「ワガママな人」、「偏見のある人」とのトラブルを回避する3つのヒント
「ワガママな人」、「偏見のある人」とのトラブルを回避する3つのヒント
人間関係のトラブルを回避する3つのヒント
いつの時代も職場のトラブルで多いのが人間関係です。リクナビの調査「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」によれば、退職する理由の本音ランキングでは、
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
ということになっています。退職理由の1位と3位は、人間関係です。退職者の約半分が、人間関係が理由で会社を去っていることがわかります。上司や同僚・部下と、信頼できる人間関係が構築できない結果です。退職には至らずとも、人間関係にストレスを感じながら我慢(ガマン)して、仕事を続けている人も多くいるのではないでしょうか。
職場で、良好な人間関係を保っている人は、トラブルを解決しているというより、回避している人が多いようです。衝突を避ける名人達です。
「どうすれば人間関係をうまく保てるのか」に答える3つのヒントをご紹介します。
1)「人は、皆ワガママである」と認識する
2)「人は、偏見の塊である」と認識する
3)自分のストレスの原因を知る
人が社会生活をする以上、人間関係から逃れることはできません。人間関係でトラブルが生まれるのは、双方に原因があるにもかかわらず、一方的に相手に不満を持つことから生じます。人間関係でトラブルを避けるには、自分も相手もワガママであり、偏見があり、ストレスを持っていることを理解することが、大切です。
会社などでの社会生活では、人間関係において余計な摩擦を避けたいものです。余計なエネルギーを使いたくないものです。様々な人がいる会社で、人間関係をうまく対応してきた人達、出世した人達を見てきた経験から、人間関係のトラブル回避法について述べます。
なお、この記事は、佐藤大和著「弁護士だけが知っているモメない33の方法」(ディスカバー21)を参考にしています。
「人は、皆ワガママである」と認識する
職場に気になるワガママな人がいるだけで、出勤したくないと思ってしまう人がいます。相手に悪意はないし、目の敵にされているわけではなくても、
「一緒に働きたくない」
「会話したくない」
と思っている人がいるのではないでしょうか。実は、相手のことを「ワガママ」と思っているのと同じように、相手もこちらを「ワガママ」と思っていることが結構あります。
そもそも人の欲求というものは、「自分にとって何らかの良い影響をもたらすもの」です。人は、意識しているしていないに限らず、
「相手にこうして欲しい」
と思っています。上司のパワハラ、ストーカーも元をただせば、
「相手を自分の要求に従わせたい」
といったワガママの押し付けです。
「人にいいことをしたい」
といった相手の為になる欲求であっても、
「誰かにいいことをすることで、自分が満足できる」
という隠れたワガママが潜んでいます。
「人は、皆ワガママである」
と認識し、自分も相手もワガママと思えば、摩擦は回避できます。
ワガママは、人生のエネルギーです。世の中で出世している人、成功をしている人は、ある面ワガママが人一倍強い人々です。ただし、自分のワガママを自覚しつつ行動している方々かも知れません。
「人は、偏見の塊である」と認識する
人間関係のトラブルを避ける2つ目のポイントは、
「人は、そもそも偏見の塊である」
と認識することです。
偏見とは、自分の知識や経験によって形づくられた価値観のことです。人は、同じものを見たり聞いたりしても、誰もが同じ様に考えているわけではありません。公平にものを見ているように思えても、偏った考え方やものの見方をしてしまうものです。こうしてつくられた価値観は、人それぞれ違います。
自分と相手が同じ価値観を持っているとの前提で接するとズレが生まれます。そのズレは、ストレスになり、苦しんだり、悩んだりとなり、ついには争いにまで発展することもあります。
人の価値観は、家庭環境、宗教、教育、体験などで形成されます。他人の価値観を変えることは、極めて困難です。そんな価値観の上に出来る偏見は、これまた変えることは容易ではありません。自然科学のように客観的に証明できることと、感情に基づく人間関係は、何が正しか誰もわかりません。これが「偏見」の正体です。
「なんでそんな風に思うの?」
「なぜ、そんなことを言うの?」
そう相手を問い詰めても何も解決しません。価値観が違うのです。
人間関係でトラブルを避けるには、相手の偏見の基になっている価値観を受け入れることです。自分の方にも相手とは異なる価値観があり、偏見があります。これも、相手に強引に押し付けることは避けるべきです。価値観を共存ざせる気持ちをもつことです。
自分のストレスの原因を知る
人間関係のトラブルの原因である「ワガママ」と「偏見」は、誰しもが持っているものと理解し対応したとしも、相手に対してのストレスを感じるものです。人間関係で余計なトラブルを避ける3つ目のポイントが、自分のストレスの原因を知ることです。
自分がストレスを感じるとき、喜びを感じるときのポイントを知っておくとことが、ストレスを回避したり、増幅したりすることを防ぎます。
イラっとしたとき、自分は何でイラっとしたかを考えてみてください。
「Aさんと話をするとイラっとする」
職場にそんな若手C君がいました。C君に
「なぜイラっとするのか」
と尋ねると
「毎度上司のAさんが、『君がミスしないように、準備しておいたから』」
そんな言い方で、毎度仕事を事細かに指示されることが気にいらない。それでいて、自分ばっかりに仕事を押しけてくるとのこと。どうもC君は、Aさんその人が嫌いではなく、仕事の指示のされ方が気にいらないように感じました。ためしに、
「C君は、他人からあれこれ指図されることが嫌いなんだ」
と言ってみると、
「そういわれれば、子供のころから『あれやれ、これやれ』と言われるのが嫌でした」
どうも、C君は、自分でしようと思っていることを相手から指図されるとストレスを感じるようです。C君は、自分の能力について「高い」と思っています。事実、同期と比べて高いと思いますが。本人が、自分の能力は高いと自負していることもあってか、細かく指図されるとイラっとくるようです。指示待ちタイプが多い若手では、異色の人材です。
私のとの会話だけで、C君のストレスは軽減したようです。「自分が指示されるストレスを感じる」と自覚したことで、Aさんと会話もイラっとしないで済むようです。「C君は細かく指示されなくてもできる」と第三者である私に認められたことも大きかったかも知れません。
友人の話をもう一人、ご紹介します。この人は、大のプロ野球ファンです。ところが、この人は、毎年応援する球団を変えています。その決め方は、
「今年、優勝しそうな強い球団のファンになる」
というものです。もともと彼には、好きな球団があったのですが、その球団は弱く、シーズン中ずっとストレスを感じ続けなければならなかったとのこと。「それなら強い球団のファンになれば、1シーズン気持ちよく過ごせる」と考えてそうしているとのこと。
「ストレスは、我慢するより避けるほうが賢明」
ということを実践しているようです。ただし、シーズン前の予想通りにペナントレースは進まず、ストレスの対象が好きな球団ではなく、戦前の順位予想になっています。
まとめ
人間関係のトラブルを防ぐ、3つのヒントがあります。
1)人は、皆ワガママであると認識する
2)人は、偏見の塊である認識する
3)自分のストレスの原因を知る
人が社会生活をする以上、人間関係から逃れることはできません。人間関係でトラブルが生まれるのは、双方に原因があるにもかかわらず、一方的に相手に不満を持つことから生じます。人間関係でトラブルを避けるには、自分も相手もワガママであり、偏見があり、ストレスを持っていることを理解することが大切です。