上司が部下に仕事を「丸投げ」する3つの理由とその対処法
上司が部下に仕事を「丸投げ」する3つの理由とその対処法
上司が部下に仕事を丸投げする3つの理由
「毎度、内の上司は仕事を丸投げしてくる」
「ややこしそうな仕事は、決まって私に丸投げしてくる」
こんな上司からの仕事の丸投げに対して不満を募らせていませんか。上司が、部下に仕事を丸投げするのは、以下のような3つの理由があります。
1)上司が仕事の内容を知らないから
2)上司が、その仕事をする価値を感じないから
3)部下の能力を信じているから
この3つの理由を理解して対処すれば、仕事の丸投げは、生産性を上げ、部下の成長のチャンスになります。逆に対応を誤れば、部下の上司への不満増大、生産性低下を招きます。
私自身、長年仕事を丸投げする立場にいましたが、上記3つの理由を意識し、誤解しそうな部下には、丸投げする理由を説明していました。ずいぶん仕事を丸投げしていましたが、上司部下の関係崩壊もなく、むしろ部下が仕事の丸投げで成長すること目にしました。
仕事の丸投げをなぜするのかを、部下が仕事ごとに理解すれば、仕事の効率化や社員の成長が期待できます。
上司が仕事の内容を知らないから仕事の丸投げをする
部下が最も「仕事の丸投げだと」感じるケースです。一言で言えば、上司がその仕事を知らないので部下に丸投げするのです。役所からの資料要求、他部署からの依頼事、ITなど新知識を必要とする仕事、その部署に慣れていないなど、様々な事情があります。上司の責任として、
「自分は、この仕事の内容を知らないから頼む」
と部下に伝えることです。これをきっかけに仕事の内容を部下が理解します。これが無ければ、部下の「丸投げ」不満が膨らみます。
不幸にして、部下に対して
「これの対応を頼む」
とばかりに他部署や役所からの依頼書を説明なしに渡されたら、部下の方から質問と確認をしてください。その際、本当の依頼主は誰で、その納期を確認してください。この手の丸投げは、上司が単なるメッセンジャーになっており、本当の依頼主は顧客なのか、役所か、社内なのか、せめて知っておく必要があります。
仕事が進み途中経過や結果報告をする場合にすべきことがあります。それは、
・仕事の内容、量、難易度を上司にフィードバックすること
これは、上司にとっても部下にとっても重要です。これをしないと、部下がやった仕事を評価してもらえません。また、次回以降の「丸投げ」が変わることもありません。
上司が、その仕事をする価値を感じないから丸投げする
データの整理、会議やイベントの事前準備、各種資料の作成など、上司からみて「その仕事を自分がする価値を感じない」場合の丸投げです。この場合、上司は仕事の概要は理解しています。だから価値を感じないのです。
この場合、仕事の難易度は高くありませんが、手間のかかる仕事が多いのが常です。また、パターン化した仕事が多いことも特徴です。
このケースの丸投げは、その部署全体として生産を上げるチャンスです。丸投げされた仕事は、パターン化された量の多い仕事ならば、仕事分担やIT化で効率化ができます。
まず、丸投げされた仕事内容を要素に分解します。そして、仕事全体あるいは要素ごとに次のことを考えます。
① 更に他の人(外注、バイト等を含む)に仕事を振ること。
要素に分解そると要素ごとに得意な人がいます。あるいは、外注先があれば、活用してみることができます。ネットを検索すれば、有料・無料の引き受け先を見つけられるでしょう。
② IT技術の活用
データの整理などでは、手計算での集計からエクセルなどの計算ソフトの活用。そして、マクロソフトを活用するといった効率化手段の活用余地がないか検討してみてください。また、無料で便利な計算シートやアプリが公開されていて活用できることもあります。
上司がその仕事をする価値を感じないで丸投げする場合、それは仕事というより作業と言うべきことが多いものです。丸投げされた部下は、単純にその作業をこなすのではなく、「やり方」に目を向けてみることです。
部下の能力を信じているから仕事を丸投げする
「この仕事は、彼(彼女)なら、できだろう」と仕事を丸ごと依頼するケースです。上司は、仕事の量と難易度を把握しています。丸投げというより権限委譲と言った方が適切かもしれません。これは、部下にとって成長のチャンスです。
仕事を丸投げで受けた部下が、「権限委譲」と捉えるか、「丸投げ」と捉えるかで、その意味が大きく違ってきます。
丸投げされた仕事を「権限委譲」された仕事を捉えたら、上司にゴールを確認します。具体的には、仕事の目的と仕上りレベルと期限です。上司が部下の能力を把握していれば、仕事の仕上がりのレベルとかかる時間は想像できます。その期待を少しでも上回ることができれば、成長を認めてもらえます。
上司と部下の信頼がない職場では、
「成功したら上司の責任」
「失敗したら部下の責任」
そんなことが言われます。部下にとって気持ちのいい話ではありません。しかし、それは一過性と見るべきでしょう。2度、3度と成功や失敗が続けば、いやでも周囲は、責任の所在は分ります。下手に「自分の功績で成功した」「失敗したのは、自分のせいでない」と主張すると、周囲から自分の器量を小さく評価されがちになります。
「仕事を任せたもらったお陰で、成功経験をした」
「失敗の経験をさせてもらった」
まっとうな上司なら、そんな言葉を発する部下を評価するものです。
まとめ
上司が、部下に仕事を丸投げするのは、
1)上司が仕事の内容を知らないから
2)上司が、その仕事をする価値を感じないから
3)部下の能力を信じているから
この3つを理解して対処すれば、丸投げは、生産性を上げ、部下の成長のチャンスになります。逆に対応を誤れば、部下の上司への不満増大、生産性低下を招きます。