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人気プロ野球解説者に必要な4つの要素と経営コンサルの共通点

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

人気プロ野球解説者に必要な4つの要素と経営コンサルの共通点

 

プロ野球解説者に必要な4つの要素と経営コンサルの共通点

「外角低めのスライダーを投げれば、ショートゴロでWプレ―ですよ。」
「ここで打てば、伝説になれる!」
TVのプロ野球中継で解説者のこんなコメントの後、その通りのプレーが出ると
「さすが!」
と称賛の声が上がります。
プロ野球を始めスポーツ番組には、必ず解説者が付いています。この解説者が発するコメント、分析は、会社の経営を支援する経営コンサルと共通点を見いだすことができて、いつも気にしています。
22年のデータですが、好きなプロ野球解説者のランキングがあります。(「プロ野球解説者、ファン2000人に聞いたベスト1位は、藤川球児2位は?」

解説者ランキング

Professional baseball commentator ranking 2022

出典:光文社Smart FLASH (2022)

人気のプロ野球解説者には、4つの要素があります。
1)今の状況を的確に説明できる
2)過去を現状に繋げて語れる
3)これから何が起きるかを予想できる
4)熱い感情がある
これらの要素をバランス良く語れる人、あるいはどれかの要素が突出している人が、人気解説者のようです。
この4つの要素は、経営コンサルにも共通しています。故野村克也監督の著書にも、同様な要素が野球指導者に必要であることが述べられています。
この記事では、プロ野球解説に必要な要素を述べながら、経営に必要な要素を考えます。


野村ノート (小学館文庫)

今の状況を的確に説明できる

「ここでダメ押しができれば、勝てる確立があがります」
「ここで、失点したくないですね」
こんな風な言葉をプロ野球解説者が口にすることがあります。これは「解説」になっていません。誰が見ていても「ここで点がとれたら優位になる」「ここで失点したら不利」になることは、わかっています。これらは、解説者が「感想」を述べているだけです。
「打者は、外角球を狙って、ベースよりに立ち更に踏み込もうとしてます。」
「投手のリリースポイントが後ろにずれて、球が浮いています。」
こんな、具体的状況を明快に語れる「解説」は、視聴者をうならせます。好きな解説者1位の藤川球児氏は、これができるタイプです。一方、的確な「現状分析」出来ず、感想ばかりを並べている人もいます。
経営が行き詰っている会社経営者に対して
「今年の売上が○○億円に達したら何とかなりますよ」
と言ったところで、何も始まりません。言われた経営者は、
「そんなこと誰だって分っている。どうしたら売上○○億円になるか教えて欲しい」
ということになります。真っ当な経営コンサルなら、まず会社の現在の状況を分析することから始めます。「エクセレント・カンパニー」と言われるような優良企業のマネをする前に、今の会社の状況を知ることです。
プロ野球解説でも、今打席に立っている選手の状況を見ずに、超一流選手の例ばかりをさしていることがあります。比較して、差をかららなければ、解説とはいえないのは、経営のコンサルと同じです。

過去を現状に繋げて語れる

解説者が、個々のチームや選手の過去を知っていて語られるのは、大きな魅力です。過去の成績や、グランド内外でのエピソードを話されると思わず聞き入ってしまいます。ただし、現行プレーとの関係が重要です。
「昨年の盗塁数は、○○」
「今シーズンの得点圏打率は、4割を超えています」
こんな話を解説者に同席するアナウンサーがよく口にします。視聴者は、「そんなものか」とは思いますが、これだけでは、この選手の今のプレーには繋がりません。データを示しているだけで、肝心なのはそこから導かれるものです。つまり過去を現状に繋げて語れることが必要です。
「○○選手は、昨シーズンと比較して、△△が良くなって得点圏打率が上がった。」
といった風に解説者が語れれば、視聴者は納得できます。
時として解説者が、プレーしている人の過去のグランド内、グランド外のエピソードをプレーに関係なく語っていることがあります。プレー中にそんなことを言われても邪魔になるだけです。「調べていることを皆に披露したい」という気持ちは分かりますが、観戦の邪魔になるだけになっていることがあります。同様に、自分の過去の選手時代の経験を熱心に話すこともありますが、時と場合によるものです。
事業経験の豊富な経営コンサルが、自分の体験を一方的に押し付けようとすることと重なって見えます。

 

これから何が起きるかを予想できる

「次に外角がきたら打てます」
「フォークを投げたら三振です」
プロ野球解説者が、こんな予想をして、その通りの結果になったら
「さすが!」
と称賛の声が上がります。解説者が三振を予想したのに、ヒットを打てば、
「打った方を褒めるべきです」
とフォローすれが、打たれた方のファンも納得してしまいます。
次のプレーを予想するには、過去の結果と現在の分析が的確に出来ることが前提です。そして、最も確立の高い結果を予想することが出来ます。この際、実際にプレー経験が豊かな人は、それだけデータを沢山持っています。優勝争いをした経験のある野球解説者、日本シリーズの経験者には、その状況の選手心理が分かります。分析力と経験から、次を予想する力が生まれます。
会社を経営する上で、「この先どうなる」は、極めて重要なことです。経営コンサルのアドバイス通りやって、コロナ禍のせいで経営が悪化するようなことも、SNSがきっかけで思わぬブームになることもあります。その時、「納得のいく」言い訳とその後の対策が取れるかどうかが、経営コンサルの腕の見せ所です。

 

熱い感情がある

「ここで打てば『伝説』になる!」
どちらか一方のチームを応援する中継なら、こんな言葉は許されます。これは、2023年のWBCの中継で、解説者の里崎氏が言った言葉です。その直後、村上選手が打ってサヨナラ勝ちをして、多くの日本人が盛り上がったことは記憶されている方も多くいるかと思います。
冷静な過去や現在の分析、確立の高い結果予想をしても、プレーするのは人です。そこには、感情があります。感情を抜きにして、感動することはありません。
選手個人やチームに対する感情が入った解説があると、視聴者も共感します。会社の経営コンサル、社員の教育においても、「熱い感情」がなければ、指導を受ける側が行動することはありません。指導する側の「熱い感情」が伝われば、そこに信頼が生まれます。信頼のない指導は、いくら技術的に正しいことを言っても、相手はそれに従いません。信頼のない中での行動は、うまく行かないものです。
プロ野球解説者が、感情だけを言葉にしていたら、それは単なる「野球ファン」でしかありませんが、冷静な分析をする人が、時にファンの気持ちを代弁する言葉を発すれば、大きな感動を呼びます。

 

まとめ

プロ野球の解説には、経営を語るコンサルタントと共通する4つの要素があります。
1)今の状況を的確に説明できる
2)過去を状況に繋げて語れる
3)これから何が起きるかを予想できる
4)熱い感情がある
これらの要素をバランス良く語れる人、あるいはどれかの要素が突出している人が、人気解説者です。

参考記事:3つの「役に立たないコンサルタント」のタイプと「赤ひげ」先生

マーケティング分析は、観察力や質問力など「創造的知性」がなければ活かせない!

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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