面倒なだけの「営業日報」を売上増に結び付ける3つのポイント
面倒なだけの「営業日報」を売上増に結び付ける3つのポイント
面倒なだけの「営業日報」を売上増に繋げる3つのポイント
「書くのが面倒なだけの営業日報」
「上司の安心のためだけの営業日報」
こんな不満を抱きながら多くの営業マンは、今日も「営業日報」を書いています。営業日報は、上司からみると営業マンの管理ツールです。営業マンからみれば、上司へ「サボっていない」ことの証明書みたいなものです。いろいろ不満はあっても「営業日報」は、コロナ禍でリモートワーク、リモート商談が増え、上司と部下が直接会話する機会が減る中では、大切なコミュニケーションツールの1つです。
「営業日報」は、労務管理的な面もありますが、本当の役目は、売上増、利益増の作戦を考える場を与えてくれるものであり、上司への作戦計画申請書と捉えるべきだと思います。お客様に対して、どんなアクションをして、どんな反応があり、次はどうすべきかを考え、立てた作戦計画を申請するツールです。営業日報を売上増、利益増に繋げるために、日報に記載すべきポイントが3つあります。
1)お客様に対してどんなアクションをしたのか
2)それでお客様はどんな反応をしたのか
3)次のアクションは何か
営業日報の見本が、ネット上に沢山公開されています。営業マンが何をしたかを記載する形式のものが多いようですが、大切なのは、お客様の反応です。お客様が、営業マンのアクションに対してどんな行動をしたのか、どんな気持ちを持たれたかを記載することです。これらを整理しながら書けば、日報の中から売上増に有効なアクションのアイデアが生まれます。
営業日報には、良い見本があります。モノやサービスを買った後、Eメールなどで送られて来る「お客様アンケート」です。質問には、「お客様の年齢層、職業」「モノやサービスを利用しての満足度」「次に利用しますか」「ご意見はありますか」といった項目が並んでいます。営業マンが面談したり、電話やメールでやり取りしたりするなかで、これらの内容を掴み記録することで、売上増に繋がる「営業日報」になります。「お客様アンケート」は、多くのマーケティング理論と実践から確立された売上増、利益増にデータ収集方法です。アンケート形式の記録は、売上増、利益増を狙う「営業日報」のモデルとして活用できます。
お客様に対してどんなアクションをしたのか
営業マンのアクションとは、お客様訪問、メールの発信、リモートによる会議などの場で、お客様に対して行った「働きかけ」です。
アクションには、2つあります。挨拶、自社の説明、商品の紹介、ソリューション提案など、こちらから起こしたアクション。もう一つは、電話やメールでの問い合わせ、お客様からの呼び出しなど、お客主導のアクションです。
日報には、こちらからのアクションか、お客様からのものかの区別をした上で、具体的な内容を記述します。内容は、「誰に対して、何をしたのか」です。「誰」とは、個人なのか、法人なのか。個人であれば、どんな年齢層か職業の人か。法人であれば、どんなポジションの人かです。
「したこと」は、決まったパターンの1つをしたのか、特別な提案をしたのか区別して記録します。当日のアクションが、前回接点があった場合には、その差などが大切です。
よく営業マンが交代して、お客様から
「前任者は、こんなことをしてくれていたのに」
などと言われることがあります。どんなアクションをしていたか、記録に残っていれば、こんな話はなくなるでしょう。
どんなアクションをしたのかを記載するのは、手間がかかります。アクションをパターン化して、どれを選んだかを記録するなどで日報作成の簡素化ができます。
営業は台本が9割
アクションに対して、お客様はどんな反応をしたのか
お客様の反応は、日報に記録すべき最も大事なポイントです。注文が取れた、取れないといった「結果」もちろんでが、大事なのは、お客様の気持ちです。たとえ、受注できても
「お客様は、満足されて契約に至った」
のか、
「お客様は、『仕方なく』契約された」
かでは、大きな違いがあります。同様に決定を先送りされた理由、問い合わせを受けた理由など、お客様の事情や気持ちを日報に記録することが習慣化すると、お客様を観察する力が上がります。
とかく営業マンは、営業日報に自身のアクションや気持ちばかりを記述する傾向になります。商談がうまく行かなければ、上司への言い訳になってしまします。これでは、次の有効なアクションが生まれてきません。日報を、お客様の気持ちになって、書くように努めれば次のアクションが見えてきます。例えば、お客様が購入決定を遅らせるのは、「何か不安があるから」、あるいは「これまでのやり方を変える勇気がない」といった心理が働いているはずです。
日報には、お客様の事情、気持ちを事実と推測とを区別して記録します。「営業日報」に記録することを意識して、お客様に関する事実を見極め推測を続けることは、営業マンとしての大きな成長が期待できます。
次のアクションは何か
お客様の事情や気持ちを含めた反応を営業日報に記録した後、お客様に対する次のアクションは何かを考えなくてはなりません。お客様の反応が、首尾よく受注のときもあれば、失注や結果の先延ばしのときもあります。それぞれに対して、次のアクションを考えて営業日報に記します。
毎度、次のアクションまで日報に書くのは大変です。
「受注できなくても、仕方がない」
との思いがあっても、何かアクションを考えねばなりません。たとえ、失注したときでも、お客様の気持ちが想像できれば、「あきらめ」も含めて、次のアクション案ができるはずです。とにかく
「次は、こうしてもう1度トライする」
「この失注を○○と反省して、次のお客様にあたる」
と日報に書いていくことが大切です。一方上司は、営業日報を読んで「同意するか」「修正するか」などの反応をする必要があります。
営業日報は、営業マン自身がアクションプランを作る場であり、同時に上司がサポートする場でもあると心得ることです。
営業日報をアンケート形式でシステム化
営業日報に記載することが増えると、これを書く負担が増えてしまいます。定時後に営業マンが、時間をかけて日報を書くことが仕事になってしまっては、本末転倒です。日報をシンプルな形で電子化をしたいものです。
冒頭に例として挙げた「お客様アンケート」をイメージした営業日報を作成した経験があります。アンケートと同じように、営業マンが質問に答える形で入力します。ほとんどの項目は、用意された回答例から選べます。1件あたり10分もあれば、個人のPC端末から入力できます。(スマホが、活用できれば、もっと利便性が上がります。)手作りで、クラウド(キントーン)を利用して集計をするようにしています。今は、個別に上司が見て、各営業マンにアドバイス等をしていますが、今後データが蓄積されれば、新たな価値が生まれてくる可能性が期待されます。
まとめ
「営業日報」の本当の役目は、売上増、利益増を考えるツールであり、上司への作戦申請書です。
営業日報を売上増、利益増につなげるために、記載すべき3つのポイントは、
1)お客様に対してどんなアクションをしたのか
2)それでお客様はどんな反応をしたのか
3)次のアクションは何か
大切なのは、お客様の気持ちを掴み、対応する次のアクションをとることです。
参考記事:会社向け営業(B to Bビジネス)では、まず購買に関わる人を見つけること