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お客様の隠れた「選ぶストレス」を解消する「レコメンド・ビジネス」の威力

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

お客様の隠れた「選ぶストレス」を解消する「レコメンド・ビジネス」の威力

 

レコメンド(おすすめ)は、ビジネスになる!

「本日のおすすめ料理」
「あなたにお勧めの動画」
「値上がり確実なお勧め株」
様々な場面で、「おすすめ」(レコメンド=recommendが、活躍しています。家電量販店で、売り場担当者が、
「これは、売れ筋でお買い得ですよ。この価格でこの機能、当店おすすめです。」
と言われると心が動きます。居酒屋でも、
「今日のおすすめ品は、○○です。今しか食べられませんよ!」
そう言われて、「お任せ」することも多いものです。これらレコメンドによる売上アップの威力は、絶大なものがあります。
レコメンドを販売のツールにするだけでなく、ビジネスそのものにしている会社もあります。ネットの比較サイト、ゴルフ雑誌のクラブ比較特集、車雑誌の新車比較特集などです。私は、これを「レコメンド・ビジネス」と呼びます。
レコメンド・ビジネスとは、お客様の様々な選択の場面で、
「選択のストレスを軽減するビジネス」
と定義できます。
「そもそも、買うか買わないか」
「どれを買うか」
「それを選んだことが正しいのか?」
そんな、お客様のストレスを軽減するのが、レコメンド・ビジネスです。
お客様は、モノやサービスを買うとき、様々なストレスにさらされています。
1)選ぶこと自体にストレスを感じる
2)情報が多過ぎて決められない
3)お客様は、選択の間違いをしたくない
これらを考えると、どんなビジネスであれ、お客様は「選ぶストレス」にさらされているのです。ところが、モノやサービスを売る方は、このストレスを考慮せず、一方的に商品をPRしていることがとても多いのではないでしょうか。
この記事では、レコメンド・ビジネスが、
1)お客様の「選ぶストレス」に気付き、
2)お客様の気持ちで選択肢を提供し、
3)客観的なコメントを提供する、
ことが重要であることをいくつかの実例を入れてご紹介します。

お客様は、選ぶことにストレスを感じる

買い物には、「あれこれと迷う」楽しみがあります。ウインドショッピングや本屋の立ち読みなどです。しかし、一方では、商品の選択でストレスを感じるものです。
セルフサービスのスーパーや家電量販店、ホームセンターで、「商品選び」で迷っているお客様をよく見かけます。いろいろ手に取ってみるのですが、結局従来から買っているものを選択するか、買うことをやめてしまうこともあります。
そこで助かるのは、レコメンドしてくれる店員です。家電量販店の中には、
「当社の説明員は、全員当店社員で、メーカーの方はいません」
と店員の公平なレコメンドをアピールしているところもあります。
ところが、業界として、お客様の「選ぶストレス」に気付いていないことがあります。例えば、DVDのレンタルです。DVD レンタルは、お客様の店に行くというストレスには、気づいていました。そこで、ネットフレックスという会社が、ネットで注文を受けDVDを宅配便で届けることを始めました。しばらくして同社は、DVDのレコメンドサービスを始めました。顧客の注文履歴等を参考にしたレコメンドサービスです。ネットフレックスは、お客様がレンタル店に行くことのストレスとは別に
「作品を選ぶのに迷う」
というお客様のストレスに気付いたのです。本ならその場で開いてページをめくれば、どんな本か分かります。DVDは、簡単に店内で再生できません。ネットならプロモーション動画を簡単に再生できます。
ネットフレックスの発展は、単にその後オンデマンド配信をしたことだけではなく、お客様の「選ぶストレス」に気付き、レコメンド・ビジネスと結び付いたことも一因と考えられます。
あるスーパーマーケットの店長は、食料品を買う人が迷うのは、「献立に迷いがある」からと考え、
「今日のおすすめ献立」
と称して、和食系と洋食系2種類の献立とレシピを毎日出しています。初めは、野菜の売れ残り対策でもあったようですが、いまでは食材の販促に貢献しています。(野菜だけでなく、同じ献立の冷凍食品も売れるようです。)これは、従来産地や食品メーカーのキャンペーンポスターを張るだけだった店が、独自で始めたレコメンド・ビジネスです。

情報が多過ぎて決められない

ネットで「おすすめ○○」と検索すると、驚くほどのサイトが出てきます。これだけも、レコメンド・ビジネスが有望なことを実感できます。次にサイトを訪問すると、内容は様々です。どんなニーズをもった人かを全く無視して、ランキング10位までの商品が並べてあったり、メーカーのカタログ文句をそのまま掲載されていたりで、情報量は多いのですが、選択の迷いは深まるばかりです。さらに、追い打ちをかけるのが、一度でも何かを買おうとネット検索したあと、ネット画面を開くたびに、しつこくレコメンド広告が現れ、イライラがつのります。
行動経済学上、
「選択肢が多すぎると選べない」
ということを「選択のパラドックス」と呼びます。ただし、
「選択肢が多い」
と思うかどうかには、個人差があります。米国のスーパーなどでは、品物事の種類は日本に比べると少な目です。米国に住み慣れた人が、日本に来てスーパーや家電量販店で、商品の種類が多いことに目を丸くし「選べない」状態が生まれることがあります。
レコメンド・ビジネスを成功させる上で大切なのは、お客様のニーズにあった適切な数の選択肢をレコメンドができるかどうかです。多くの商品を並べただけの店、多くの飲食店や商品を比較するだけのサイトは、レコメンド・ビジネスとは程遠いと言えます。
街のコンビニは、お客様のニーズに合った商品だけを並べています。ある種のレコメンド・ビジネスと言ってもいいかも知れません。自社の商品をどうお客様にレコメンドしていくかの参考になります。


選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

選択の間違いをしたくない

お客様の「選ぶストレス」には、自分の決定に対する不安が含まれます。
例えば、家電を買おうとして
「この値段は、本当に安いのか?」
「買ったあと、すぐに壊れないか?」
そんな不安を抱くお客様に対して、
「当店は、地域で一番安いことが自慢です」
「この商品は、故障が少ないです。万が一は、当店の保証もついています」
と店員が話せば安心してもらえます。
何か不安を抱いたとき、直接詳しい人から話を聞いたり、ネットで使用者のコメント欄を見たりすると大きな安心が得られます。
米国で車を買うとき、コンシューマーレポートが参考にされます。これは、広告なしで車の安全性、燃費、排ガスなどを含む性能を客観的に評価したレポートです。車選びの際、カタログや試乗と同様にコンシューマーレポートを確認することが行われます。このレポートは、営利目的ではありませんが、一種のレコメンド・ビジネスです。
レコメンド・ビジネスは、モノやサービスの提供者とは異なる立場が必要です。そうでなければ、レコメンドの信頼を得ることが出来ません。各種の広告は、モノやサービスの提供から伝えられるもので、信頼されるレコメンドにはなりにくりものです。

まとめ

お客様が、モノやサービスを買うとき「選ぶストレス」にさらされます。
1)選ぶこと自体にストレスを感じる
2)情報が多過ぎて決められない
3)お客様は、選択の間違いをしたくない
などです。お客様の「選ぶストレス」を軽減するのが、「レコメンド・ビジネス」です。
レコメンド・ビジネスは、
1)お客様の「選ぶストレス」に気付き、
2)お客様の気持ちで選択肢を提供し、
3)客観的なコメントを提供する、
ことが重要です。

参考記事:イノベーションの定義と中小企業における「イノベーション経営」

差別化できていないビジネスモデルイノベーションは成功しない

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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