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仕事を通して成長できることは、スキルアップだけでない3つのこと

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事を通して成長できることは、スキルアップだけでない3つのこと

 

仕事を通して成長できる3つのこと

採用面接をしていて、頼もしく思える学生に出会うときがあります。そんな頼もしい学生達は、よく
「御社を志望したのは、仕事を通して成長できるからです」
と話すことがあります。たぶんに就活マニュアルからの受け売りもあるかも知れませんが、仕事に対して、
「お金より仕事のやりがい」、「仕事のやりがいより自分の成長」
と本当に考えているようで感心します。かつての自分を振り返ると、「成長」など考えたこともなく、「給料が良くて、少しはやりがいのある仕事をしたい」というのが本音でした。今は、特に理系の学生おいて、就職先に「自分が成長できること」を期待する傾向があるようです。
ところで、仕事を通して成長するとはどんなことでしょうか。学生の話を聞いていると、仕事を通してスキルアップであったり、実践経験を積むことであったりすることをイメージしています。確かにそれは、成長です。しかし、他にも成長することがあります。それは、ことによるとスキル以上に大切です。
学校の部活を思い浮かべてください。運動部であれ文化部であれ、部活に参加することでスキルアップが期待できます。例えば、高校の野球部に入って野球がうまくなる、体力が付くといった成長があります。しかし、それだけではありません。体力や技術が、プロ野球のレベルに「成長」する選手は稀です。大半の部員は、部活を通してチームワーク、リーダーシップ、努力など様々な経験や考え方を身につけることが、「成長」となります。
仕事も同じで、スキルの習得だけが「成長」ではありません。会社は、学校の部活のように同年代で同じような考え方の人の集団ではなく、様々な年代、キャリアの人がいます。その中で仕事を通して、リーダーシップなどを身に付けることができます。
仕事を通して成長できるのは、以下のようなことがあるからです。
1)専門的なスキルを習得できる。
2)異なる立場で思考できる
3)挑戦と失敗を経験できる
これらで、特に大切なのは「異なる立場で思考できること」です。就職すると、学生時代には消費者であった立場が、生産者や販売者の立場に変わります。子供が生まれて、それまで親から保護される立場であったのが、保護する立場になることと同じです。そこに大きな成長の機会が潜んでいます。

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専門的なスキルを習得できる

会社で何かの仕事に従事すれば、当然必要なスキルを習得する必要があります。また、業務の範囲が広がるにつれ、新しいスキルを習得することができるようになります。必ずしも研究開発職に在籍せずとも、販売や取引先との関係から、最新の技術情報を得ることできます。また、語学や国家資格なども得る機会があるかも知れません。
ただし、各企業は、業務の質の維持、効率化を図るため、各種標準(マニュアル)を揃えていて、これから逸脱しない仕事を求めます。長年、仕事をしていても、その企業でだけでしかあ通用しないスキルを身に付けているといったことが起きることがあります。
ある時、ITエンジニアの中途採用に応募してきた人がいました。その人は、「大手メーカーでシステム経験10年」というキャリアでした。ところが、面接でわかったのは、ビジネスシステムのメンテナンスを中心として業務を10年間経験されていましたが、主にマニュアルに従った対応のみ。その会社のシステムは熟知しているのでしょうが、他のことは全く分からないといった人で、採用を見合わせたことがあります。仕事を通してスキルを身に付けても、その会社、その職場でしか使われないスキルということに気付かないことがあります。だだし、仕事が続けることができるのであれば、「それしかできない」という人生の選択もあるかも知れませんが。

異なる立場で思考できる

学生が企業に就職すると、それまで消費者であった立場から、生産者や販売者の立場に変わります。教員になれば、教わる立場から、教える立場になります。企業内で出世すれば、仕事させられる立場から、仕事をさせる立場になります。
仕事を通して異なる立場になり、考えることが、成長の機会を与えてくれます。よく、
「物事は、教える立場になって、はじめて良く理解できる」
といいますが、その通りです。
消費者であれば、
「この商品の使い勝手が悪い。」
「価格が高い」等々
いろいろ消費者目線の意見があったのが、供給者側に立つと全く違って見えます。その時重要なのは、供給者側に立っても、消費者側の意見や気持ちを忘れないことです。同様に昇格して、人を使う立場になっても、使われる立場の気持ちを忘れないことです。
仕事を通して成長するには、供給者でありながら消費者の気持ちになれる。平社員でも経営者の気持ちになれる。大企業の社員でも下請けの気持ちになれる。あるいは、その逆ができる。こんな風に「異なる立場で思考できる」ことが、仕事での成功の機会を与えてくれると同時に、人間的成長をもたらしてくれます。
また、「異なる立場の人」をまとめるリーダーシップは、学生時代の部活のような同世代で同質の人をまとめるのとは全く違います。「異なる立場で思考できる」ことが、求められます。

挑戦と失敗を経験できる

企業など組織で仕事をする場合であれ、個人事業であれ、仕事をするということは、なんらかの「挑戦」をすることです。「挑戦」ですから、うまくいくこともあれば、失敗もあります。仕事ですから、成功だろうと失敗だろうと責任が伴います。プレシャーが伴います。だからこそ、仕事の挑戦と失敗は成長をもたらします。
仕事を通しての挑戦と失敗は、様々な成長をもたらします。たとえば、
1)自分の強みと弱みを認識する。
2)コミュニケーション能力を高める。
3)精神的に強くなる。
4)自分にとっての仕事を私生活のバランスを知る。
等々です。
企業や組織での仕事は、個人では経験できない大きなプロジェクトを経験できることもあります。個人事業では、すべての仕事を一人でやり切る経験もできます。
どんな立場であれ、「積極的に挑戦すること」が、成長に繋がります。逆にいえば、大きな組織にいても「挑戦」しなければ、成長を望めないということです。

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まとめ

仕事を通して成長できるのは、以下のようなことがあるからです。
1)専門的なスキルを習得できる。
2)異なる立場で思考できる
3)挑戦と失敗を経験できる
仕事を通して成長するのは、「スキルの習得」だけでなく「異なる立場で思考できる」ことや、仕事でしか経験できない「挑戦」があるからです。

参考記事:「危機的状況は、人を成長させる」というのは、本当か?

同じ失敗を繰り返す人や組織の「経験しても成長しない」という共通点

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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