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ビジネスシーンで使える「目的買い」戦略と「衝動(偶然)買い」戦略

 
目的買いと衝動買いのイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

ビジネスシーンで使える「目的買い」戦略と「衝動(偶然)買い」戦略

 

ネット検索普及で「目的買い」化した商品選び、飲食店選び、会社選び

「サイクロン型掃除機、7万円程度」
「○○駅の周辺、1000円程度、ランチ」
「就職、神戸、システムエンジニア」
こんなキーワードでネット検索して、商品を買ったり、見知らぬ街で昼食の場所を見つけたり、転職先を見つけたりする人が増えています。コロナ過で外出が減り、ますますこの傾向は強まっています。以前は、電気店内や食堂街をうろついて決めていたことが、ネット検索で即決です。学生課にある求人票をめくったり、リクルートやマイナビの会社一覧を眺めたりして応募する会社を選んでいたのが、はじめから選択肢を絞り込んでからネットで会社探しをする人が増えています。転職においては、むしろそちらが主流です。
前もって商品を決める、もしくは絞り込んで買うことを「目的買い」と呼びます。目的ありきであれば、EC(電子商取引)が圧倒的に優位です。
「目的買い」の反対が「衝動買い」です。「衝動」というより「偶然」の方が、意味としては適切ですが、以下「衝動」として書きます。
なんとなく行ったデパートで「気に入った服を見つける」とか、旅先で偶然入った店が「思いほかうまかった」など新鮮な経験は、価値を得ることの他に、「いい思い出」も残ります。他にも、図書館や書店に足を運び、普段読まないジャンルの本を手にするなど、「衝動買い」のメリットがあります。もちろん、「衝動買い」が「無駄遣い」になるデメリットもあります。

ビジネスにおいては、相手に「目的買い」をしてもらいたいのか、「衝動買い」をしてもらいたいのか、意識して販売や採用活動をすることが、結果に繋がります。その店や販売コーナーが、「目的買い」の狙っているのか、「衝動買い」を狙っているのか、明確な戦略を立てている会社が、結果を出しているように思います。

「目的買い」戦略をビジネスシーンに活かす

① 中途採用は、「目的買い」の時代
転職希望者は、明確に自分のターゲットを持っているものです。就労場所、就労時間、給料、職種を明快に示すことで、応募者を増やせます。ハローワークに求人票を出しても、そこに来る人で、「目的買い」をする人はほとんどいません。「とにかく、時給のいい家の近くの職場で、自分ができそうな仕事」といった基準でしょうか。それなりの人材を得ようという中途採用に、ハローワークは向いていません。きっちり採用の基準お明らかにして、その情報がネット検索で上位に表示されることに努めることが成功につながります。

② 最強の「目的買い」ECでモノやサービスの販売
目的ありきの販売では、EC(電子商取引)が圧倒的に優位です。ネット検索されるためのHPの充実、アマゾンや楽天などの取引サイトの活用が、強い販売力を生み出します。
ネット上には、専門の「比較サイト」の他に個人のブロガーが書いているアフリエイト記事もあります。どのサイトに掲載されるにしても、モノやサービスの特徴を明確にした戦略が重要です。

「衝動買い」戦略をビジネスシーンに活かす

① 就活生に無名の企業は、「衝動(偶然)買い」を狙う
新卒の採用に当たっては、「偶然」が結構重要です。
OBが大学に来訪して入社を誘われた」
「席の空いていて偶然入った会社の説明会で応募を決めた」
など、「衝動(偶然)買い」ともいえる気持ちで、企業に応募し就職が決まることが結構あります。黙っていても応募者の集まる人気企業以外、OBの大学訪問、SNSでの出会いなど、「偶然」を増やす努力が必要です。

② 買い物を楽しむ、モノやサービスの「衝動買い」戦略
ダイソーなど、「100均」の店内をうろついていると、思わぬ発見をして「衝動買い」をしてしまうことがあるものです。安いということと同時に、「こんなモノがあるのか」と驚かされることがあります。目的もなく、ホームセンター、文房具屋、本屋などを見ていると、こんな経験をさせてくれます。
「そこに行くと何か楽しいことがある」
「面白いモノを見つけられかも知れない」
という「ワクワク感」を演出することが大切です。かつてのデパートはそんな雰囲気がありました。紙の辞書、百科事典も目的の事柄以外を目にして、調べたいことを忘れて読んでしまうことがありました。今は、電子辞書やGoogle検索で、目的の言葉は、即見つかりますが。思わぬ発見はなくなってしまいました。

選ぶことを楽しむカタログ、偶然に出会う楽しみのある店内が求められます。デパートやショッピングモールなどは、「そこに行くこと自体が楽しい」と思わせなければ、衰退します。各地にある、シャッター商店街が生まれた理由の一つが、「そこに行くことの楽しさ」「偶然の楽しさ」を打ち出せなかったことにあるのかも知れません。

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衝動買いしてもらう21の法則
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まとめ

現代は、ネット検索で欲しいモノを直接探す、「目的買い」が増加し、商品だけでなく、飲食店や就職先探しも一種の「目的買い」になっています。
しかし、一方で「衝動買い」が優位な場面もあります。販売や採用活動など様々なビジネスシーンにおいて、「目的買い」を狙うか、「衝動買い」を狙うか、明確な戦略を立てて実施することが大切である。

参考記事:「ジョブ理論」から見えてくる必ずしも「安くて良いモノ」が売れない理由

労働生産性が上がる目標のたて方

研究開発の生産性向上は、開発能力と並んでマネジメント力が重要

 

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