リーダーが、「予想できない」仕事量を「予想する」ことで、生産性が上がる
リーダーが、「予想できない」仕事量を「予想する」ことで、生産性が上がる
職場の生産性を上げるには、仕事量を予想し計画を作ること
「突発の仕事依頼が多くて、予定した仕事ができない」
「来週の仕事計画を出せと言われても、いつどのくらいの量の仕事が入るかわからない」
「突然の仕事キャンセルで、計画を作っても意味がない」
これは、生産性向上活動の中で、分析業務をしている10人ほどの職場リーダーが、口にした言葉です。生産性向上のために、翌週の仕事計画を作り、仕事量が多ければ残業や他職場の応援をもらう。仕事量が少なければ、人員の他に回す、普段できない仕事をするなどの手が打てます。ところが、この職場では、翌週どころか、今日明日の仕事量さえ予想ができないと言うのです。
これは、個人にも職場にも程度の差はあいますが、よく起きていることです。問題は、それを「しかたのないこと」として、仕事計画を作らないことです。
お客様(依頼主)のことを知れば、仕事量が予想できる
「仕事量の予想なんてできない」
と思っていた、前述の職場リーダーにヒヤリングを続けると、いくつかのヒントが出てきました。
「突発で依頼する人は、だいたい決まっている(Kさん)」
「仕事キャンセルは、依頼主側が忙しい時のようだ?」
「だいたい決まった曜日に仕事がくる」「...」
などと言った情報です。
そこで、依頼主(お客様)話を聞くことにしました。お客様に話を聞くことは、意外に抵抗があります。
「恐れ多くも、お客様に、『なんで発注量がばらつくのか』なんて聞けない」
とリーダーは言いましたが、強引に聞きに行ってもらいました。行ってみると意外なほど、内情を教えてくれました。分析量が急に増えるのは、お客様の仕事量に関係していました。お客様の抱えている仕事は、大体の月間計画があります。また、依頼主が忙し過ぎると分析依頼が後回しになる傾向があるようでした。問題の依頼主Kさんは、分析がどんな手順で行われるかなど全く知りませんでした。
なぜ、仕事量が変化するか。それは、お客様(依頼主)の都合です。しかし、お客様と会話をすると、こちらの立場をある程度は、理解してくれました。お客様の大まかですが月間計画を教えもらえることになりました。職場リーダーは、これを基に、次週の計画をつくり人の配置等を行っています。もちろん、生産性の各指標は、アップしています。
重要なのは、毎週計画と実績を比較し、計画づくりの精度アップです。毎週のようにお客様と連絡を取ることを続けています。
まとめ:先の仕事量を掴むと生産性が向上する
今回は、会社対会社(B to B)の仕事であったため、お客様との直接会話ができました。これが、会社対一般消費者(B to C)になると、会話が難しくなります。しかし、各種アンケートやネット情報分析を使えば、仕事量変化の分析ができます。これは、売上を増やす情報調査であり、仕事量予想調査にもなります。
もし、あなたが個人で、上司の指示で仕事をしているのであれば、依頼主である上司のことを知ることが仕事の生産性を上げます。依頼主側の上司であれば、こちらの事情を部下に伝えることで、部下の生産性は上がるはずです。生産性向上には、コミュニケーションが重要です。