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新たなことに挑戦するなどの行動エネルギーとなる「自己効力感」を高める方法

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

新たなことに挑戦するなどの行動エネルギーとなる「自己効力感」を高める方法

 

挑戦のエネルギーとなる「自己効力感」の高める方法

日本の4月は、就職や異動の季節です。
「新入社員として頑張る」
「異動して初めての職場で仕事をする」
「新規事業のメンバーになった」
そんな、「挑戦」の季節とも言えます。勿論、季節に関係なく転職、起業などの変化の場面でも「挑戦」があります。そんな「挑戦」、あるいは挑戦したことを「継続」するには、「失敗する不安」「結果がでない状況」を乗り越えるエネルギーが必要です。このエネルギーの一つが「自己効力感」です。
「自己効力感」とは、「目標を達成するための能力を自らが持っていると認識する」ことです。「自己効力感」は、1977年心理学者アルバート・バンデューラの論文にて提唱された概念です。(参考:Psychological Review 84 (2)、191–215「自己効力感: 行動変容の統一理論に向けて」)英語では、self-efficacy(セルフ・エフィカシー)といい、「自己可能感」とも訳されます。自己効力感は、「自分の能力を信じる気持ち」を意味しており、一口でいえば、「自分ならできる」と思えることです。
何かに挑戦する行動は、何がしかのリスクが必ず伴うもので、誰しも「もし、失敗したらどうしよう」という不安がよぎります。自己効力感は、不安な感情がよぎった際に、「大丈夫だ」「できるはずだ」と考え、行動につなげるエネルギーとなります。また、行動しても結果が出ず、「やめようか」という気持ちが起きたとき、「続ければ、その内にきっとうまくいく」という継続のエネルギーにもなります。
そんな行動のエネルギーの元、「自己効力感」を高める4つの方法をご紹介します。
1)成功体験を積む(達成経験)
2)他の成功体験を知る(代理経験)
3)励まし(言語的説得)
4)成功イメージをつくる(想像的体験)
これらで、「自己効力感」を高めることは、行動を起こしたり、起こした行動を継続したりするエネルギーとなります。
「自己効力感」と似たような意味で使われる言葉に、「自信」があります。自信には、「根拠のない自信」「根拠のある自信」とがあります。まったく前例のないことに挑戦する際、「根拠のない自信」が役にたちます。ただし、「根拠のない自信」は、時として「妄想」であったり、何も行動しない「怠慢」になったりします。「自己効力感」は、「根拠のある自信」と言えます。自分や他者の成功体験が根拠になって生まれる自信です。
この記事では、「根拠のある自信」の付け方、言い換えると「自己効力感」を高める方法について考えます。

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成功体験を積む(達成経験)

人を育てる上で、
「小さな成功体験を積み重ねること」
で、自己効力感が高まります。結果として、「自信」が付きます。
伝説的なプロボクサーにジョージ・フォアマンと言う人がいます。元ヘビー級世界チャンピョンで、今は牧師です。彼は、チャンピョンの座を失い引退したのですが、再びリングに上がり45歳で20年ぶりに世界チャンピョンに返り咲いています。そんな彼のデビュー当時の対戦相手は無名の選手が多く、「作られた戦績」という見方がされていました。当時のマネージャーは、
「どんな相手であれ、勝つことで彼は自信をつけて強くなる」
と語っていました。まさに、小さな成功体験を積み重ねて「自己効力感」を高めていったという事例です。再デビュー後もいきなり大一番をすることはなく、着実に勝ちを重ねてチャンピョンに再挑戦しています。再デビュー後は、試合途中で何度も劣勢に陥るのですが、
「俺は、何度もこんな状態から挽回して勝ってきた」
と試合後のインタビューで彼が語っていたのをTVで見ました。(1990年前後、私は米国に住んでいいて、生のTV放送を見る機会がありました。)
誰しも、小さな成功体験を持っているものです。それを積み重ねていくことが大切です。フォアマンのように、「勝てる相手」を選んでいくことも、自己効力感を高めるコツです。背伸びせず、達成できそうな目標を立て、これをクリアすることで自信となります。

他の成功体験を知る(代理経験)

他の人が何かを達成・成功したことを知ると「自分にもできるのでは」と思うものです。
例えば、日本の陸上競技100メートルには、「10秒の壁」が長い間立ちはだかっていました。ところが、一度10秒が破られると次々と破る人が現れ、あっという間に4人の突破者がでています。(2022年末時点)同様に、フィギュアスケートの4回転ジャンプも10年前は出来る選手は少なかったのですが、今では当たり前になり、女子でも飛ぶ選手が出てきています。
ベンチャー企業の多い、シリコンバレーに行くと、「誰しも起業して、成功を掴める」気になるといいます。進学の名門校や運動の強豪校に子供を通わせるのも、「自分にもできる」との気持ちを抱くことを期待している部分があります。
企業において、他社の事例でなくても、社内の成功体験を共有することで、自己効力感は高まります。しかし、必ずしも成功事例が共有されていない会社も多いかも知れません。また、成功事例の話し方によっては、「自慢話」と受け取られてしまうことが起きます。

励まし(言語的説得)

「あなたなら出来る」
と励ますことで、自己効力感が高まる可能性があります。こんな自己効力感を高める方法は、「コーチング」の手法でもあります。ただし、単に
「あなたなら出来る」
と言うだけでは、その気になりません。そこに、ちょっと根拠を付けるのがコツです。
「これまでも、ピンチをしのいできたあなたなら出来る」
「こんなスピードボールを持っているのだから、必ず10勝できる」
といえば、自己効力感を高めることに繋がります。
「励まし」は、励まされた人が、その言葉に納得して「自分にもできる」という自己効力感にすることが重要です。本人の成功体験、他の成功体験を言葉にして、励ますことが有効です。

成功イメージをつくる(想像的体験)

日々の生活や仕事において、目の前のタスクをこなすことばかりに心がいっていると、新たな行動に挑戦しようなどと思わなくなります。そこで、何年後かに自社が世界的企業になっている姿をイメージしてみてください。あるいは、どこかの会社が世界企業になった物語を自社に当てはめてイメージしてみてください。もしかしたら、「自社(自分)でもやれる」「ワクワクする気持ち」になれます。
こんな風に自分の成功体験や他者の成功体験を、頭の中にイメージすることで、自己効力感を高めることができます。
達成目標を数字や言葉で表すことと同じように、映像イメージすることもモチベーションの維持、自己効力感を高めることに有効です。ときとして、映像イメージのほうが、夢が膨らんでモチベーションが高まり、同時に自己効力感が高まることもあります。

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まとめ

「自分にはできる」という「自己効力感」を高める4つの方法をご紹介します。
1)成功体験を積む(達成経験)
2)他の成功体験を知る(代理経験)
3)励まし(言語的説得)
4)成功イメージをつくる(想像的体験)
これらで、「自己効力感」を高めることは、行動を起こしたり、起こした行動を継続したりするエネルギーとなります。
参考記事:挑戦と継続の支えになる「根拠のない自信」のメリットとデメリット

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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