生産性は、探す時間を省くと上がる。Googleもアマゾンも「探すビジネス」で成功
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職場の生産性は、3S(整理、整頓、清掃)で上がる
3Sと言われる「整理、整頓、清掃」は、職場で生産性を上げるために重要です。一般的に、3S活動は、「安全」で「効率的」で「快適」な職場を作る手法と言われ、製造業を中心に多くの企業が取り組んでいます。3Sに、清潔としつけを加えた5S活動もありますが、基本は3Sですので、以下これで話を進めます。3Sとは、以下の3つです。
- 整理(seiri) モノを要る、要らないに分類し、要らないものを捨てる
- 整頓(seiton) 要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにする
- 清掃(seisou) ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持する
3S活動の全般的な説明は、他の記事に譲り、生産性の観点から書きます。これまで私は、3S活動だけすることで1年に生産性を10%以上向上させた職場をいくつも見てきました。生産性の観点では、3Sの内、とりわけ「整頓」に注目します。整頓ができていないと「探すムダ」「迷うムダ」「教えるムダ」「取りに行くムダ」など、価値を生まない動作が増えます。
私が、生産性向上を指導していたある職場は、生産性を上げる活動以前に、現場があまりに汚く乱雑でした。作業机の引き出しには、工具があふれ、机の上には書類がうず高く積まれていました。まず、3S活動が先です。
「これで、モノを探すのに困らないか」
と作業者に尋ねると、
「乱雑なようでも、どこに何があるか分かっています。これが意外に便利で使いやすい状態です」
と返事をします。それでも職場リーダーを説得して、整理・整頓を始めました。すると保管しているモノの50%以上が、不要物だと分かりました。重複した工具類も沢山でてきました。不要物は、どんどん捨ててもらうことにして、次は、
「モノは3分以内、データは30秒以内で、出し入れできるようにする」
を整頓のスローガンに、工具や材料を取り出し易いように整頓しました。
この職場には、生産性のデータがあり、「作業準備時間」の項目がありました。3S活動をする前、
「モノを探すのに、ほとんど時間を取られていない」
とリーダーは言っていたのですが、3S活動後のデータは、「作業準備時間」が減っていました。「作業準備時間」と言っても実態は「探す」時間がかなりの割合だったのです。モノの保管場所がわからず保管者を探し、その保管者とわずかな記憶をたどってモノを探し、見つからないので更に調べると捨てられていたなんて話までありました。整頓は、誰でもすぐに取り出せることが重要です。その後、リーダーは、モノだけでなくパソコン内のデータの整理・整頓にも取り組んでいます。
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「探す」から、ビジネスが生まれる
整頓することにより、探す時間や手間の削減は、直接生産性を高めます。更に、「探す」を発展させるとビジネスになります。
GoogleやYahooは、ネット内の記事を探すことをビジネスにしています。アマゾンは、商品を探し、配送することで成功しています。今、流行っているネットビジネスを思い浮かべてください。ホテルの予約サイトは、空き室探し。転職サイトは、職探し。他にも賃貸の部屋探し、結婚相手探し等々、いくらでも「探しビジネス」を発見できます。営業活動は、お客様を探すことですが、従来の電話や訪問オンリーから、ネット経由の注文が増えています。ネット受注は、自社ホームページからもありますが、専門の「探しビジネス」の存在感が高まっています。「探しビジネス」は、今後あらゆる産業になくてはならないものになるでしょう。更にコロナ禍で、「探しビジネス」依存は、加速していきます。
まとめ
企業の生産性を上げる1つの方法に、「探す」時間と手間の削減があります。社内においては、モノやデータの整理・整頓をすること。また、社外の「探すビジネス」を活用することです。更にアイデアがあれば、「探すビジネス」参入にチャレンジする企業や人がどんどん出てくることを期待します。