「考えすぎる人」が「思考のムダ」から抜け出す4つの方法
「考えすぎる人」が「思考のムダ」から抜け出す4つの方法
「考えすぎる人」が、「思考のムダ」を「生産性のある思考」に変える4つの方法
「自分は、ダメな人間だ」
「人にどんな風に見られているだろうか」
「もうこの仕事は、やっていけない」
人は、こうした心配ごとを日に何度も頭に浮かべます。人は、1日6万回物事を考え、その95%は、前日も前々日も同じことを考えているといいます。更に80%は、ネガティブです。(マーシー・シャイモフ著「『脳にいいこと』だけをやりなさい!」)また、別の研究によれば、寝ている間の夢の70%はネガティブだそうです。(正確には、目覚めたとき覚えている夢)どうも人は、寝ても覚めてもネガティブなことを考える生き物のようです。
人には、「考えて」生産的な方向に向かう人と、「考えて」ばかりで前に進めない人がいます。前に進めない人を「考えすぎる人」と言います。
「考えすぎる人」が問題なのは、考えが心配事から抜け出せないことです。本人がどうすることもできないこと、起きるかどうかわらないことを考え続けることです。これは、「思考のムダ」です。
「考えすぎる人」が、「思考のムダ」から抜け出す方法を4つご紹介します。
1)マイナス思考の上に、「プラスの上書き」をする
2)解決策に目を向ける
3)自分の「拘り」(こだわり)を検証する
4)体を動かす
この4つは、私が職場で「考えすぎる人」によくアドバイスしてきた方法です。心配ごとを考えるのは、悪いことではありません。リスク管理、課題の発見と解決には欠かせません。問題は、生産性のない「思考のムダ」になってしまう「考えすぎ」です。この方法で、「思考のムダ」を「生産性のある思考」に変えることが期待できます。
「脳にいいこと」だけをやりなさい! : 心と体がみるみる元気になる生活術! (知的生きかた文庫)
マイナス思考の上に、「プラスの上書き」をする
どんなことでも、マイナスの面とプラスの面とがあります。「ダメな上司」に当たって、不運と思うか、自分を伸ばせるチャンスと思うかで、気持ちも行動も全く違います。
いくつか不運が続くと「悲劇のヒロイン」になる人がいます。なぜこんなに不運が続くのか、それは自分が不運を背負っているからと言うわけです。
人には、「プラシーボ効果」があります。ただの澱粉の錠剤でも薬と思うと利くことがあるように、ただの偶然が「悲劇のヒロイン」である証拠に思えたり、「幸運の持ち主」の証拠に感じたりします。その結果、マイナスに考える人はマイナスの結果、プラスに考える人はプラスの結果を得ることになりがちです。
「考えすぎる人」は、悪い面ばかりではありません。慎重でリスクに気付き易いタイプとも言えます。考えすぎていることの逆を考えて、プラス面の上書きすることで、「生産的な思考」に変えることができます。
解決策に目を向ける
「考えすぎる」最大の問題は、解決策を考えずに心配事を考え続けることにあります。最悪は、起こるかどうかわからない予想を延々と続けることです。
この状態から抜け出すには、「考えすぎていること」の具体的解決策に目を向けることです。解決策といっても行動できることと、行動できないことがあります。
「大地震が、今年起きるか」といくら考えても誰もわかりません。そんなことを考えてもムダです。しかし、備えをどうするかを具体的に考えることはできます。
上司や好意を持っている人が、自分をどう思っているか、いくら推測しても分かりません。でも良く思ってもらえる手だてどうするかを考えることはできます。それを行動にすることもできます。解決策を考え、早く行動を起こせば、それだけ早く「思考のムダ」から脱却できます。行動を起こさない解決策を考え続けると、また「どうするか」を堂々巡りで考え続けることになります。
「考えすぎる人」には、問題のネガティブな部分に目が行きがちです。「問題の解決策」に目を向けることが重要です。
自分の「拘り」を検証する
「考えすぎる人」が、解決策を考えても見つからず、同じ心配が堂々巡りする理由の一つに「拘り」(こだわり)があります。心配事として考えていることが、実は本人の「拘り」といわれるバイアスのために、解決困難に見えることがあります。
新規事業に乗り出すか、転職をするかを「考えすぎて」て動けないのは、「現状維持バイアス」が強く働いている可能性があります。「失敗したくない」「失敗は悪である」という「拘り」が強いからです。
「他人から良い人に見られたい」「ダサいと思われたくない」そんな気持ちが根底にあると、自分が本来やりたいことに踏み込めずに「考える」だけになります。心配事から抜け出せないないでいるとき
「そもそもなぜ、これが心配なのか」
と自分を振り返り、心配の原因が自分の「拘り」ではないかと検証してみることです。
落ち目の老舗企業が、つぶれる直前まで一流であることに拘り、見栄を張って思い切った策が打てない事例は沢山あります。外部から来た再建者が、従来の経営者の「拘り」を見事に打ち砕き、成功した事例も同じくらいあります。
体を動かす
意図的に身体を動かすことは、「考えすぎる人」から脱出する有効な手段です。セラピストや心理学者から、いろいろな提案がされています。瞑想する、軽い体操をする、ウォーキングなどです。深呼吸するだけでも脈拍や血圧が下がり、気持ちが変わると言われています。
体を動かすことで、自然に別なことを考えます。人は、同時に2つのことを考えることはできません。
散歩を愛していた偉人が、数多くいます。カント、ベートーヴェン、フロイト、アインシュタインにステーブ・ジョブスと多くの偉人が散歩を日課にしていました。(「カントもケインズも!散歩を愛した偉人たちに学ぶ『散歩の効用』」から)彼らは、いわば考えることが仕事です。そんな人々は、考えることを一旦やめたり、別なことを考えたりしながら体を動かしていました。「考えすぎる人」から脱出するために、散歩に限らず、体を動かすことを取り入れることもお勧めです。
まとめ
「考えすぎる人」が問題なのは、心配事の解決法を考えず、心配事として同じ事を繰り返し考え続けることです。本人でどうすることもできないこと、起きるかどうかわらないことを心配しすぎることです。これは、「思考のムダ」です。
「考えすぎる人」が、「思考のムダ」から抜け出すには、
1)マイナス思考の上に、「プラスの上書き」をする
2)解決策に目を向ける
3)自分の「拘り」を検証する
4)体を動かす
などの方法があります。これらで、「考えすぎる人」が、「思考のムダ」から「生産性のある思考」に変わることを期待します。
参考記事:決断できない人、決断しない上司、お客様の決断を速くする3つのポイント
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