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「ニッチ戦略」に必要な、会社・商店の「強み」の見つけ方のポイント

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「ニッチ戦略」に必要な、会社・商店の「強み」の見つけ方のポイント

 

何がしかの「強み」があるから会社・商店は存続している

「あなたの会社の『強み』は、なんですか」
そう聞かれたらどう答えますか。大きな企業であれば、普段から「強み」を出して営業活動やIR活動(IR=Investor Relations)をしていることもあり、即答できるでしょう。しかし、小さな会社や商店では、
「うちに『強み』なんてあるのかな?」
と思う社長や店主がおられるでしょう。しかし、一見何も「強み」もないような会社や商店であっても、長く存在し、お客様がいるということは、何がしかの「強み」があるからです。特に長所があるように見えない商店も、その地域で「昔からある」ことが、最大の「強み」と考えることができます。
一方、あるラーメン店の店主が
「うちの『強み』は、スープにある」
と豪語されていました。ところが、周辺に牛丼チェーン店やファーストフード店ができると客を一気に客を失ってしまいました。
この店のラーメンは、たしかにうまいのですが、来店するお客様は、味よりも「周辺に、この店以外に気軽な飲食店がない」ことが主な来店理由だったようです。
社長(店主)は、自社の「強み」に気付かない、間違っているということがあります。規模の小さい企業・商店は、「ニッチ戦略」で戦うしかありません。
「地域で唯一の店」
「ここでしか扱っていない商品」
「こんな人達だけに向けたモノやサービス」
といった具合です。ニッチ戦略で戦うには、「強み」を見つけ、活かすことが重要です。
「強み」を活かしてニッチ市場で成功するには、いくつかのポイントがあります。
1)「強み」とは、相対的なものと理解する
2)「独自」性を持つ
3)標準以下の「弱み」があると、「強み」が消える
これらを押さえることが、小さな企業・商店が存在感を出し、生き残るためには重要です。

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小さな会社は「ドラッカー戦略」で戦わずに生き残る

強みとは、相対的なものである

「強み」とは、相手があってのものです。相手(競合)を間違えると、自社の「強み」を勘違いします。
冒頭に挙げたラーメンの店主が、「味の良さ」を「強み」と考えていたのは、相手が同じラーメン店に対してです。ところが、実際は「簡単に食べられる店」が競争相手でした。「安さ」、「速さ」といったことが、重要なポイントです。この店の「味の良さ」は、あまり有効に働かなかったようです。
「強み」は、企業・商店の外部環境で変化します。例えば、地域で唯一の店は、「強み」です。ところが、車が普及すると「強み」が薄れます。ところが、住民が高齢化すると、その「強み」が戻ってきます。
「強み」とは、相対的なものであるため、様々な視点から見つけることです。例えば、製品の性能は、自社で分かります。しかし、それが商売上「強み」になるかは、利用者が知っています。実際の顧客、従業員、顧客についてくる親や介護者等々の声から「強み」を見つけることが大切です。

「独自」なものを持つ

「強み」として、必要なものは、「独自」のものを持つということです。勿論、ユニークなモノやサービスは、「独自」性が、極めて高いものです。しかし、特別な技術や価格でなくても「独自」性は、出すことができます。
キーワードは、
「そこまでやるか!」
というモノやサービスです。他社、特に大企業が、コストや人手などの問題で「やりたがらない」仕事は、「独自」性を発揮できるニッチ市場です。
例えば、過疎地を軽トラで廻る商店。時には、お年寄りと世間話をし、時には普段扱っていない商品の注文も受けるといったサービスで店を維持しています。
私の家の近くに、試打だけでゴルフクラブを売る店があります。店そのものは小さく、店主をみたことがありません。店主は、毎晩ゴルフクラブを大量に持ってゴルフ練習場を廻り、練習している人に試し打ちをしてもらい、クラブを売っています。ボール速度の測定器・カメラで打ち方のアドバイスとクラブの販売をしてファンを作っています。この店の「強み」は、店主の「親切心」かも知れません。クラブメーカーも大手ゴルフ道具店ができない「独自」性を発揮しています。

標準以下の「弱み」があると「強み」が消える

「強み」がいろいろあっても、標準以下の「弱み」があると、すべての「強み」が消えてしまいます。
今年(2024年)、サプリメントで健康被害が出て死者がでるという事件がありました。この会社、ユニークな商品群とそのネーミングで「強み」を存分に発揮していました。ところが、「安全」という点において「弱み」が露呈し、全ての「強み」が消えてしまいました。
これほど、極端ではないにしても、店内の設備・雰囲気が良く、料理の味もいいのに、接客が冷たい・横柄と感じる店は、繁盛しないでしょう。牛丼チェーン店が流行るのは、「早い」「安い」「うまい」が揃っているからです。この内、1つでも世間の標準を下回るような「弱み」があれば、流行ることはありません。

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まとめ

「ニッチ戦略」で戦うには、自社の「強み」を見つけ、活かすことが重要です。
「強み」を活かしてニッチ市場で成功するには、いくつかのポイントがあります。
1)「強み」とは、相対的なものと理解する
2)「独自」性を持つ
3)標準以下の「弱み」があると、「強み」が消える
これらを押さえることが、小さな企業・商店が存在感を出し、生き残るためには重要です。

参考記事:「ニッチ戦略」と「差別化戦略」を混同するな!「ニッチ戦略」は、どの会社も持っている!

起業や新規事業に必要なマネされないビジネスモデルの3つのポイント

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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