労働生産性の高い「できる人」は、危険予知をする(労働生産性 個人06)
労働生産性の高い「できる人」は、危険予知をしている
労働生産性の高い「できる人」は、危険予知をしている
- 会議で改革案を出したら、反対意見、わけのわからない意見が百出して収拾が付かなくなった。
- 上司に提案内容を問い詰められ、アタフタした。
- 提案内容を説明しても反応がなかった。
会社や組織で改革を進める方に、こんな経験がありませんか。提案の内容が良いか悪いか別として、会議に集った人には、異なる出席目的や立場があり、提案内容の受け止め方は様々です。私が、生産性向上活動をしていく中で、改革リーダーに対してよく以下の言葉を言いました。
「会議で混乱することが、予想できなかったの? 皆がどう考え、何を言い出すか危険予知(KY)をしたのか?」
改革を進める上で、「何かを変える」提案をする時、危険予知(KY)が重要です。提案する前に、以下のことを想定し、対策を準備しておくべきです。
1.提案内容を参加者は理解できるのか、理解できないのか。
2.どんな、反応をするのか。
3.なぜ、そんな反応をするのか。
4.誰が、賛成すれば、この提案は通るのか。
「仕事ができる」と言われる人には、アイデアを生み出す力と、提案を皆に納得させ、実施まで持っていく力が必要です。危険予知とは、現場の安全活動で使われている言葉です。作業現場の危険な場所を事前に見つけ、それを避ける対策を取る活動です。危険予知は、作業現場のみならず、あらゆる仕事の現場で使える考え方です。一種の未来シミュレーションです。「できる人」とは、この危険予知ができ、対策を立てることができる人です。
会議で、改革案が通らない理由は、「心配事」
提案を通したくない時は、簡単です。その提案を実施した時の弊害や心配事を並べることです。その心配事が、定量的に把握できない事柄を並べ立てます。99%うまくいくことでも、1%確率で起きる大きな失敗被害が訴えると、提案はほぼ通りません。役人や保守的な上司が使う常套手段です。一種の拒否権と言えます。
日本の企業や役所の生産性が低い大きな原因は、提案しないで拒否権を持つ人が常に存在していることにあります。これを突破するには、いくつかの道があります。
1.データで提案の有効性と弊害を示し、弊害の回避策を示す。
2.より強いリーダーシップを発揮できる人を動かす。
3.とりあえず、提案内容を一部でも実施して、既成事実を作る。
これらをうまく使える人を「できる人」というのかも知れません。改革など「変える提案」を通さないことは、容易です。多くの人は、現状維持を望むバイアスがあるからです。そのバイアスを意識して、突破口を探してください。
まとめ:「始める」提案より、「変える」提案が難しい
「仕事のできる人」とは、いろんな面を持っています。その1つが、提案を実施できる人ではないでしょうか。特に「変える」提案を人に認めさせ、実施することは、「始める」提案以上に困難です。提案に対する反応を危険予知し、対応を事前に考えておくこと。心配事を並べられて、提案が潰れることも予想し、対応策を立てておく。それが、「できる人」の条件ではないでしょうか。