ヒット商品に見られる「売れる」ために必要な3つの要素
ヒット商品に見られる「売れる」ために必要な3つの要素
ヒット商品に見られる3つの要素
「同じような商品なのに、売れるものと売れないものがある」
「商品が売れて、初めて市場のニーズに気づく」
売れたあとに、商品がヒットした理由を探すのは容易ですが、発売前にその商品がヒットするかどうかの判断は難しいものです。商品がヒットする理由には、コロナなど社会環境がマッチしている、SNSに上げた動画が拡散するなどの商品そのものとは違う要素が働くこともあります。また、「どこで売るか」といったプレイス戦略が大きくきくこともあります。
しかし、ヒットを生む商品は、やはり商品そのものの魅力が必要です。ただし、同じような性能であり、同じような環境で、売っても売れ行きに違いが生まれます。
ヒット商品には、「売れる」ために必要な3つの要素があります。
1)「発見」がある
2)「共感」できる
3)「本物」であることが分かる
というお客様心理です。冒頭であげたように、社会的な背景やSNSでの露出度もありますが、その商品を目にしたとき、この3つの要素をお客様に伝えられるかが、売れるためには絶対に必要なものです。
例えば、2021年日用品で売れた商品をリストから拾ってみます。(日経トレンド:「268社を調査、メーカー別ヒット総覧 2021年ヒットした商品は?」)
・花王「バスマジックリン エアジェット」
・カインズ「まな板シート」
・アイリスオーヤマ「カラーマスクシリーズ」
・貝印「紙カミソリ」
・ピジョン「やわらかパックごはん」
・アース製薬「らくハピ マッハ泡バブルーン 洗面台の排水管」etc.
これらを見ると、上記3つの要素が、どれにも含まれていることが分かります。
「こんなものがあったのか」(発見)
「こんなこと、あるある」(共感)
いずれも、こんなお客様の心理をついた商品です。
売る側がいくら「良い商品」と思っていても、買う側にとって、この3つの要素がなければ、ヒット商品にはなりません。買う人に気持ちになって、商品を評価するヒントを紹介します。
100案思考 「書けない」「思いつかない」「通らない」がなくなる
商品に「発見」がある
商品に発見があることは、重要です。
「世の中に、こんな商品があったのか」
「こんな色の組み合わせもできるのか」
消費者は、こんな「発見」が大好きです。風呂掃除で、擦らずに洗える花王の洗剤。まな板にカバーをして洗わずに済む。カラフルな柄と色のマスク。これら例として取り上げたヒット商品の売れた理由に「発見」があることが分かります。
その商品にも開発者の絞りだしたアイデアと努力があります。これを消費者は、「発見」という形で価値を見出し、買うのです。
商品に「共感」できる
「私も前々からこう思っていた」
「私にもこんことなこと、あるある」
そういった「共感」は、映画や文学のヒット作だけの世界ではありません。紙でできたカミソリは、毎度プラスチックを捨てることに抵抗感を持っている人々に受け入れられました。「やわらかパックごはん」は、成長に合わせた硬さで赤ちゃん用にご飯を調理する母親に支持されています。みな、「前々からこう思っていた」と思う気持ちを受け止めた商品です。つまり、「共感」商品ということができます。
「本物」であることが分かる
いくらお客様に「発見」や「共感」を得て、商品に接してもらっても、その商品が「本物」でなければ、売れません。「本物」とは、機能がカタログ通りである。提供する人や会社が信頼できるなどです。ブランド品と言われているものには、服やバッグに小さな「本物」であることが分かる小さなロゴを付けています。もちろんロゴだけで、期待した機能を満たさなければ意味がありません。
企業の開発部門のエンジニアは、いいモノを開発しようと努力しています。もちろん商品として性能はヒットの必要条件です。しかし、商品をヒットさせるには、これをお客様に知ってもらうことが必要です。
ヒット商品の例に上げたアース製薬の排水管洗浄剤は、Kik Tokで総視聴回数9500万回以上を記録しています。多くの人が「本物」として、その性能を確認したことが、話題性とともに大きいと言えます。
まとめ
ヒット商品には、「売れる」ために必要な3つの要素があります。
1)「発見」がある
2)「共感」できる
3)「本物」であることが分かる
というお客様心理です。
「この世にこんなモノがあったのか」(発見)
「こんなこと、あるある」(共感)
「やっぱりいいモノだ」(本物)
という気持ちにする商品が、ヒット商品になります。