「自分らしく生きる」のに必要なポジティブ・セルフイメージの作り方
「自分らしく生きる」のに必要なポジティブ・セルフイメージの作り方
「自分らしく生きる」のに必要なポジティブ・セルフイメージの作り方
「今の仕事が自分に合っていないので、転職しようか悩んでいる」
「定年後の生きがいについて不安に思っている」
こんな風に、生き方について、モヤモヤ感を持っている方がおられます。世の中には、多くの転職サイトがあり、シニアに対しては、NPOやボランティア団体があって、就職先や活動団体を紹介してくれます。しかし、これらは選択肢を示すのであって、「何を選ぶか」つまり、「どう生きるか」を教えてくれるものではありません。
知人やカウンセラーに相談したり、その手の本を読んだりすると、
「自分らしく生きること」
「自分に合った仕事や活動をすること」
といった言葉がよく返ってきます。「自分らしく」とわれても、何が自分らしいのか、漠然としていて自分のことを理解することは、案外難しいものです。
大体、自分らしくの「自分」とは、どんなものかさえ分かりません。
「自分はどんな人間なのか」
を自問自答して過去を振り返ると、過去のネガティブな出来事や今に至る自分のネガティブな特性や行動ばかりが思い出しがちになります。
人が転職や定年退職後の生き方に迷い、悩むのは、「セルフイメージ」が揺らいでいて、今後どうするか明確なビジョンが描けないでいる状態のときです。
「セルフイメージ」とは、自分自身に対する認識や自己像のこと。人は「自分はこういう人間だ」というイメージがあって、それに沿うことで行動してく傾向があります。
ところが、このセルフイメージ、必ずしも客観的な事実に基づいているわけではありません。多くの場合、以下の二つの要素によって形成されています。
1)過去の経験:成功体験や失敗体験、他者からの評価やフィードバック。
2)思い込み:自分は「こうあるべきだ」「こうでなければならない」という固定観念。
この二つが組み合わさり、現在のセルフイメージを形作っています。正しいセルフイメージ、ポジティブなセルフイメージを再構築するには、自問自答を通して、本当の自分を問い直していくことが有効です。
ポジティブなセルフイメージを構築するためには、3つのステップがあります。
1)成功体験を思い出して、思考をポジティブにする
2)「思い込み」を問い直して、未来の自己像を描く
3)小さな行動変化を起こす
これらのことで、セルフイメージを変え、ポジティブになると「生き方の迷い」からうまく脱出する手段を選ぶことができます。ポジティブなセルフイメージを持つことで、前向きな行動・生き方ができます。
この記事では、ポジティブな「自分らしさ」をセルフイメージとして構築し、前向きな行動に繋げるコツを紹介します。
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成功体験を思い出して思考をポジティブにする
自分に対するネガティブな思考が強まる背景には、「成功体験を忘れていること」があります。人は失敗や批判の記憶は残りますが、成功や承認の記憶は意識しないとすぐに薄れてしまいます。例えば、
「過去に褒められたことはないか?」
「『ありがとう』と感謝されたことはないか?」
「小さな成果を積み重ねたことは?」
などと自分に問いかけることが有効です。これらは本来「成功体験」としてセルフイメージを構成する要素なはずですが、忘れてしまっています。忘れてしまうと「自分には成功体験がない」という錯覚が生まれ、ネガティブな思考が強まってしまいます。
「成功体験」とは大きな成果だけを指すのではありません。過去に褒められたこと、誰かに「ありがとう」と言われたことも立派な成功体験です。
少年院(兵庫県の加古川学園・播磨学園)に行って、職員に聞いたことですが、収容されている15歳から18歳のほとんどの少年達は、過去に褒められた記憶がないということです。幼年期は、分かりませんが、少なくとも学校に上がってからは、先生や親に褒められたことがない少年ばかりです。職員が言うには、生活の中で、朝定時に起きられた、部屋の整理整頓ができた、学習ができたといったことに対して、「褒める」「『ありがとう』と声を掛ける」ことで、少年達は自信を付けていくということです。
始めは、
「自分が褒められたことなどない」
と言っていた少年が、
「低学年のとき、先生に褒めてもらったことがある」
などと、体験を語り始めることがあったそうです。
これら、成功体験を思い出したり、褒められる体験を通して、叱られたり、無視されたりといったネガティブなセルフイメージから、ポジティブに変えていく少年達の心理変化を目の当たりにすることがよくあるとのことです。
自己研鑽の本などでは、自分の成功体験を書き出してみることが推奨されています。いい方法ではありますが、書くとなると大きな成功体験を探して、「自分には何もない」とネガティブな気持ちになる恐れがあります。「小さな成功体験」も意味があることを理解して、書くことをお勧めします。
参考記事:「少年院で公文式学習をやっている!」ステップ・バイ・ステップ方式は万能
思い込みを問い直して、未来の自己像を描く
「安定した職に就かなければならない」
「定年後も多くの人と繋がりも持たなくてはいけない」
こんな風に「自分はこうあるべきだ」という思い込みは、セルフイメージを制約します。自問を繰り返して、この思い込みを問い直すことが重要です。
例えば、「安定した職に就かなければならない」という思い込みがある人は、転職をためらうかもしれません。しかし「安定とは収入だけでなく、心の安定や人間関係の安定も含まれる」と考えれば、新しい選択肢が見えてきます。
同様に「退職後も多くの人と繋がりを持たないといけない」と思い込んでいると、もし友人が少なければ、それだけで失望感がでます。「退職後の人間関係は、量より質」と考えを切り替えられれば、ポジティブになれます。
ネガティブな思考が浮かんだとき、「本当にそうか?」と問い直し、成功体験を根拠に自分のイメージを書き換えることができます。例えば、「自分は役に立っていない」と思っても、「昨日、同僚に『ありがとう』と言われた。役に立っている証拠だ」と考えることなどです。
性格を表す言葉には、ネガティブとポジティブと両面があります。例えば、「臆病」は「慎重」とも言えます。「落ち着きがない」は、「行動的」という具合です。自分の性格や行動パターンについて、ポジティブに捉えることをお勧めします。
自分のセルフイメージをポジティブに捉えるのも、一種の「思い込み」かも知れません。しかし、セルフイメージを前向きに構築するためには、「過去の経験」や「思い込み」をポジティブにとらえ、「これからどうありたいか」を具体的に描くことが、前向きに考え・行動的になるには重要です。
例えば、老後を考える人には「心穏やかでいられる生活」を未来像として描く人がいます。そのために「自然に囲まれた環境で暮らす」「地域活動に参加する」「趣味を続ける」など、具体的な行動をセルフイメージに組み込んでいくことができます。
小さな行動変化を起こす
セルフイメージは思考だけでなく、行動によって強化されます。小さな行動を積み重ねることで「自分はこういう人間だ」というイメージが現実になって行きます。
セルフイメージをポジティブにして、いきなり転職など大きな行動を起すのではなく、日常の小さな行動で新しい成功体験を積み重ねていくことも有効です。挨拶をする、誰かを助ける、仕事を期限通りに終えるといったことは、すべて「成功」としてポジティブなセルフイメージを強くしていきます。
例えば、「人に役立つことで充実感が得られる人」というセルフイメージを持つ人は、ボランティア活動に参加することでそのイメージが強まります。或いは、少額でも寄附という具体的な行動をすることで、ポジティブなセルフイメージが定着し、その後の行動に繋げていくことができます。
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まとめ
「自分らしく生きる」といったときの「自分らしさ」とは、セルフイメージです。転職や定年後などの不安や悩みがあるとき、ポジティブなセルフイメージがあると、前向きの未来像を描くことができます。
ポジティブなセルフイメージを構築するためには、3つのステップがあります。
1)成功体験を思い出して、思考をポジティブにする
2)「思い込み」を問い直して、未来の自己像を描く
3)小さな行動変化を起こす
これらのことで、セルフイメージを変え、ポジティブになることで、前向きな行動・生き方が生まれます。
