「真面目な人」という言葉が、マイナスイメージになる理由
「真面目な人」という言葉が、マイナスイメージになる理由
「真面目な人」という言葉が、マイナスイメージになる理由
「真面目に勉強しなさい」
「真面目で誠実でありなさい」
これらは、子供の頃、親や先生からよく言われた言葉です。真面目(まじめ)であることは、「良いこと」として、教えられてきました。ところが、世間にでると違います。良いことであるはずの「真面目」が、
「あいつは、真面目で面白くない」
「真面目で融通が利かない」
と人の欠点のようにされてしまいます。下手をすると
「ややこしいことは、真面目なあいつに押し付けても大丈夫」
などと他人に利用されてしまいます。あるネットの就職相談には、
「自分の真面目な性格は、就職で不利になるか心配です」
なんていうのまでありました。そんなことで、「真面目な人は、損をする」などという意識が、「真面目な人」の間にあります。
真面目(まじめ)を辞書で引くと次のように書いてあります。(広辞苑等)
1)うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。「真面目な顔」「真面目に話をする」
2)真心のあること。誠実であること。また、そのさま。「真面目な人柄」「真面目に暮らす」
どこにも、「面白くない」「融通がきかない」「人の言うなりになる」といった意味はありません。
大リーグの大谷翔平選手は、自分の時間のすべてを野球にささげているような「超」のつく「真面目な人」です。これは、世界中の誰しもが認めざるを得ません。しかも、彼の真面目には、マイナスのイメージがどこにもありません。彼の真面目は、多くの人に愛される魅力があります。真面目さが、人間性の面白さにもなっています。
世間で使われている「真面目」と言う言葉は、人のネガティブな性格を表す「ユーモアがない」「融通が利かない」「自主性がない」「のろま」といった言葉と結びつけてイメージされています。
不幸なことに、「真面目な性格」は、就活で本来アピールしていいポイントなのに、「真面目」を前面に出すと採用に不利になるのではと心配する学生がいるほど、マイナスの「先入観」を伴って定着している言葉です。
マイナスイメージの「真面目」を払拭するには、3つのステップがあります。
1)自分が「真面目」と言わる理由を知る
2)マイナスイメージの「真面目」は、下手な時間管理
3)プラスイメージの「真面目」を作る
マイナスイメージの「真面目」は、細部にこだわり時間を使い過ぎる、全体を考えず部分最適に拘るようなことから生まれています。
この記事は、「真面目」からくる、マイナスイメージを払拭しようとする人に参考になることを期待して書いています。
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自分が「真面目」と言われる理由を知る
人から
「真面目な人」
と言われたり、そう思われていると感じたりしたら、どう思いますか。
「真面目」と言われた時の気持ちは、人によって異なります。「ほめられた! 」と感じられれば幸せです。ところが、「つまらない人」「楽しみを知らない人」というニュアンスを感じて傷つく人がいます。
ネガティブな意味で「真面目な人」というレッテルが張られたと感じた場合、まずは自分の気持ちに素直に向かい合うことです。真面目と言う言葉が、自分にとって「違和感」や「嫌だ」と感じるなら、その理由を考えてみることです。
そもそも、真面目には、全力で物事にあたるという以外、意味はありません。だとすると、ネガティブな意味で「真面目な人」と思われていたら、何か理由があります。
例えば、「仕事以外の付き合いが悪い」「融通が利かない」「仕事が遅い」といったことが、ありませんか。マイナスイメージで「真面目な人」と言われるのには、理由があります。その理由を自覚することが大切です。ただし、それを変える必要があるかどうかは別です。
例えば、「付き合いが悪い」ことで「真面目」と言われてもさほど気にする必要がないかも知れません。普段から「付き合いが悪い」のは、やりたい趣味や勉強があるからと周囲に認知さればいいだけです。「融通が利かない」「仕事が遅い」が理由なら、気にすべきかも知れません。そのこと自体が問題だからです。
マイナスイメージの「真面目」は、時間管理が下手だから
「真面目」とは、全力で物事の対処する態度のことです。しかし、全ての物事に対して、全力を出すことは不可能です。人の持つ時間や体力は、有限なのです。マラソンを最初から全力疾走で走ることはできません。そこには、ペース配分が必要です。
真面目のマイナスなイメージの多くは、このペース配分ができていないことによって作られています。これは、「時間配分ができていない」と言うこともできます。
たとえば、
「最後まで丁寧に仕上げようとした結果、時間がかかる」
「事が起こったときに融通が利かない」
といったことがあると、他の人からみると「真面目過ぎる」ということになります。これは、真面目、不真面目というより、時間の使い方の問題です。
「与えられた範囲の時間で結果を出す」
「関係者が許容できる時間内で対処する」
といったことができていないのです。むしろ、
「真面目に時間配分を考えていない!」
と言うべきことです。全体最適に向かって真面目に時間を活用することが、真面目の悪いイメージを払拭するには必要です。
大リーグの大谷翔平選手は、野球に対して「真面目」です。投手として、打者として、最大のパフォーマンスが発揮できるように練習時間を配分しています。インタビュー(2023年6月)で、
「練習以外、どんなことをしていますか?」
との質問に、
「とにかく、できるだけ休息をとるようにしています。」
と答えています。彼は、睡眠・休息や食事、移動時間のトータルで、野球に集中した時間の使い方をしています。
時間管理が出来ていない全力投球は、マイナスイメージの「真面目」を作り出す大きな要因の1つです。部分最適な時間配分も同様に「真面目」のマイナスイメージを作ります。全体最適を考えた時間配分ができれば、マイナスイメージの「真面目」から抜けられる可能性が高まります。
プラスメージの「真面目」を作る
自分に張られた「真面目な人」のレッテルをプラスイメージにするには、何に対して「真面目」なのか明確にすることです。何に対して全力を上げて取り組んでいるかということをハッキリさせ自覚することです。それは、「○○に夢中」ということです。それを周囲に人がしれば、「真面目」の捉え方が変わります。
ある工場に新しい主任が異動してきました。彼は、作業フロアー、工具箱、材料置き場を几帳面に整理・整頓します。
「そんなにクソ真面目に、やらなくても」
「自分でやらなくても、誰かにやらせたら」
と言った周囲や上司からもあり、「真面目過ぎる人」といった評価が定着しつつありました。正直、周囲の人にとって「真面目」にされると迷惑といった感じでした。あるとき、部下が
「整理・整頓は、自分らでするので、主任はいいですよ」
と言いました。すると
「俺は、整理・整頓に関して、絶対に手を抜かないと決めている」
と返事が返ってきました。
「昔、整理・整頓が悪くて、同僚が指を失う事故があった・・・」
「それ以来、俺は現場の整理・整頓を真面目にやることにしている」
思わぬ彼の経験を知った後は、彼の整理・整頓に対する真面目な態度は、大きくイメージを変えました。
まとめ
「真面目」とは、全力で物事の対処する態度のことですが、周囲からマイナスイメージを持たれることあります。マイナスイメージの「真面目」を払拭するには、3つのステップがあります。
1)自分が「真面目」と言わる理由を知る
2)マイナスイメージの「真面目」は、下手な時間管理
3)プラスイメージの「真面目」を作る
マイナスイメージの「真面目」は、細部にこだわり時間を使い過ぎる、全体を考えず部分最適に拘るようなことから生まれています。