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「プライミング効果」を利用したマーケティングと目標達成

 
10回クイズをする子供
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「プライミング効果」を利用したマーケティングと目標達成

 

「プライミング効果」を利用したマーケティングと目標達成

「店頭で無意識にTVCMで見た商品を手に取ってしまった」
「健康アンケートに答えているうちに、健康診断に行く気になった」
「林修先生の『今でしょう』が耳に残っていて、頑張れた!」
これらは、心理学における「プライミング効果」と呼ばれる現象の例です。プライミング効果とは、あらかじめ受けた刺激(情報)によって、行動が無意識に影響されることです。「前もって教え込む」という意味の英単語・プライムに由来しています。
企業のマーケティングにおいては、たくみにプライミング効果が利用されています。CMやSNSで頻繁に商品名やイメージを流す。健康や家のリフォーム予定のアンケートを取って、顧客発掘をするなどです。また、目標達成ということでは、
「いつやるか? 今でしょう!」
という言葉が、予備校の子供達にいい影響を及ぼしたといいます。
「プライミング効果」は、マーケティングや目標達成に積極的に利用することで、成果を上げることが期待できます。
この記事では、プライミング効果とはなにか、どうビジネスや学習の場で利用することができるかの例を紹介します。


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2種類のプライミング効果とマーケティング活用

プライミング効果は、先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続刺激(ターゲット)の処理が促進または抑制される効果と定義されます。プライミング効果は、プライマーとターゲットの関係性から、大きく分けて直接プライミング効果間接プライミング効果とに分類されます。(参考記事:「プライミング効果とは」

直接プライミング効果

直接プライミング効果とは、プライマーとターゲットとで同じ刺激が繰り返されることで起こるプライミング効果のことを指します。反復プライミング効果とも呼ばれ、CMなどで商品名が連呼されると、実際に商品を選ぶ際に影響を受けてしまいます。子供からお年寄りまで知っているような短いCMソングなどは、大きな成果を上げています。選挙カーが候補者名を連呼するのも、この効果を狙っているといえます。
あるスーパーマーケットの入り口に
「本日、卵の特売日」
と書いた旗が、数本ならんでいました。店に入ると山のように卵が積みあがっています。観察しているとほとんどの客が卵のパックを手にしていました。店の前の旗の文字は、お客さんは、1秒にも満たない時間しか見ることはありません。しかし、確実にプライマリー効果を作りだしているようです。レジで聞いてみると、旗を立てた方が、確実に売り上げが増えるとのことでした。
マーケティングにおいて、大きな成果を上げうる直接プライミング効果ですが、候補者名の連呼のように、度が過ぎると反発を招く可能性があることに注意が必要です。

間接プライミング効果

直接プライミング効果に対して、間接プライミング効果とはプライマーとターゲットとが異なる場合に起きるプライミング効果であり、通常は意味レベルで観察されます。子供がよくやる「10回クイズ」は、典型的な間接プライミング効果です。10回クイズとは、ある単語を10回言わせてから問題に答えさせる、ひっかけクイズの一種です。
「みりん」を10回言わせておいて、
「鼻の長い動物は?」
と質問するあのクイズです。思わず、
「きりん」
と答えてしまいそうです。
山下達郎のバックミュージックで「夏」や「クリスマス」の映像が流れるだけで、「ビールを飲みたい」「旅に行きたい」「イブに誰かに会いたい」なんて思ってしまいます。間接プライミング効果は、「イメージ広告」として利用されています。毎年季節になると売り上げが上がるような息の長い商品広告として期待できます。
アンケートは、間接プライミング効果を狙ったものです。
「現在の車の走行距離は?」
「車の買い替えを考えておられますか?」
こんな質問に答えていくと、「車をそろそろ買い替えるか」と言う気になります。コツは、相手に「自分からそう考えた」と思わせるルートをたどる質問を並べることです。「健康の質問」からいつの間にか、「保険のことを考えていますか」に行きつくような例があります。

 

目標達成へのプライミング効果の活用

林修先生
「いつやるか? 今でしょう!」
のような言葉が苦しい時の支えになり、あきらめずに努力が継続することで目標達成が近づきます。コツは、こんな言葉を口癖にするまで思い込むことです。
学習コンサルタントの宇都出雅巳氏によれば、
「きっと○○できる」
「○○になりたい」
といったポジティブな言葉は私たちの記憶に影響を与え、前向きな思考・行動を形づくるのだそうです。反対に、
「どうせ無理だろう」
「できないかもしれない」
というような口癖や思考が習慣化すると、プライミング効果がネガティブに働きます。
「今が頑張り時!」
といったスローガンや目標を紙に書いて部屋の見えるところに張っておくことは、昔からよくやられています。今なら、スマホの待ち受け画面にしてもいいかもしれません。これらは、プライミング効果を生み出します。目に飛び込んでくるスローガンや口癖が、プイミング効果を生み、学習や仕事において成果を生み出すことが期待できます。

まとめ

「プライミング効果」とは、あらかじめ受けた刺激(情報)によって、行動が無意識に影響されることです。
マーケティングにおいては、CMやSNSで頻繁に商品名やイメージを流す、お客様からアンケートを取るなど、たくみにプリミング効果が利用されています。目標達成ということにも利用されています。「プライミング効果とはなにか」、「どうビジネスや学習の場で利用することができるか」を考え実践することで、学習やビジネスでの成果が期待できます。

参考記事:最強の差別化戦略とは、マーケティングの4Pのうち「プレイス戦略」

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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