経営問題を「考える」とは、「拡散」させて「収束」させること
経営問題を「考える」とは、「拡散」させて「収束」させること
経営問題を「考える」とは、「拡散」させて「収束」させること
「売上が落ちている」
「従業員が辞める」
「新規事業をやりたい」
企業の経営者は、様々な問題に悩まされています。これらの問題を順次解決していくのが、経営者の仕事です。しかしながら、問題解決に取り組むこともなく、先送りされたり、問題そのものに気が付かなかったりといったことが起きています。
また、私自身、経営問題に気付き「考えている」という経営者から相談を受けたとき感じるのは、「考えているつもり」で、実はあまり考えていないという現実です。
多くの経営者は、日々の経営の中で「自分は考えている」と思っています。しかし、その内容は、次の3つということが往々にしてあります。
1)心配しているだけ:不安への反応であり、思考ではない。
2)予想しているだけ:未来の推測であり、意思決定のための思考とは異なる。
3)情報を眺めているだけ:データを見ても、問題設定や仮説構築がなければ思考は始まらない。
つまり、経営者が「考えている」と思っている時間の多くは、思考しているのではなく、単に事象に反応しているだけということがあります。経営者は、まずこれを自覚しなければ、思考の質は上がりません。
それでは、経営者が経営のことを考えているというのは、次のようなことです。
1)経営問題を設定する
2)問題を「拡散」(分析、構造化)する
3)「拡散」した後、「収束」(解決策)させる
このポイントを中心に、経営問題を「考える」というプロセスをご紹介します。
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「考える」とは、問題に答えること
一般的に「考える」とは、
設定された問題に対して、自分なりの答えをつくること
です。ここで重要なのは、経営の問題には正解がないという点です。
そもそも、問題には、「正解がある問題」と「正解がない問題」とがあります。正解がある問題は、自分で調べる、専門家やAIに聞けば分かります。ところが、正解がない問題は、自分で考えるしかありません。経営問題とは、ほぼ全てがこの「正解がない問題」です。
つまり、経営問題については、経営者が考えるしかありません。
問題が明確に設定されていない
経営者が「考えられない」最大の理由は、問題が明確に設定されていないことにあります。
例えば、「売上が落ちている」というとき、「どう上げるか」を考える前に、「なぜ落ちているのか」を明らかにする必要があります。
「従業員が辞める」といたことでは、「どう定着させるか」よりも、「辞める理由の構造」を明確にする必要があります。
「新規事業をやりたい」といったときは、「何をやるか」よりも、「なぜ必要なのか」を問う必要があります。
問題が曖昧なままであったり、本質ではなかったりした場合は、どれだけ考えても答えは出ません。経営者がまず行うべきは、問題の定義をしていくことです。
経営者の中には、何か事象を前に、それが問題だと感じない人もいます。例えば、長時間労働やパワハラは、経営者や本人が「問題」と認識していなかったという事例が数多く報告されています。
「考える」とは、「拡散」させて、「収束」させること
経営問題について「考える」とは、「拡散」と「収束」という思考プロセスから成り立っています。
拡散:問題を広げ、構造化する
「拡散」とは、問題を多面的に分解し、構造を明らかにするプロセスです。経営問題に関しては、様々な手法があります。
例えば、ロジックツリー、3C、SWOT、PEST、顧客セグメント分析、因果関係の分解、過去事例や他社事例の収集などです。
これらはすべて「拡散」のための道具といえます。
拡散の目的は、
問題の全体像と構造を把握すること
にあります。分析しても、まだ答えは出ません。
収束:解決策をつくる
「拡散」に続くのが「収束」です。「考える」のは、この段階で、経営者やコンサルタントの思考力が問われます。
収束とは、
拡散させた情報・要素の中から、解決策をつくるプロセス
です。
収束させる、つまり「考える」ポイントは次の3つがあります。
1)共通点・類似性を見つける
他社の成功事例との共通点や過去の自社のパターン、問題の根本構造の類似性などから、「洞察」することが重要です。
2)トレードオフを理解し、意思決定する
経営の意思決定は、トレードオフの関係がつきまといます。
例えば、売上 vs 利益、成長 vs 安定、標準化 vs カスタマイズ、短期 vs 長期といったことです。
収束とは、トレードオフの関係が絡み合う中、選択をしていくことです。
3)実行可能性とインパクトの両面から絞り込む
収束の最終段階は、可能な実行案を作成することにあります。その案が、実行できるか、効果があるか、競争優位につながるか、組織が動けるかといった観点から検討し、「答え」を形にします。
経営者の「考える力」が、最も問われるのは、この収束のときであり、経営者の価値が生まれます。
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まとめ
経営問題とは、正解のない問題。経営者は、どうしても「考える」必要がある。「考える」とは、問題に気付き、内容を明確にして、「拡散」(分析)を行い、「収束」(解決策の立案)によって、意思決定するというプロセス。最も思考力が問われるのは、「収束」の瞬間です。
