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「売れない」「お客が来ない」と嘆く前に、潜在顧客を掘り起こせ!

2023/01/12
 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「売れない」「お客が来ない」と嘆く前に、潜在顧客を掘り起こせ!

 

「美しくなりたいけど、美容整形はちょっと?」と言う潜在顧客を掘り起こせ!

「売れない!」
「お客が来ない!」
こう嘆く経営者や営業マンに伝えたいことがあります。それは、
「潜在顧客を掘り起こせ!」
ということです。ビジネスをする上で、お客様を見つけることは、基本中の基本です。お客様がいなければ、いくら努力しても報われることはありません。
「どんな釣り名人でも、魚のいない所では、釣れない」
ということです。お客様には失礼な言い方ですが、まずお客様である魚を見つけないといけません。
やっかいなのは、お客様には、見えるお客様である顕在顧客と見えない潜在顧客があるということです。顕在顧客とは、実際に取引のある顧客です。潜在顧客とは、今取引がないが、これから顧客になってくれる可能性のある客です。顕在顧客は、商品やサービスを知らない、もしくは潜在的にある自分の悩みにまだ気がついてない状態の顧客です。
例えば、
「電子マネーのことを知らず利用したことない人」
「『美しくなりたいけど、美容整形はちょっと?』という人」
等々です。
「モノやサービスが売れない」と嘆く前に、お客様探し、とりわけ潜在顧客を掘り起こすことが重要です。
潜在顧客を掘り起こす3つポイントがあります。
1)モノやサービスを知ってもらう
2)気持ちのハードルを下げる
3)お客様の記憶を呼び起こす
これらで、潜在顧客を掘り起こし、顕在顧客になってもらうことが売上増の鍵になります。
この記事では、実例を交えて潜在顧客を掘り起こすポイントをご紹介します。


ユダヤから学んだモノの売り方

モノやサービスを知ってもらう

潜在顧客を掘り起こすためには、まずはお客様自身の秘めるニーズ(「そう言われたらそうだ」ということ)を見つけてもらうこと。そして、自社のモノやサービスを知ってもらわなければなりません。
潜在顧客はそもそも、本来あるはずの自分のニーズに気がついていません。もし、自分の問題に気がついているなら、自分から情報を求めるはずです。
潜在顧客に対して、自社製品の良さをいくらアピールしても、必要性を感じていない人には、何も届きません。
たとえば、
「今度のアイフォンは素晴らしい」
とPRしても、スマホを使ったことがない人には、何も響きません。まず、スマホを使って何が出来る、何が便利かを知らせる必要があります。
生命保険の宣伝では、日本人の癌になる比率、必要な治療費の説明から始めて、保険の必要性を訴えています。そして、自分のことを言われているように感じてもらうことが大切です。
そんな必要性を感じてもらった上で、提供するモノやサービスを知ってもらうことで、潜在顧客が顕在顧客となっていきます。
テレビのCMを見ていて、これは顕在顧客に有効なものか、潜在顧客を掘り起こそうとしているものか、区別してみてください。他社との機能やデザイン性の違いを訴えるのは、顕在顧客向け。
「あなたは、こうではありませんか?」
と訴えるのは、顕在顧客向けのCMです。

気持ちのハードルを下げる

お客様が、自分のニーズを知っているけど購入に結びつかない顧客群が存在します。例えば、
美しくなりたいけど、美容整形はちょっと」
と言う人達です。美しくなりたいけど、美容整形には、不安がある。周囲の声が気になるということでしょうか。
これは、大阪の美容クリニックの方の話ですが、ここでは初めて訪れた人に美容整形を勧めていないとのこと。皆さんが不安を抱かないような肌のケア、メイクのアドバイスから始めているとのこと。そして、もっと美しくなりたいとの要望があれば、ヒアルロン酸やコラーゲンの点滴などを勧めるとのこと。つまり、美容整形というハードルを下げて、まず美容クリニックに来て、変化を実感してもらうことに努めています。潜在的に美しくなりたい人は、多くいます。しかし、いきなりハードルの高い美容整形では、結局お客様はなにもしません。スキンケアの指導のあと、ヒアルロン酸点滴など不安や抵抗感のないメニューを提供することで、お客様に一歩踏み出してもらうことを重視しているとのこと。
私自身、会社のコンサルティングをしていて、
「会社を革新したいが、コンサルタントを雇うほどでも」
という経営者の方によく会います。コンサルタントの存在を知っていても、効果があるかどうか、コンサル料が高いのではないかといった不安があるから、コンサルを活用していないのです。一方、初めてコンサル契約をしていただくお客様で、コンサルを受けたことのある方から紹介されたので決めたという方が多くいらっしゃいます。実際にコンサルを利用して、メリットや費用を知った方の話がきっかけで、社長に
「うち会社もコンサルをお願いするか」
と決断してもらえることがあります。また、コンサルタント側も、いきなり全面的なコンサルではなく、生産や経理といった範囲を限定したコンサルで、お客様に受け入れ易い提案をすることもあります。
購入や利用に高いハードルによって、潜在顧客に留まっている顧客には、ハードルを下げる努力が要ります。いきなり高いハードルを越えてもらわず、低いハードルを用意する、モノやサービスを利用した方の声を届けて不安をなくすなどが、潜在顧客の顕在化に力を発揮します。

 

お客様の記憶を呼び起こす

日常生活で、さしたる理由もないのに、かつて通っていた飲食店に行かなくなる。夢中だったゲームをしなくなる。家の中に、使われなくなった通販で購入した健康器具や電気製品がありませんか。ところが、こんな人々が、突然かつて飲食店に通いだしたり、ゲームを始めたりすることがあります。一度は、利用経験があっても、今は利用していない「潜在顧客」の復活です。
中高年になって、大型バイクに乗る人、ギターを習う人。こんな人々は、若い時代に経験があるか、「やりたかった」ことが、何かのきっかけで、中高年になって始めたり、再開したりするのです。
お客様の記憶を呼び起こすことで、潜在顧客を掘り起こすことができます。かつての音楽や映画を集めたCDやDVDの販売。かつて流行したおもちゃは、8年周期でブームがくると言われています。参考記事:「8年周期でブームがやってくる」バンダイが”たまごっち”を大事に育て続けているワケ」
私の経験した職場ですが、ある分析や機械試験をしているA社は、受注不振が続いていました。この職場は、お客様からの依頼で、各種機械試験・分析をするのですが、受注が減り続けていました。そこで、過去15年間の受注した会社とその部署をリスト化してみました。すると、リストの約1/3は、この3年間受注がゼロになっています。言い換えると全顧客の1/3は、「潜在顧客」ということです。
そこで、この3年間、受注していない会社(部署)のいくつかを調べてみました。その結果分かったことは、A社の技術不足や高価格が理由で受注が出来ていないのではなく、
1)A社を知る担当者(経営者)が、いなくなっていた
2)他社の営業担当がよく来るので、そちらに発注していた
3)A社が、ベンダーリストから外れていた
そんな理由でした。失注というより、A社がお客様に「忘れられていた」と言うべき状況でした。そこで、主な社員総出で、過去3年間受注ゼロの会社すべてに、メール連絡、リモート面談、訪問等のアクセスをしました。その結果、活動1年間でリストの15%のお客様を取り戻すことができました。
この活動は、お客様にA社のことを思い出してもらうとともに、A社がお客様の実態(ニーズ)を知りこれに適合することで、受注を復活させた意義もありました。

まとめ

顕在顧客は、商品やサービスを知らない、もしくは潜在的にある自分の悩みにまだ気がついてない状態の顧客。潜在顧客を掘り起こす3つポイントがあります。
1)モノやサービスを知ってもらう
2)気持ちのハードルを下げる
3)お客様の記憶を呼び起こす
これらで、潜在顧客を掘り起こし、顕在顧客になってもらうことが売上増の鍵になります。

参考記事:売上増に繋がるリピーターを増やす、「お客様の気持ち」になって商品を見直す方法

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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