己㏚する人がよくいます。内容を聞くと、部活や稽古事を長年やっていた。論文を書くための試行を続けたといったことです。本人は、長年努力を継続してきたことを「粘り強さ」「諦めない精神」として評価して欲しいのでしょう。しかし、良く聞いてみると、同じことを何も考えず繰り返しただけということもあり、そんな場合は高い評価をしませんでした。
「諦めない」といっても、目標への達成手段を変えず唯々継続することは、結果がでないという可能性が高いと心得ることです。
途中の目標は諦めて変更するが、最終目標は「諦めない」
「諦めない」と言ったとき、どんな目標に対してかということが重要です。
例えば、就活において、
「第一志望の企業を諦める」
といっても、就職を「諦めている」訳ではありません。同じ業界の他社への就職を試みることもあります。つまり、「第一志望企業への就職」という目標を「第二希望の企業に就職する」と変更したことになります。
「諦める」と言っても、最終目標を変更せずに、通過点としての中間目標を変更しているだけです。諦めるかどうか、最も大切なことは、最終目標に対して「諦めるか」どうかです。
ゴルフで、第1打を打つときは、規程打数より少ない「バーディ」や規程打数と同じ「パー」を狙います。ところが、第1打を林の中やハザードに打ち込んでピンチになったら、「バーディ」や「パー」を諦めて、規程打数より1打多い「ボギー」で収めることを目標にします。次もミスしたら、また目標を変えます。最終目標は、トータル最小打数でフィニッシュするようにプレーすることです。ピンチに陥ってなお「パー」や「バーディ」狙いで、目標地点に向かってやみくもに、狭い木の間、池の上を狙って打つと挽回できないほどの打数を要することになりかねません。中間目標は、「諦めて」も、最終目標を「諦めない」ことが大切です。
目標を円満に放棄する「諦め」
歳を取ると、体の機能が低下し、残された時間も少なくなります。
70歳を過ぎた元NHKのアナウンサー三宅民夫氏は、ある番組で、
「歳を取るとは、様々なことを一つひとつ『諦める』ことである」
と言っていたことがありました。例えば、運転免許、激しいスポーツといったことを「諦めざるを得ない」ということです。大切なのは、目標を円満に放棄して、「人生を楽しむ」、「長生きする」という最終目標を「諦めない」ことでしょう。大切なのは、納得して目標を「諦めて」放棄するということです。
他にも、失恋して彼(彼女)を「諦める」。病気の家族や友人の死を覚悟する。これらの「諦める」は、すぐに代替え目標が見つけることは難しいかも知れません。しかし、重要なことは、気持ちを回復させ、ロングスパンの目標を見つけることです。
まとめ
「諦めない」という言葉を使うとき、目標との関係があります。
1)目標は、「諦めない」けど達成手段を変える
2)途中の目標は「諦めて」変更するが、最終目標は「諦めない」
3)目標を円満に放棄する「諦め」
「諦めない!」という言葉は、ガッツを示して勇ましく、やる気を呼び戻す言葉になります。しかし、それは目標の実現性を高めることに繋がらなければ、単なる気合を入れる言葉です。「諦めない」という言葉を少しでも目標達成に繋がるようにしたいものです。