意味のある目標設定にするには、「結果目標」に「行動目標」を付けること
意味のある目標設定にするには、「結果目標」に「行動目標」を付けること
目標を有効にするには、「結果目標」に「行動目標」を付けること
職場には、目標が溢れています。
「売上目標」「安全目標」「品質目標」「業務効率化目標」等々
多くの会社では、様々な年度目標を設定します。ここで説明するまでもなく、目標設定の有効性は、よく語られます。しかし、せっかく目標設置しても、現実には達成されにくいものです。もしかしたら、「目標設定して終わり」なんて、意味のない目標設定をしていませんか。
例えば、「2020年の売上目標を昨年の10%増」と設定して、コロナ禍影響で4月からつまずき、設定した目標が意味をなさなくなっいます。中期目標などと言って、3年後の売上目標を設定しても、1年もすると目標修正が迫られます。(私の経験ですが、多くの方も同じような経験しているのではありませんか)
「設定目標を達成できない時は、誰が責任を取るんだ!」
そう叫んでも、ムダです。だれもが、目標がなかったかのように無視します。かろうじて社長が、株主総会で、設定した全社の売上目標や利益目標の未達を弁明する位です。
そもそも目標設定する際、目標には当事者に「責任が取れる目標」と「責任が取れない目標」とがあることを認識しておく必要があります。
「月間売上1億円」「業務効率化30%」
と言った目標は、「結果目標」と言われ、スローガンのようなものです。一方、
「毎日、顧客10社とコンタクトする」「顧客情報をクラウドでデータ化する」
と言った「行動目標」は、努力すれば必ず実現できます。
努力すれば必ず達成できるのは、「行動目標」です。
・目標設定には、「結果目標」を実現する「行動目標」を付けること
これが、目標達成が実現する「仕組み」です。
業績を上げている会社、組織、個人は、「結果目標」とこれを実現する「行動目標」とを持っています。「高齢者が安心して暮らせる社会を実現します」など「願望目標」だけを「選挙公約」と言って当選する議員が、何の成果も上げていないことは、ご存知の通りです。
「行動目標」と「結果目標」の違い
目標には、3種類あります。
1)結果目標
2)行動目標
3)願望目標
「月間売上1億円」は、結果目標です。いくら努力しても、顧客やライバルなどの影響を受け、達成の保証はありません。「一人1日、顧客10社とコンタクトをとる」「顧客情報をクラウドでデータ化する」は、行動目標です。必ず達成できます。「皆が幸せになる会社をつくる」は、願望目標です。そもそも「何が幸せ」かはっきりしておらず、「目標」と言うべきではないかもしれません。
「結果目標」だけでは、単なるスローガン
「売上月間1億円」「業務効率化30%」などの「結果目標」は、会社やチームとしてよく使われます。年初にスローガンとして作れば、会社やチームの達成地点が共有でき、一体感も生まれます。しかし、これだけでは、実現する方法がわかりません。必ず、その後に、チームとして、個人としての「行動目標」を付けることです。
「売上月間1億円目標」これを達成するために「営業部員は、1日顧客10社とコンタクトをとる」と行動目標をセットにすると、成果が期待できます。
「結果目標」は、評価し易い数値であることが望ましいです。また、そのレベルは、改革が必要な高いレベルなのか、従来の「やり方」を改善していけば到達できるかなど、目標設定に工夫が必要です。(参考:本ブログ記事「生産性が上がる目標のたて方」)
「結果目標」には、階層があり、「全社目標」「部目標」「私の目標」などです。いずれの結果目標においても、「行動目標」を付けなければ、単なる階層別スローガンです。
成果を上げる「行動目標」
「結果目標」に続いて目標設定するのが、「行動目標」です。
行動目標は、具体的に「〇〇をする」の形になります。〇〇をしたことで、どんな効果が期待できるかを想定し、職場で共有しておくことが大切です。いくら行動目標でも
「とにかく毎日、お客様10社に電話かメールすること」
と行動目標をたてても
「それで、どうなるの?」
と言い出す人はいるものです。
「顧客と接点を多くして、売上増を期待する。接点が多い程、契約のチャンスが増えるとのデータがあるそうだ」
くらいの認識を共有しておきたいものです。
「行動目標」には、階層があります。会社、職場、個人といった階層で目標設定することが有効です。「管理職は、毎週〇〇をする」「担当は、毎日〇〇をする」「私は、毎朝〇〇をする」と目標設定できます。また、行動する数だけ増やすこともできます。
「行動目標」の設定で重要なことは、それを達成することで、「結果目標」の達成確率が上がることです。会社における行動目標は、結果目標と繋がっているかの評価こそ、目標設定の根幹です。
目標には、「行動責任」と「結果責任」がついてくる
目標設定した後、目標に向かって行動し結果がでます。
行動目標に対して当事者は、100%責任が取れます。目標達成できたか、出来なかったかは、本人次第です。ところが、「売上月間1億円」と言った目標設定は、当事者と関係のない要因で、達成できたり未達だったりします。下の図を見てください。模式的にかいた責任と地位の図です。新人は、行動目標が与えられ、「やったか、やらないか」の行動責任100%です。社長は、「売上目標が達成したか、しなかった」と言う結果責任100%です。本人が悪くなくても、会社で不祥事があれば、責任を取るものです。中間管理職は、行動責任と結果責任が、半々でしょうか。
まとめ:目標設定をする際、行動目標を付けること
目標設定する際、「結果目標」に「行動目標」を付けることが、その達成に有効です。会社や個人で、「こうなりたい」ことを数字で表し「結果目標」をたてます。これを実現するための「〇〇をする」等の「行動目標」を同時に作ることです。また、責任には、「行動責任」と「結果責任」とがあり、地位が上がるほど、結果責任の比率があがるものです。