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ショートカット思考の「ヒューリスティック」をマーケティングに活用するには

2023/08/01
 
ヒューリスティックについて考える人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

ショートカット思考の「ヒューリスティック」をマーケティングに活用するには

 

マーケティングに活用できる「ヒューリスティック」という消費者の思考パターン

「スーパーで商品を選ぶのにテレビCMで知っているものを選ぶ」
「期間限定の値引き商品を買いたくなる」
こんな消費者の心理を利用した売り方が、昔からあります。これらは、「ヒューリスティック」と言われる人の思考法を利用した売り方(マーケティング)です。マーケティングにヒューリスティックを利用するのは、直接商品を売るときだけではありません。消費者(ユーザー)の行動をヒューリスティック評価という手法で、分析することができます。ウェブサイトやアプリの特定の要素が、ユーザーにどのような影響を与えるかを確認することもでき、より優れたマーケティング戦略を立てることができるようになっています。
ヒューリスティックとは、問題を解決するために、経験や知識から導き出された、簡便で実用的な方法や原則のことを指します。
ヒューリスティック(heuristic)とは、「発見的手法」と訳される心理学用語で「先入観や経験にもとづき、ある程度正しそうな答えを見つける思考法」のことを指します。
日本語の「経験則」にあたります。例えば空模様を見て「これから雨が降りそうだ」と判断したり、黒いスーツを着た若者を見て「就活中だろう」と考えたりすることがヒューリスティックによる判断です。
ヒューリスティックは、複雑な思考を簡略しているため、意思決定が早くなる、少ない判断基準だけでも難しい決断ができるというメリットがあります。いわば「思考のショートカット」です。ただし、判断基準として用いる経験や先入観などは属人的で偏りがある上に「自分の都合の良いことばかり覚えがち」という人間心理である認知バイアスが強く働きます。
ヒューリスティックは、人の行動に大きな影響を与えています。モノやサービスを売るというマーケティングにおいても、様々な場面で消費者のヒューリスティックによる決断が利用されています。マーケティングに活用できるヒューリスティックとしては、以下のようなものがあります。
1)利用可能性ヒューリスティック
2)固着性ヒューリスティック
3)シミュレーション・ヒューリスティック
4)感情ヒューリスティック
ヒューリスティックを活用したマーケティングは、消費者が商品を選び購入するという「複雑な思考過程」をショートカットして決断することを後押しします。
ただし、ヒューリスティックの効果を狙って、自社にとって良いことばかり提示して、逆に「本当だろうか」と消費者に疑われたり、景品表示法に違反したりしないといった注意が必要です。


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利用可能性ヒューリスティック(想起ヒューリスティック)

これは、「利用しやすい経験に頼った判断をすること」です。自分の入手しやすい情報や、思い出しやすい情報に頼った判断です。自分の身の回りの出来事や印象的だった記憶、友人やネット上の口コミなどをもとに判断するため、大きな偏りが出る場合があります。
例えば、スーパーマーケットへ行ったとき、陳列された商品の中から思い浮かんだ商品をカートに入れる、テレビCMで名前を聞いたことがある商品を手にするといったことです。「いつも買っている」「CMで聞いたことがある」という経験が優先されます。同様に、飲食店を探すのにサイトの上位を選ぶといったことがあります。
マーケティングする側からすれば、知名度を上げる、サイト表示の上位を狙うことが必要であり、いかに消費者にとっての「定番」にするかが鍵になります。

固着性ヒューリスティック

これは、「最初に手にした情報をもとに判断すること」です。最初の情報が船の錨(アンカー)のように働き、ここから大きく動けなくなってしまうことで、「アンカリング効果」と呼ばれています。
例えば、価格交渉で最初に提示した価格に引きずられてしまうようなことです。よくTVのテレホンショッピングで
「通常価格38,800円のところ、今回10,000円値引きして19,800円でご紹介します!」
とやっているのは、まさにアンカリング効果を使ったものです。初めから、19,800円と提示するより「通常価格38,800円」が頭にあって、
10,000円の値引き」
の方が、お得に感じます。他にも通販では、
「お一人様5個まで」
といった個数制限を付けることがあります。これは、5個まで」がアンカーとなっているため、個数制限をしないより売れることが多いとのことです。

シミュレーション・ヒューリスティック

これは、「それまでの経験や持っている先入観を用いて結果を推定すること」です。例えば、自分の過去の経験や先入観から「今まで上手にできたことがないから今回も失敗する」「どんなことがあっても、きっと最後はうまくいく」などと考えることです。
また、実際起こっている出来事に対して「このような理由があったのだろう」と勝手に推察すること、あるいは「もし○○していれば○○だったのに」と事実と違うことを想定するのもシミュレーション・ヒューリスティックです。
シミュレーション・ヒューリスティックを使った例では、自社のモノやサービスを購入して満足した経験のある消費者に
「今度の商品も前回同様ご満足いただけると信じています」
などと訴えてすんなり受け入れられることです。多くのブランド商品が継続的に売れるのは、「今まで良かったから、これもいいだろう」とう心理が働き売れています。
逆にモノやサービスを購入して失敗した経験のある人のヒューリスティックを利用する方法があります。
「今度こそ失敗しないダイエット!」
「挫折させない英会話教室」
こんな宣伝を目にすることがあります。ころまで、ダイエットや英語習得で失敗した人の持つシミュレーション・ヒューリスティックを逆手に取ってのアピールです。

 

感情ヒューリスティック

これは、「自分によってメリットがあるか」「自分の気分」「自分にとってリスクがあるか」など、自分自身の感情を基準に意思決定を行うことです。
オレオレ詐欺は、「自分の子どもが困っていたら助けたい」という高齢者の気持ちを悪用した例です。
感情ヒューリスティックとは、好きなもののメリットを高く、デメリットを低く評価し、嫌いなもののメリットを低く、デメリットを高く評価することです。簡単に言えば「好き嫌いで物事を決める」ことです。
例えば、好きなスポーツ選手がおすすめする飲料や化粧品を「良い商品だ」と考えて買うといったことです。最近では、好きな人が使っている商品がSNSで紹介され、売上を伸ばす例があります。

 

まとめ

ヒューリスティック(heuristicとは、「先入観や経験にもとづき、ある程度正しそうな答えを見つける思考法」のことを指します。
マーケティングに活用できるヒューリスティックには、以下のようなものがあります。
1)利用可能性ヒューリスティック
2)固着性ヒューリスティック
3)シミュレーション・ヒューリスティック
4)感情ヒューリスティック
ヒューリスティックを活用したマーケティングは、消費者が商品を選び購入するという「複雑な思考過程」をショートカットして決断することを後押しします。

参考記事:「プライミング効果」を利用したマーケティングと目標達成

ヒット商品に見られる「売れる」ために必要な3つの要素

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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