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消費者が買いたくなる心理、「スノッブ効果」と「バンドワゴン効果」

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

消費者が買いたくなる心理、「スノッブ効果」と「バンドワゴン効果」

 

消費者が商品を買いたくなる3つの心理状態

「めかし込んでパーティに出席したら、友人と同じような服装だった」
こんな時、なんとも気まずい思いをするものです。その背景には、他人とは違うものが欲しいという心理が働いています。また、子供の名前を付けるのに、通常では読めないような漢字をあてるのも、同様な心理ではないでしょうか。
こんな、「他人とは違うことを欲しがったり、好んだりする心理」「スノッブ効果」と呼びます。そんなスノップ効果を利用して、モノやサービスが売られています。例えば、期間や数量限定商品。希少性の高い商品などです。
一方で、「自分だけが違うこと」に不安を感じるものです。「皆が持っているから、自分も欲しい」という心理で、流行っているものを身につけたり、買ったりします。これを「バンドワゴン効果」と呼びます。
これらの心理は、経済学者ライベンシュタインが1950年に発表した論文で述べたものです。論文の中で、バンドワゴン効果により、「人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくない」という心理が作用し、他者の所有や利用が増えるほど需要
増加すると述べています。
「バンドワゴン」は行列の先頭をいく楽隊車を意味し、「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る、多勢に与するということを意味しています。バンドワゴン効果は、「ひとたび流行り出すと益々流行る」「ひとたび売れ出すと益々売れる」といったことがおこり、流行やヒット商品が生まれる大きな理由になっています。
流行といわれる状況になると自然に売れます。しかし、流行も時間が経つにつれ売れなくなります。売れ続けるものとは、
「流行している商品であるけど、ちょっと違うもの」
ということです。皆が知っているもの、皆が持っているもの、「でも自分だけは違う」ということが、長く売れる商品には必要です。
モノやサービスである商品を消費者が買うとき、以下のような3つの心理状態が現れます。
1)皆が買っているものが欲しい
2)他人とは違うものが欲しい
3)流行っている中で、ちょっと違ったものが欲しい
これらは、消費者心理としての「バンドワゴン効果」や「スノッブ効果」、およびその組み合わせ効果です。
この記事では、これらの消費者心理とマーケティングについて考えます。


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「自分だけ違う」ことの不安(バンドワゴン効果)

売れていないもの、他の商品と全く異なる色やデザインの商品を買うとなると、
「これでいいのか?」
という不安が付きまといます。特に日本人は、その傾向が強いようです。初めて訪れた所で入ったラーメン屋に誰も客がいなければ、不安を覚えます。人があまり買わないような商品を購入するには、自分の価値観がしっかりしていないとできません。結局、
「皆が買っているから」
という理由で商品を選ぶバンドワゴン効果が表れます。
「バンドワゴン」は行列の先頭をいく楽隊車を意味し、「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る、多勢に与するということを意味です。バンドワゴン効果は、「ひとたび流行り出すと益々流行る」「ひとたび売れ出すと益々売れる」といったことがおこり、流行やヒット商品が生まれる理由になっています。
何かを購入しようとするとき、「○○で売れているランキング」といったネット記事を参考にします。新聞の日曜版には、「行きたい桜の名所」「泊まってみたい旅館20選」などといった特集が載っています。量販店の販売員は、
「これが当店で一番売れています」
と商品選びをする客に声を掛けます。
これらは、すべてバンドワゴン効果を期待したアプローチです。他にも、
「○○賞を受賞」「〇〇でNo.1」「口コミ評価が高い」「動画再生回数累計〇〇万回」
といった文言が使われます。

 

「ちょっと違うものが欲しい」という心理(スノッブ効果)

商品選びをしているとき、販売員が、
「これが売れています」
と勧められます。しかし、どこでも目にするような「流行り過ぎているもの」は平凡に感じ、それを選ぶのを躊躇する心理が働くことがあります。バンドワゴン効果とは、真逆の心理です。機能が求められる商品では、他の人と同じでも抵抗がありませんが、食べ物やファッションなど、個人の志向が強く出易い消費では、
「ちょっと違うものが欲しい」
というスノッブ効果が働きます。バンド効果によって、流行している商品を買うにしても、「ちょっと違うもの」を選ぶのが、一番満足感が得られ易いものです。
日本の乗用車販売では、セダンの影が薄くなっています。ワゴン車やSUV全盛です。車の購入者は、ワゴン車やSUVの中から「ちょっと違った車」を選びます。スバルの車が長く市場で支持されているのも「ちょっと違った」ところに魅力を感じるファンがいるからと言われています。
ちょっと違うものを選ぶ際、「価格が高くなるほど、魅力を感じる」という「ヴェブレン効果」が働きます。ヴェブレン効果は、アメリカの経済学者、ソースティン・ヴェブレンが論文「有閑階級の理論」(1899)で発表したもので、「優越感」や「見せびらかしたい」といった心理から生まれるものです。例えば、「ななつ星」などのクルーズトレインや高級ブランドの時計やバッグ、ミシュランの星付き飲食店は、この効果を利用していると言えます。むやみに値下げをしないのが、売れる秘訣ということです。

「流行しているけど、ちょっと違うもの」を買いたい

バンドワゴン効果により、流行っているものは、買うときに安心感があります。しかし、他方「人と違うもの」が欲しい気持ちもあります。スノッブ効果です。実際のビジネスで、ヒットしている商品は、このバランスをうまくとって売れ続けています。
「あの大人気で売り切れ続出の商品を100台限定で、今回限りのご紹介!」
テレビの通販でよく耳にする言葉です。「大人気で売り切れ続出」という皆が買っているという安心感(バンドワゴン効果)と、100台限定」という希少性を刺激することば(スノッブ効果)を上手く組み合わせています。
こんな「人気商品+数量限定」戦略の他にも、「人気商品+期間限定」、「人気商品+地域限定」、「人気商品+会員限定」などといった戦略があります。
商品を売りたいなら、
「流行しているものや売れているものを模倣し、ちょっと違いをだす」
ということです。もっと言えば、
「売れているものをパクって、見た目をちょっと変える」
ということでしょうか。高度成長期に日本が得意とした戦法です。

まとめ

商品を消費者が買うとき、以下のような3つの心理状態が現れます。
1)皆が買っているものが欲しい
2)他人とは違うものが欲しい
3)流行っている中で、ちょっと違ったものが欲しい
これらは、消費者心理としての「バンドワゴン効果」や「スノッブ効果」、およびその組み合わせ効果です。これらをマーケティングに活かすことで、成果が期待できます。

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