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リーダーと部下との間のコミュニケーションを改善する5つのポイント

2021/09/24
 
リーダーヒヤリングのイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

リーダーと部下との間のコミュニケーションを改善する5つのポイント

 

リーダーと部下とのコミュニケーションは、「目的と目標の共有化」から

「部下が、指示どおり動いてくれない」
「部下から報告がない」
「何を言っても反応がない部下」
チームリーダーが部下に対して、こんなストレスを感じることはありませんか。いずれも、リーダーと部下との間のコミュニケーションがうまくいっていない例です。

たとえ10人以下の少人数チームのリーダーであっても、部下と十分なコミュニケーションは、容易ではありません。リーダーと部下の間には、知識差、経験差、年齢差、意識差など様々な違いがあるからです。そんな個々に異なる人が集まる組織で仕事をすすめるには、

「目的と目標の共有化」

が最も大切なポイントです。そもそも会社には、「目的と目標」があり、これを受けて個々人には、仕事が割り振られています。会社の「目的と目標」をリーダーと部下が共有化していなければ、部下はリーダーの思いと違う方向へ向かいます。リーダーと部下のコミュニケーションを良くするとは、「目的と目標の共有化」を図ることでもあります。

リーダーと部下との間でのコミュニケーションを改善する5つのポイントを紹介します。
1)部下の話を聞く
2)現物現場を確認する
3)「もし、自分が同じ指示をされたら」と想像する
4)部下と一緒に考える
5)知恵の引き出し役になる
これらは、リーダーと部下とのコミュニケーション改善の手法ですが、これらを実践することは、部下の教育、リーダー自身の成長に繋がります。

これは、トヨタ式のリーダー育成法を基に工場現場や研究所で実践した得たことをまとめたものです。


「トヨタ式」大全 世界の製造業を制した192の知恵 (PHP文庫)

コミュニケーション改善1:部下の話を聞く

コミュニケーション改善の1つ目は、部下から頻繁に話を聞くことです。気軽に話ができる状況を作ること。高圧的では、ダメです。最近の若者には、会話が苦手な人が増えています。部下は、リーダーと友達感覚ができないと口を開いてくれません。とにかく、毎日声を掛け続けて、友達感覚を構築することです。最近は、プライベートな話を避ける傾向が強いのですが、部下から話が出たら話題に乗って距離を詰めることができます。

気軽に会話ができるようになったら以下の3つの点に気をつけることです。

部下の話を最後まで聞く

リーダーは、「部下の話を遮らず最後まで聞く」ことを心がける。話を最後まで聞いてもらえたことで、部下は「受け入れてもらえた」という気持ちになり、リーダーを信頼するようになります。

先入観を持って聞かない

リーダーが相手の気持ちになって話を聞いているつもりでも、先入観が入っていることがあります。話のさわりを聞いただけで「こういう話なんでしょ」との思い込み、「あなたはこういう人だから」と決めつけて、話を聞いてはいけません。

部下は、初めは理解してもらおうとしますが、だんだん面倒になり、報告や相談をやめてしまいます。

部下の価値観を理解する

会社には売上げや利益目標がありますが、部下にとっては自分の給料や忙しさが関心事かかもしれません。仕事より自分時間の方が大切かも知れません。会社全体の効率より、従業員の平等の方が大切と思っているかも知れません。

リーダーは、まず「そうだね」と受け入れた上で、話をすることです。その上で、「目的と目標の共有」を探すことです。会社の目標には、利益がありますが、目的は違います。「社会に貢献する」「従業員を幸福にする」など、会社の理念として掲げられていることです。部下の価値観と会社の目的に共通点が見つかるはずです。部下は、リーダーが自分の価値観に共感してもらえたことで、信頼が増します。

コミュニケーション改善2:現物現場を確認する

部下から報告があったらまず、現物現場を見ることです。コミュニケーションの手段は、言葉やメールだけではありません。特に報告は、悪い報告の場合、「たいしたことはない」と軽微に言いたがります。また、確認もしていない推察原因を付けて報告することもあります。

まず、「事実確認」が、重要です。
部下が、言葉で報告したことに対して、一緒に現物を見ること。現場に行って確認することです。私は、部下が勝手に「失敗」と判断した実験結果について、
「まず、データを見せろ」
と強引に生データを確認したことがありました。グラフを見ると、確かに理論予想からは外れていましたが、別の発見をしたことがあります。不注意で段差を踏み外し、足を捻挫しましたと報告があり、現場を見にいくと、その職場は床面が見えないほど、資材と製品が散乱していました。

リーダーは、現物を見ること。現場に行って、真実を確認することが重要です。言葉のコミュニケーションでは抜けている真実が見えます。部下に要求するのは、事実の報告が先で、原因や対策はその次です。すぐ、
「どうするんだ?」
「誰の責任だ」
とリーダーが、早急に原因と対策を求めていると、報告が遅れたり、報告を躊躇したりするようになります。

コミュニケーション改善3:「もし、自分が同じ指示をされたら」と想像する

部下は、指示に対してなかなか行動を始めない。あるいは、部下が期待した行動とは、かけ離れたことをすることがあります。
「なぜ、すぐにやらないんだ!」
「俺の言ったことが判っているのか!」
などと言う前にリーダーは、指示した言葉を思い出し、
「もし、自分が同じ指示をされたら」
と想像してみてください。その指示では、何をするのか分からない。やってもやらなくてもいいような指示。プライドを傷つけるような言い方だったりしていませんか。部下の知識、経験、理解力では、誤解したり、行動に恐れたりするのが当然のような指示ではありませんでしたか。

「曖昧な指示をしてごめん...」
といった言葉から指示内容の補足が必要ではないですか。
職場でパワハラ、セクハラでリーダーが訴えられるケースにおいて、本人に全く自覚がないことがあります。相手の気持ちを想像することできなかったケースです。「もし、自分に対して同じ言葉を言われたら」と想像できたら防げたかも知れないと思います。

コミュニケーション改善4:部下と一緒に考える

リーダーとして、常に完璧な指示をすることは困難です。特にトラブルの対策など、答えが明確でないときは、なおさらです。また、何かの改善策を考えるとき、
「やっておいてくれ」
では、部下は動きようがありません。極端になると部下は、リーダーから「丸投げ」された受け取られ、信頼を失うかもしれません。
部下と一緒に考えることで、部下の気持ちが変わります。

コミュニケーション改善5:知恵の引き出し役になる

リーダーには、部下を教育するという役目があります。新人の部下に対しては、知識や技術を教えることが優先されますが、その後は、一緒に考えることが教育になります。この段階では、部下とのコミュニケーションを通して、部下から知恵を引き出すことを意識することです。「知恵」は、知識、技術、経験の上に、「課題への挑戦」をすることで得られるものです。

リーダーは、「課題への挑戦」という知恵を得る場面を部下から奪ってはいけません。部下と一緒に考えますが、部下にも考えさせることです。
「分った!」
「これでうまくいく!」
という瞬間を部下に経験させることができたら最高です。

リーダーは、「部下に手柄を取られた」と思うかも知れません。しかし、リーダーの責務は、チームとして成果を上げることです。リーダーには、「改善の知恵」の他に「部下育成の知恵」も蓄積されるのです。

まとめ

リーダーと部下のコミュニケーションを良くするとは、「目的と目標の共有化」を図ることです。リーダーと部下との間でのコミュニケーションを改善する5つのポイントは、
1)部下の話を聞く
2)現物現場を確認する
3)「もし、自分が同じ指示をされたら」と想像する
4)部下と一緒に考える
5)知恵の引き出し役になる
ことです。これらは、リーダーと部下とのコミュニケーション改善の手法ですが、これを実践することで部下の教育、リーダー自身の成長に繋がります。

参考記事:班長(=チームリーダー)が成果を上げる4つのマネジメントポイント
リーダーが、厄介なメンバーと上手に会話する2つの方法
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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