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「少年院で公文式学習をやっている!」ステップ・バイ・ステップ方式は万能

 
勉強につまずいた子のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「少年院で公文式学習をやっている!」ステップ・バイ・ステップ方式は万能

 

少年院で公文式をやっている!

「窃盗で捕まった子が、熱心に公文式で算数や国語を勉強している」
これは、私が兵庫県加古川市にある少年院(加古川学園・播磨学園)を訪れて、受けた衝撃です。この少年院では、15歳から18歳ぐらいの少年が、個人の力に合わせて学習する公文式のプログラムを2年程前から使っています。15歳から18歳の少年達が、小学校のレベルの算数や国語からスタートし、自分のペースで学習を進めているのです。少年院の職員達も学校嫌いで非行に走った少年達が、
「机に座って、勉強を継続できること自体が驚きであった」
と言っていました。
(参考動画:大阪テレビ「少年院で学び直し、更生へ」

 

子供が学校嫌いになる理由

少年院に入ってくる典型的パターンは、1)学校が嫌いになる。2)学校に行かなくなる。3)家にこもったり居場所を求めて街に出たりする。そこで、4)悪い友人や大人の影響を受けて非行に走るということです。
この「学校が嫌いになる」最大の理由が、「学校の勉強についていけない」ということです。小中学校は、平均的な生徒のレベルに合わせて授業が進められます。学習につまずく理由には、理解力不足(知能指数)や集中力の欠如、病気や家庭の事情で長期間学校を休むといったことがあります。一度、学習につまずくとクラスの授業内容にチャッキアップできす、益々内容が理解できないという状況になります。
実は、各児童生徒にも、何がしかの分からないところがあります。しかし、多くは「その部分(教科)は、苦手」ということで、切り離して学校生活を送っています。しかし、分からないところが多過ぎる、「苦手」と割り切れない児童生徒達は、「自分には、勉強が合っていない」「先生や学校そのものが、自分に合っていない」「学校に行っても意味がない」と考えるようになり、学校に行かなくなり、その中で非行に走るという図式が浮かびあがってきます。
今の小中学校は、個別の児童生徒に合った学習指導をすることが難しい実情があります。
これに対して、公文式の学習プログラムは、自学自習形式で各自の能力を伸ばしていく学習法です。
公文式学習の特長は次のとおりです。(公文教育研究会:「公文式学習の特長」より作成)
1)解き方を教わるのではなく、自分の力とペースで教材を解き進めていく
2)年齢や学年にとらわれず、一人ひとりの力に応じた「ちょうどの学習」で、「学年を越えて進む」
3)「自ら学ぶ力」を大切にする
4)やればできるという自己肯定感を育み、未知の領域にも、自分から挑戦する力を培う
公文式の本質は、学習する個人のレベルを合わせて学び、一つひとつ自分でステップをクリアしていくことです。少年院に来る子供は、何かを達成したことがない、褒められたことがない者がほとんどです。どのようなレベルであっても「できた!」といいう喜び(満足感)は、同じです。小さくても達成感を得ること、結果を他人に褒めてもらうことが、学びを継続させる原動力となります。
少年達の中には、足し算、引き算もおぼつかなかった子が、半年で高校生レベルに到達した例もあります。

ステップ・バイ・ステップ」は万能な手段

一歩一歩、段階的に進むことを「ステップ・バイ・ステップ」 (Step by Step)と言います。公文式の学習法は、典型的なステップ・バイ・ステップです。公文式の優れている点は、ステップ・バイ・ステップを個別に行うことです。更に自分でやってみる(問題を解く)ことで、できた時の達成感を与えてくれます。
公文式の学習法が教えてくれる「ステップ・バイ・ステップ」は、様々な場面で使えます。社員の教育は勿論、会社の経営にも通じる手法です。
新入社員を教育するにも、画一的な押し付け教育は、今の時代にあっていません。かつては、同じような学力、同じような考え方をもった人を採用できたのですが、今は違います。新人には、学力差、経験差、考え方の差があります。同じ内容の社員教育をしても効果がないばかりか、教育期間中にやめる者もいます。
各人ごとのステップ・バイ・ステップの指導をしていかなければ、「仕事嫌い」「会社嫌い」の社員を生み出すことになります。
会社の経営においても成長、縮小均衡に関わらず、ステップ・バイ・ステップで進めることが賢明です。「急がす・休まず」と言われるような戦略を取った企業が、長い目で成功しているようです。ただし、「急がず」の絶対速度は、業界や時代によって変わるかも知れませんが。

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まとめ

公文式の学習法のような、個別の「ステップ・バイ・ステップ」でのアプローチは、
様々な場面で応用することができます。
例えば、学力向上、スポーツや習い事の上達、チームの成長などの教育プログラムの根幹になる考え方として使えます。
今日、教育を受ける側の個人やチームが多様化している中、個別の「ステップ・バイ・ステップ」のプログラムを用意することの有効性が期待できます。

参考記事:研修成果に大きな差が出る「当事者意識」の有無とリーダーの役目

人材育成で、「強みを伸ばす」か、「弱点克服」かは、状況次第

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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